テレビ出演多数の国際政治学者・鶴岡路人氏が「ウクライナ後の世界」の課題を展望する。『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』2月22日刊行決定!
衝撃の軍事侵攻から一年、「ウクライナ対ロシア」の構図だけではわからない「戦争の本質」を解説します。
新潮社は、慶應義塾大学准教授でいま最も注目を浴びている国際政治学者である鶴岡路人氏による新刊『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』を2月22日に刊行いたします。
2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの一方的な侵攻は、単に「ロシアによる戦争」という事象を超えて、今や欧州全体を巻き込む「欧州戦争」と化しています。
全欧州が結束して武器や弾薬の供与に踏み切った背景はどこにあるのか、欧州全域に大きな影響を及ぼしているエネルギー危機は今後どうなるか、ロシアによる「核兵器使用」の脅しは台湾有事とどのように関わるのか――欧州の政治、特にNATOの安全保障を専門とする著者が、冷戦後の秩序を一変させる欧州の大転換の構造を分析し、戦争が日本に突き付けるものを考察し、「ウクライナ後の世界」の課題を展望します。
2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの一方的な侵攻は、単に「ロシアによる戦争」という事象を超えて、今や欧州全体を巻き込む「欧州戦争」と化しています。
全欧州が結束して武器や弾薬の供与に踏み切った背景はどこにあるのか、欧州全域に大きな影響を及ぼしているエネルギー危機は今後どうなるか、ロシアによる「核兵器使用」の脅しは台湾有事とどのように関わるのか――欧州の政治、特にNATOの安全保障を専門とする著者が、冷戦後の秩序を一変させる欧州の大転換の構造を分析し、戦争が日本に突き付けるものを考察し、「ウクライナ後の世界」の課題を展望します。
◆著者の言葉
2022年2月24日にはじまるロシアによるウクライナへの全面侵攻は、世界に巨大な衝撃をもたらした。この戦争をいかに捉えたらよいのか。筆者自身、悩みながら情勢を追っていたら、あっという間に1年が経ってしまった。本書では、これまでの展開を踏まえ、この戦争の本質に迫っていきたい。1年間の中間報告である。
端的にいえば、この戦争は「プーチンの戦争」ないし「ロシアの戦争」とし てはじまった。しかし、当初のロシアの計画どおりには進まなかったために、戦争の性格が次第に変化した。ウクライナが抵抗を示すなかで、米欧の同盟であるNATO(北大西洋条約機構)の関与が深まるとともに、欧州全域への影響が大きくなり、今回の戦争は「欧州戦争」と呼ぶべきものへと変容したのである。この過程を検証したい。欧州全域を視野に入れることで、この戦争の本質が明らかになる。これが本書の主題である。(「はじめに」より)
◆本書の目次
はじめに
本書関連事項 略年表
地図:欧州主要部 ウクライナ主要都市と周辺国
第一章ウクライナ侵攻の衝撃
「さらなるウクライナ侵攻」前夜の攻防
プーチンの主張する「NATO不拡大約束」とは何だったのか
抑止と同盟の視点からみえる戦争の構図
ウクライナの「中立化」と「安全の保証」の相克
失われる停戦の意味
戦争における「語られ方」をめぐる攻防
第二章 ウクライナ侵攻の変容
武器供与をいかに引き出すか
「安全の保証」問題の再浮上
「住民投票」なるもので消えた和平合意の可能性
ロシアの核兵器使用をいかに抑止するか
一般のロシア国民に「戦争の責任」はあるのか
欧州は結束しているのか
欧州エネルギー危機の構図
第三章 結束するNATO
NATOの冷戦後は何だったのか
北欧に拡大するNATO— フィンランドとスウェーデンの選択
新たな「戦略概念」で態勢固めをするNATO
NATO・ロシア基本議定書の亡霊— 三つの論点
第四章 米欧関係のジレンマ
トランプからバイデンへ
アフガニスタン撤退の試練
「戦略的自律」議論、ふたたび
第五章 戦争のゆくえと日本に突きつけるもの
注記
あとがき
◆著者紹介
慶應義塾大学総合政策学部准教授。1975年東京生まれ。専門は現代欧州政治、国際安全保障。慶應義塾大学法学部卒業後、米ジョージタウン大学を経て英ロンドン大学キングス・カレッジで博士号取得(PhD in War Studies)。在ベルギー日本大使館専門調査員、防衛省防衛研究所主任研究官、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)訪問研究員などを歴任。著書に『EU離脱――イギリスとヨーロッパの地殻変動』(ちくま新書、2020年)など。
◆書籍データ
【タイトル】欧州戦争としてのウクライナ侵攻
【著者名】鶴岡路人
【発売日】2023年2月22日(水)
【造本】新潮選書(四六判変型ソフトカバー)
【本体定価】1,815円(税込)
【ISBN】978-4-10-603895-2
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/603895/
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