企画展「日本の万国博覧会 1970-2005」開催のご案内

文化庁国立近現代建築資料館では、2025年3月8日より企画展「日本の万国博覧会 1970-2005」を開催いたします。

文化庁

公式ウェブサイト

 https://nama.bunka.go.jp

展覧会名

 「日本の万国博覧会 1970-2005」

概要

 万国博覧会(国際博覧会、エクスポ、ともいう)は、元々は、19世紀に各国の優れた物品を集めて展示する展覧会として始まり、現在では、国際博覧会条約(BIE条約、1928年成立)に基づいて行われる複数の国が参加する博覧会を指します。その内容も、展示に限らず、イベント、アミューズメント含めて多様化してきました。

 万国博覧会の建築は、展示品の器の役割を果たすためのものですが、近代建築の発展に大きな貢献をもたらしました。世界初の万国博覧会は、1851年にロンドンで開催され、その展示館クリスタル・パレス(水晶宮)は、鉄骨造の外壁全体をガラスで覆ったデザインであり、鉄とガラスの時代の到来を告げました。また、1889年パリ万国博覧会に際して、会場のゲートおよび展望台として建設されたエッフェル塔は、当時最先端の鉄骨造建築であり、今日でもパリのランドマークとして機能しています。万国博覧会が、国の威信をかけた催事であると同時に、短期間のみ使用される建築であることが、様々な建築的な挑戦を促し、その結果、万博建築は近代建築の進化に貢献することになったのです。

 日本国内では、これまで日本万国博覧会(大阪万博、EXPO'70、1970年)、沖縄国際海洋博覧会(1975年)、つくば国際科学技術博覧会(1985年)、国際花と緑の博覧会(1990年)、日本国際博覧会 愛・地球博(2005年)の5回の万国博覧会が開催されており、大阪・関西万博[2025年4月13日(日) – 10月13日(月) 184日間開催]がそれに続き、6回目ということになります。

 本展覧会は、当館が所蔵する図面や企画段階の資料を中心とした展示を通じて、来館者の皆様に、これまでの5回の万国博覧会の会場計画と施設デザインに関する理解を深めていただくことを目的とします。

 本展覧会は、2部に分けて、約半年間開催されます。本展覧会を通じて、万国博覧会が果たした建築史上の役割の一端を理解していただきつつ、日本の万国博覧会の変遷および博覧会建築ならではの建築デザイン上の創意工夫を鑑賞いただけることを願っております。

基本情報

主催

文化庁

企画

文化庁国立近現代建築資料館

協力

公益財団法人 東京都公園協会

会場

文化庁国立近現代建築資料館

(〒113-8553 東京都文京区湯島4-6-15 湯島地方合同庁舎内)

会期

第1部「EXPO'70 技術・デザイン・芸術の融合」

 2025年3月8日(土)~5月25日(日)

第2部「EXPO'75以降 ひと・自然・環境へ」

 2025年6月14日(土)~8月31日(日)

休館日:毎週月曜日 但し、祝日の月曜日は開館し翌平日休館。

(5月5日、6日、7月21日、8月11日開館、7月22日、8月12日休館)

(5月26日~6月13日展示入れ替えにつき休館)

時間

10:00-16:30

入館方法

●展覧会のみ観覧の場合(平日のみ)

湯島地方合同庁舎正門より入館。無料。都立旧岩崎邸には入場できません。

●旧岩崎邸庭園と同時観覧の場合(土日祝、及び平日)

都立岩崎邸庭園より入館。有料。旧岩崎邸庭園入園料(一般400円ほか)が必要。

第1部 [2025年3月8日(土)~5月25日(日)]展示内容

 第1部「EXPO'70 技術・デザイン・芸術の融合」では、5回の万国博覧会の概要を紹介しつつ、特に日本万国博覧会(大阪万博)について代表的な施設の図面等を通して、技術・デザイン・芸術の融合に向けた創造的な挑戦と努力の証を展示します。

