「βカロテン」の充足状態を尿で見える化する技術を開発
株式会社ファンケルは、体内の微量栄養素を非侵襲的1)に分析し、充足状態を判定する技術についての研究を行っています。今回、緑黄色野菜に含まれ強い抗酸化力を持つ「βカロテン」について、尿から簡便に測定し、充足状態を見える化する技術を開発しましたので、お知らせします。なお、本研究成果は、2021年11月に開催された第94回日本生化学会大会で報告いたしました。
<研究方法・結果>
βカロテンは血液中に含まれるだけでなく、尿中にも排泄されています。しかし尿中のβカロテン量は血液中の量に比べて1000分の1以下となり、極微量となります(図1)。従来、尿中のβカロテン濃度を測定するためには、大量の尿を何度も繰り返し濃縮する必要があり、大変手間のかかる方法で分析する必要がありました。そこで当社では、尿中のβカロテン以外の成分が引き起こす分析障害を解消するため、βカロテンを効率的に抽出する前処理法を開発し、高感度に検出することが可能となりました。その結果、1mLという少量の尿からβカロテン濃度を正確に測定する技術を新たに開発しました(特許出願中、図2)。
体内のβカロテン量の指標とされる血中βカロテンと、本分析法による尿中のβカロテンとの関連性を、22人の被験者を対象に検証試験を行いました。その結果、血中βカロテンと高い相関性が認められました(図3)。
これらのことより、本分析法により尿中βカロテンを測定することにより、体内βカロテンの充足状態を推定できることが示唆されました。
βカロテンは強い抗酸化作用を持つカロテノイドの一種で、日本人が摂取不足になりがちな緑黄色野菜に多く含まれています。また、必要に応じて体内でビタミンAに変換されることで皮膚や粘膜を強化するなどさまざまな健康維持増進作用を持つことが知られています。しかし、普段の食生活で摂取している栄養素の充足状態を客観的に知ることは困難です。そこで当社ではより多くの方にご自身のβカロテン充足状態を簡単に把握していただく機会を提供するため、非侵襲で自宅でも採取できる尿から体内のβカロテンの量を分析する技術の開発に取り組みました。
<今後の展開>
本研究により、尿で簡便に体内のβカロテン量を見える化することが可能になりました。今後、本技術を体内の栄養素の充足状態を確認して、個別化サプリメントを提供するサービスへの活用を目指してまいります。
【用語説明】
1)非侵襲 : 生体を傷つけず、負担を与えないこと
2)ng(ナノグラム) : 1gの10億分の1を表す単位
3)pg(ピコグラム) : 1gの1兆分の1を表す単位
βカロテンは血液中に含まれるだけでなく、尿中にも排泄されています。しかし尿中のβカロテン量は血液中の量に比べて1000分の1以下となり、極微量となります(図1)。従来、尿中のβカロテン濃度を測定するためには、大量の尿を何度も繰り返し濃縮する必要があり、大変手間のかかる方法で分析する必要がありました。そこで当社では、尿中のβカロテン以外の成分が引き起こす分析障害を解消するため、βカロテンを効率的に抽出する前処理法を開発し、高感度に検出することが可能となりました。その結果、1mLという少量の尿からβカロテン濃度を正確に測定する技術を新たに開発しました(特許出願中、図2)。
体内のβカロテン量の指標とされる血中βカロテンと、本分析法による尿中のβカロテンとの関連性を、22人の被験者を対象に検証試験を行いました。その結果、血中βカロテンと高い相関性が認められました(図3)。
これらのことより、本分析法により尿中βカロテンを測定することにより、体内βカロテンの充足状態を推定できることが示唆されました。
<研究背景・目的>
βカロテンは強い抗酸化作用を持つカロテノイドの一種で、日本人が摂取不足になりがちな緑黄色野菜に多く含まれています。また、必要に応じて体内でビタミンAに変換されることで皮膚や粘膜を強化するなどさまざまな健康維持増進作用を持つことが知られています。しかし、普段の食生活で摂取している栄養素の充足状態を客観的に知ることは困難です。そこで当社ではより多くの方にご自身のβカロテン充足状態を簡単に把握していただく機会を提供するため、非侵襲で自宅でも採取できる尿から体内のβカロテンの量を分析する技術の開発に取り組みました。
<今後の展開>
本研究により、尿で簡便に体内のβカロテン量を見える化することが可能になりました。今後、本技術を体内の栄養素の充足状態を確認して、個別化サプリメントを提供するサービスへの活用を目指してまいります。
【用語説明】
1)非侵襲 : 生体を傷つけず、負担を与えないこと
2)ng(ナノグラム) : 1gの10億分の1を表す単位
3)pg(ピコグラム) : 1gの1兆分の1を表す単位
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