障害者施設、倒産・廃業が急増 過去最多22年度は4割が「赤字」 事業者増で競争激化
「障害者支援施設」 動向調査
<調査結果(要旨)>
障害者施設、倒産・廃業が急増 過去最多
22年度は4割が「赤字」 事業者増で競争激化
集計期間:2024年5月31日まで
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
調査機関:株式会社帝国データバンク
※調査結果は下記ホームページにも掲載予定
https://www.tdb.co.jp/report/index.html
障がい者の就労支援やグループホーム運営、生活介護事業などを手がける障害者支援事業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)と、休廃業・解散となった件数は、2023年度には計71件に上った。前年度の41件から1.7倍に急増し、過去最多を更新した。
障害者福祉事業は、2013年4月に「障害者総合支援法」が施行されて以降、事業者の新規参入が相次いだ。近年は利用者の囲い込みが進むなど競争が激化するなか、当初の事業計画が甘かったことで、計画通りの利用者獲得や事業収入が見込めなくなり、事業継続を断念した事業者が目立ってきている。なかには給付金や補助金の獲得などの目的で参入する事業者の存在も指摘され、利用者や職員数などの水増しが発覚して破綻に追い込まれたケースも増えている。
2022年度の損益動向が判明した障害者支援事業者のうち、37.2%にあたる1427者が「赤字」運営となり、割合は13年度以降で最高だった。前年度からの「減益」(28.3%・1086者)を合わせると、3者のうち2者で業績が「悪化」した。食材費や燃料費などの物価高に加え、賃金負担の増加や人手不足も重なり、採算が維持できない事業者も発生するなど経営の二極化が進んでいる。
2024年度に改定された障害者福祉サービス報酬では、物価高騰や賃上げに配慮した項目がある一方で、生活介護などでは基本報酬の算定ルールが見直された。質の高い支援やサービスが提供できない障害者支援事業者では、今後淘汰がさらに進む可能性がある。
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