Section 1.シンボルゾーン

主な展示:丹下健三「基幹施設計画 大屋根・お祭り広場」、菊竹清訓「エキスポタワー」、菊竹清訓「南広場」、大髙正人「メインゲート」

大髙正人|大阪万博 メインゲート 平面図|1970年
菊竹清訓|大阪万博 エキスポタワー広場 S3棟 一般図 構造図|1969年

Section 2.パビリオン

主な展示:前川國男「自動車館」、前川國男「鉄鋼館」、坂倉準三 「電力館」、 村田豊「電力館水上劇場」、 村田豊「富士グループパビリオン」、大谷幸夫「住友童話館」

前川國男|大阪万博 自動車館 第2パビリオン詳細図|1968年
坂倉準三|大阪万博 電力館 南立面図|1968年
大谷幸夫|大阪万博 住友童話館 北側立面図|1970年
村田豊|大阪万博 富士グループパビリオン 断面透視図|1970年

第2部 [2025年6月14日(土)~8月31日(日)]展示内容

 第2部「EXPO'75以降 ひと・自然・環境へ」では、日本万国博覧会(大阪万博)の一部展示替えを行い、他の4つの博覧会に関する収蔵図面と資料を展示します。EXPO'70の技術を前面に出した総合テーマから、人間の居住、海や山などの自然、さらに地球の環境への配慮へと総合テーマが変化し、それに伴って、博覧会の会場計画の手法や建築デザインも変化を遂げる様子を展示します。

Section 1. 日本万国博覧会

主な展示:第1部展示資料を入れ替えます。

Section 2. 沖縄国際海洋博覧会

主な展示:菊竹清訓 「アクアポリス」、村田豊「芙蓉グループパビリオン」、木村俊彦「水族館(槇文彦設計)」構造設計資料

村田豊|沖縄海洋博 芙蓉グループパビリオン 断面図|1974年

Section 3. 国際科学技術博覧会(つくば科学万博)

主な展示:大髙正人「エキスポホール」、大髙正人「外国館」、菊竹清訓 「外国館」、高橋靗一(ていいち※)+第一工房「迎賓館」(※「てい」は青偏に光)、関連資料に、川添登「会場計画資料」

大髙正人|つくば科学万博 Fブロック全体アクソノメトリック図|1985年

Section 4. 国際花と緑の博覧会

主な展示:「建築都市ワークショップ旧蔵『13のフォリー』資料」

建築都市ワークショップ旧蔵 国際花と緑の博覧会 関連資料

Section 5. 2005年日本国際博覧会(愛・地球博)

主な展示:菊竹清訓 「グローバルループ」、高橋靗一(ていいち※)+第一工房「瀬戸愛知県館」(※「てい」は青偏に光)

高橋てい一+第一工房|愛・地球博 瀬戸会場愛知県館 構造概要図|2003年

本展の特色・みどころ

1.万博博覧会を楽しむための基礎知識が得られます

日本における5回の万国博覧会についての展示を通じて、万博建築のデザインや会場計画についての基礎知識を身につけることができます。それにより、大阪・関西万博をより一層楽しめることでしょう。

2.万博建築のオリジナル図面が見られる貴重な機会

これまで万博建築は、写真での紹介が中心で、原図の公開は稀でした。本展は、館蔵資料約20万点の中から、初公開を含む日本の万国博覧会に関連する資料を一挙に公開します。

3.手描きの図面で難しい形を実現する技と情熱

1960年代末、まだコンピュータを使った作図(CAD)が一般的でない時代、建築家たちは手描きの図面で、複雑な形の建築を創造しました。構想段階やスケッチも展示しますので、建築家の挑戦と情熱をご鑑賞いただけます。

4.身近な方々が語る建築家の生の姿

当館では、建築家に関わるオーラルヒストリーを記録する活動も行なっています。万博建築の設計に関して、構造家・木村俊彦、建築家・村田豊に関連する未公開記録を編集し公開します。

5.関連イベントにもご期待ください

会期中に、シンポジウムとガイドツアーを行います。詳細が確定次第、公式Webに掲載しますので、ぜひご参加ください。

本件に関する問合せ

文化庁国立近現代建築資料館 (企画担当:小林、王、川瀬)

e-mail: nama@mext.go.jp

Tel.: 03-3812-3401

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会社概要

文化庁

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URL
https://www.bunka.go.jp/
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
京都府京都市上京区下長者町通新町西入藪之内町85番4
電話番号
075-451-4111
代表者名
都倉俊一
上場
未上場
資本金
-
設立
1968年06月