野々市市立館野小学校とIoT文具を用いた家庭学習習慣化に関する実証実験を開始
新3年生79名全員に『しゅくだいやる気ペン』を提供し、児童の学力変化と家庭学習データを活用した学校教育の在り方について検証
少子高齢化、核家族化、共働き世帯が増える中、社会全体での家庭教育支援のあり方が問われています。学校においては、子どもたちの個に応じた学びや、教員の働き方改革が求められており、家庭は基本的生活習慣を身につける場として「学習習慣の定着」も担うべきではないかとの議論が始まっています。また、従来型の一律の宿題は廃止し、家庭主体の「家庭学習」へとシフトする動きも出ています。コロナ禍を経て、子ども一人ひとりの特性に寄り添う家庭学習の重要性がますます注目されています。
IoT文具「しゅくだいやる気ペン」は、市販の鉛筆に取り付けるセンサー付きアタッチメントで、スマホアプリと連動することによって、家庭学習の習慣づくりをサポートする商品です。主に小学校低~中学年を対象とし、累計出荷台数は5万台を突破しました。2019年の発売以来、家庭学習における「親子のコミュニケーション」に着目し、「書く⇔褒める」の好循環を回すことで子どもの「やる気」を育むサービスとして多方面から評価をいただいてきました。
今回、このIoT文具を活用することで、家庭学習における親の伴走環境のあり方を野々市市立館野小学校と共同で実証検証いたします。現在の教育課題である学力の2極化、学習データを用いた学校教育の2点に着目し、しゅくだいやる気ペンを活用することで、それぞれどの程度の改善効果、気づきや新たな課題の発見等を抽出することで、具体的な学校教育と家庭学習支援のあり方を探ってまいります。
実証実験は、野々市市立館野小学校の新3年生の全ての児童(79名)を対象に、各ご家庭で数か月間にわたって実施し、実証検証終了後、結果を発信いたします。
1. 実証実験概要
■期 間:2024年5月1日(水)~2024年7月31日(水)*2024年9月30日まで延長の可能性あり
■対象者:野々市市立館野小学校 新3年生79名
■内 容:担任教師から保護者を通じて、合意を得た家庭に対して『しゅくだいやる気ペン』を提供し、児童の日々の家庭学習に『しゅくだいやる気ペン』を使用する。定期的に、アンケートやデータ集計を用いて家庭学習の意欲の変化、習慣化、学習意欲や学力の変化を分析する。
■目 的:『しゅくだいやる気ペン』による家庭学習に関するさまざまな変化(教員、保護者、生徒の変化)を把握し、家庭学習に対する学校と家庭との新しい関係を見出し、教育の新しい形を創造する。
この実証実験には、館野小学校の先生方からも多くの期待が寄せられています。コクヨは「しゅくだいやる気ペン」を通じて、学びの入口に立つ親子を応援すると共に、今後も、勉強が親子の共同プロジェクトになるような新しいアイデアを生み出し続けます。
2.参考情報
野々市市立館野小学校について
所在地:石川県野々市市押野3丁目71番地
校 長:小山内裕之
館野小学校のある、野々市市は、中世紀における加賀文化の発祥地として隆盛をとげた加賀国守護富樫一族の館があったとされ、本校の運動場に隣接する土地も古くからタチナカと呼ばれ、富樫家善の館があったと伝えられています。
富樫氏の人徳と残された幾多の輝かしい文化をしのび、このゆかりのある地で、児童が伸び伸びと健やかに育つことを願いタチナカの「館」と野々市市の「野」を合わせ館野と名付けられました。
昨年度、野々市市がSDGs未来都市に認定されたのを機に、総合的な学習の時間では、SDGsを柱にカリキュラムを組んで、市内にある大学の協力も得て、将来、野々市市を担う人材の育成にも力を入れています。今年度も学校や家庭、地域が連携し「館野小学校かかわる全てのウェルビーイングの実現」をモットーに取り組んでいます。
コクヨ「しゅくだいやる気ペン」について
コクヨのIoT文具「しゅくだいやる気ペン」は、スマートフォンのアプリと連動して、子どもの日々の努力を「見える化」することで、学習への意欲を高めていくために開発された商品です。センサー付きアタッチメントを鉛筆に取り付け、勉強への取り組みに応じて溜まった「やる気パワー」をスマホアプリに取り込んで見える化します。「かく⇔ほめる」の好循環を生み出すことで、親子のコミュニケーションを円滑にし、子どもが自発的に学習する習慣を促していきます。2020年「第14回キッズデザイン賞」(子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門)を受賞しました。
野々市市立館野小学校 小山内校長先生からのコメント
学級懇談会で「家庭での学習」について話題になることが多くあります。小学校の保護者にとっては、我が子がちゃんと勉強しているか、他の子はどうなのか、そのために親は何をすべきか、非常に関心の高い話題の1つです。
やはり、やらされるのではなく、子ども自らが楽しく、進んで学ぶことが理想ではありますが、現実は難しく、何かきっかけがあればいいなと思っていた時に、コクヨさんから、「やる気ペン」の提案を受けました。頑張りが見える化できること、家庭で楽しく進んで学習ができるきっかけになると考えています。
さらに、子どもの頑張りを親が認め、褒めることで親子のコミュニケーションを生み出すツールにもなると考えます。子どもが「勉強したくなる」親が「ほめたくなる」の好循環につながり、最終的には、子どもの学びの習慣化につながることを期待しています。
野々市市教育委員会からのコメント
GIGAスクール構想が始まり、子どもたちの学びには端末が必要不可欠なものとなりました。
今後の展開としましては、「データの利活用」が鍵となります。
これまで多くの学校では、家庭学習の定着を図るために、家庭学習の実施記録を手書きにて行ってきました。
しかし、その記録を取る活動は、子どもたちの必要感や満足感を高めきれなかったように感じる場面もありました。
この「しゅくだいやる気ペン」をきっかけに、子どもたちの頑張りがデータによって可視化されることにより、子どもたちの学びが主体的となり家族の会話や深まりにつながり、子どもの育ちにいいよい影響を与えてくれるものだと思います。
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