公益信託「サントリー世界愛鳥基金」２０２３年度助成先決定

サントリーホールディングス株式会社

2023年4月17日 16時04分

絶滅危惧種アホウドリのコロニー（集団営巣地）提供：（公財）山階鳥類研究所

サントリーホールディングス（株）が設立した公益信託「サントリー世界愛鳥基金」は、２０２３年度の助成先を「鳥類保護団体への活動助成」「地域愛鳥活動助成」「水辺の大型鳥類保護」の３部門から計２２件に決定しました。今年度の助成金額は、約４,０００万円となります。

当社は、野鳥が環境のバロメーターであることへの気づきから、１９７３年より愛鳥活動を開始しました。同活動は今年で５０周年を迎えます。

「サントリー世界愛鳥基金」は、さまざまな鳥類保護活動への助成により地球環境の保全・再生に貢献することを目的として１９８９年にサントリー（株）が創設、１９９０年に公益信託として許可されたものです。２０２３年度を含めた助成対象は延べ４９４件、助成総額は６億円超となります。

国内だけでなく海外の多様な鳥類保護活動に対してもいっそう支援の輪を広げるべく、昨年度より「鳥類保護団体への活動助成」部門において、海外の鳥類保護団体も応募可能※となる「グローバル募集スキーム」を開始しています。今後も国内外のさまざまな鳥類保護活動を支援し、愛鳥活動に取り組んでいきます。

※日本の活動団体を通じた申請が必要

●サントリーの愛鳥活動について

鳥類保護活動を通じて地球環境を見つめなおすことを目的に、“Today Birds, Tomorrow Humans.”「今日、鳥たちに起こる不幸は、明日、人間の身に降りかかるかもしれない。」のスローガンのもと、１９７３年に「愛鳥キャンペーン」を開始。新聞広告やポスターなどによる啓発活動のほか、白州蒸溜所の敷地にバードサンクチュアリを設け、野鳥調査や観察会、巣箱かけなどを行ってきました。

１９８９年には、愛鳥活動のいっそうの充実を図るため、公益信託「サントリー世界愛鳥基金」を創設し、多様な鳥類保護活動を支援しています。

現在は「今日、鳥たちに起こる幸福は、明日の人間を幸せにするかもしれない」という前向きな捉え方で、「ネイチャー・ポジティブ」の考えのもと、「鳥を守る」だけでなく「鳥たちが棲める環境を守る」という思いで活動を継続しています。

また、全国１５都府県２２箇所で森林保全活動を展開している「サントリー天然水の森」において、専門家による詳細な野鳥調査を継続実施し、その調査は、森林整備や自然再生の１つの指針として活かされています。生態系ピラミッドの頂点に位置する上位捕食者である猛禽類が、営巣(えいそう)・採餌(さいじ)・子育てが可能なくらいに豊かでバランスのとれた自然環境を目指す「ワシ・タカ子育て支援プロジェクト」にも取り組んでいます。

―　記　―

●「サントリー世界愛鳥基金」２０２３年度助成先

「鳥類保護団体への活動助成」部門　１０件　総額１,８２０.１万円

団体名	対象活動	助成額（万円）
公益財団法人日本鳥類保護連盟	奄美大島に生息する希少鳥類の調査・保護活動	３１３
公益財団法人山階鳥類研究所	絶滅危惧種アホウドリの保全及び学術研究のための普及啓発活動	２３０
特定非営利活動法人サロベツ・エコ・ネットワーク	発信機で明らかになる道北タンチョウ渡りと越冬地	２２９.１
Philippine Eagle Foundation（フィリピンワシ保護財団）	フィリピンミンダナオ島におけるフィリピンワシの感電防止対策と生物多様性に富む原生林の保全再生	２２１.１
公益財団法人富山市ファミリーパーク公社	ヨウムの野生復帰を想定した繁殖技術の確立	２０８.２
公益社団法人日本動物園水族館協会	ライチョウの中央アルプスへの再導入および生息域内保全に貢献するための飼育下保険集団の創出に向けた技術開発	２０７.６
日本野鳥の会佐賀県支部	コウノトリ繁殖支援活動	１５０
特定非営利活動法人ＮＲＤＡアジア	長崎県におけるカンムリウミスズメの生息状況	９１.９
水鳥研究会	コアジサシの水上営巣地への誘致と越冬地の解明	８６.２
特定非営利活動法人三段峡 ― 太田川流域研究会	ヤマセミの環境保全活動を未来へつなぐ	８３

「地域愛鳥活動助成」部門　１０件　総額１７９万円

団体名	対象活動	助成額（万円）
飯田市立飯田西中学校愛鳥園芸委員会	野鳥の観察や生育環境保護を通して、愛鳥精神を高め、自然保護に奉仕する。	２０
石巻市立北上小学校野鳥観察クラブ	愛鳥活動を通し、野生生物への関心を高め、自然を大切にしようとする気持ちを育てる。	２０
宇部野鳥保護の会	小野湖のオシドリ保護と環境保全	２０
大崎市立田尻小学校・野鳥観察クラブ	野鳥の観察	２０
昆陽池公園野鳥観察グループ「チームＫ」	兵庫県伊丹市昆陽池公園における野鳥継続観察と市民への自然の素晴らしさの訴求	２０
新潟市立赤塚中学校白鳥環境愛護委員会	白鳥の保護・観察	２０
よしかわ“コウノトリ”ファンクラブ	コウノトリが住み続ける環境整備	２０
日本野鳥の会東富士・静岡県野鳥愛護協会東富士キッズ隊	野鳥観察を通してふるさと富士山の自然の大切さを知る。	１８.７
香川県立香川中央高等学校自然科学部	香川中央高校周辺で採集されるペリットからごみ問題を考える	１０.３
静岡県立静岡城北高等学校科学部	雷鳥の保護活動	１０

「水辺の大型鳥類保護」部門　２件　総額２,０００万円

団体名	対象活動	助成額（万円）
公益財団法人日本生態系協会	コウノトリ定着・広域ネットワーク推進プロジェクト	１,２００
トキの水辺づくり協議会	トキと人の共生を目指した水辺づくり～天王川流域を中心とした自然再生の取組～	８００