博報堂生活総研[来月の消費予報・2024年6月](消費意欲指数)
大型連休明けと物価高の影響により6月の消費意欲指数は、過去5年の同月最低値に
株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。
※5月7-9日に調査
2024年6月の消費意欲指数は43.4点。前月比で-3.6ptと大幅に低下し、前年比でも-2.9ptと低下しました。
【6月のポイント】
Point1 大型連休明けの引き締め意識と物価高の影響で、消費意欲は例年より低下
例年6月は、大型連休と夏休みの狭間で消費意欲指数が低下する月です。今年も前月比で-3.6ptと大幅に低下し、前年比でも-2.9ptと低下しており、過去5年間の6月として最も低い数値となりました。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答(5月392件→6月287件)は大きく減少し、ネガティブな回答(5月827件→6月934件)は大きく増加しました。具体的には、ポジティブな回答で、「(大型連休があるなど)季節的な意欲向上(5月186件→6月56件)」や「(旅行など)出費の予定・欲しいものがある(5月174件→6月119件)」が減少しています。ネガティブな回答では、「5月までに多く使った反動で節約(5月56件→6月114件)」が増加しました。
また、「物価高・値上げ・円安」は、4ヵ月連続で微増傾向が続いており(24年2月59件→3月65件→4月78件→5月85件→6月114件)、7ヵ月ぶりに100件を超えました。
前年と比べても、消費にポジティブな回答(23年6月335件→24年6月287件)は減少し、ネガティブな回答(23年6月914件→24年6月934件)はやや増加しています。具体的には、ポジティブな回答で、「(旅行など)出費の予定・欲しいものがある(23年6月171件→24年6月119件)」が減少しました。ネガティブな回答では、「これまでの出費や今後の出費予定のために我慢(23年6月147件→24年6月174件)」がやや増えています。
大型連休を経て出費を抑えようとする6月らしい動きに加えて、物価高の影響が重なり、6月の消費意欲は例年より低下しそうです。
Point2 消費意向は、日用品以外の幅広いカテゴリーで前月比・前年比減
「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の割合は25.8%で、前月比では-3.2ptと大幅に低下しました。前年比でも
-0.8ptとやや低下し、消費意欲指数と同様に、過去5年間の6月として最低値となっています。
16カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では「日用品」が20件以上増加し、「旅行」「ファッション」「書籍・エンタメ」が20件以上減少しました。前年比では20件以上増加したカテゴリーはなく、「旅行」「ファッション」「化粧品」など5カテゴリーで20件以上減少しています。日用品以外の幅広いカテゴリーで消費意向が低下していることがうかがえます。
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