LoRaWAN対応機器の可能性を広げる無償のソフトウェア・パッケージを更新
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、STM32(1)マイクロコントローラ(マイコン)向けのソフトウェア・パッケージであるI-CUBE-LRWANに、LoRa-Allianceが承認するLoRaWAN 1.0.3規格を実装し、更新したことを発表しました。セキュリティが強化された最新の規格に準拠することにより、このソフトウェア・パッケージは省電力広域ネットワーク(LPWAN)で動作するIoT機器の可能性を広げます。
I-CUBE-LRWANは、IoT機器に最適な超低消費電力マイコン・シリーズ(STM32L0、STM32L1、STM32L4、STM32L4+)を含む、STM32マイコン向けのライブラリおよびサンプル・アプリケーションで構成されています。また、IoT機器の開発者間で懸念が高まっているセキュリティ機能をサポートするため、ライブラリには、セキュア・エレメントSTSAFE-Aファミリを制御する専用APIが含まれており、幅広いデータ保護機能の実装が可能です。
最新のLoRaWAN 1.0.3規格では、アプリケーションの柔軟性向上のため、クラスB機器(2)向けの正式版仕様が追加されました。柔軟性と電力効率のバランスに応じて3種類のクラスから選択できるため、433MHz〜928MHzのアンライセンス・バンド (免許不要な周波数帯) で動作するあらゆるIoT機器に適しています。
今回更新されたI-CUBE-LRWANには、Semtech社の新しい無線ICであるsx126x用のドライバが含まれており、同社のシールド(sx1261dvk1bas、sx1262dvk1cas、sx1262dvk1das)にも対応しています。また、STM32 Nucleoマイコン開発ボード(NUCLEO-L053R8、NUCLEO-L152RE、NUCLEO-L476RG)ならびに村田製作所社製のLoRa(R) /Sigfox(TM)モジュール(CMWX1ZZABZ-091)を搭載したB-L072Z-LRWAN1での動作に適したアプリケーションも含まれています。そのほか、このソフトウェア・パッケージはUSI(R)社の LoRaWAN(TM)モジュールを搭載したI-NUCLEO-LRWAN1でも使用可能です。
800品種以上で構成されるSTM32ファミリには、約300品種の超低消費電力マイコン・シリーズも含まれており、開発者には、IoT機器の性能や機能を最適化できる優れた柔軟性が提供されます。これにより、IoT機器は通信、無線識別およびGPSを使用しない位置情報の取得など、LoRaWANサービスを最大限活用できるようになります。
I-CUBE-LRWANは www.st.com/i-cube-lrwan から無償でダウンロードできます(3)。
(1) STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。
(2) クラスA、クラスBおよびクラスCの機器は、すべて非同期にゲートウェイへアップリンクします。クラスA機器は、アップリンク・メッセージの同期後に2回ダウンリンク・ウィンドウを開きます。クラスB機器は、ゲートウェイからのビーコンを受信すると同期ウィンドウを開いてダウンリンク・メッセージを受信します。クラスC機器は、機器の送信時以外は常にダウンリンク・ウィンドウを開き続けます。
(3) LoRaWAN 1.0.3対応のI-CUBE-LRWANの日本対応版のリリースも今後予定しております。(LoRaWAN 1.0.2までは日本電波法対応済み)
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、私たちの暮らしに欠かすことのできないエレクトロニクス機器に、優れた性能と高い電力効率を特徴とした半導体を提供する世界的な総合半導体メーカーです。あらゆるシーンで活躍するSTの製品は、お客様が開発する次世代モバイルやIoT機器の他、よりスマートな自動車、工場、都市および住宅を可能にします。STは、生活をより豊かにする技術革新を通じ、「life.augmented」の実現に取り組んでいます。STは、10万社を超えるお客様に半導体を提供しており、2017年の売上は83.5億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト( http://www.st.com )をご覧ください。
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