太陽光発電所と系統用蓄電所を組み合わせたHourly Matchingの実証実験を開始

~国内初、EnergyTag認定発行機関のプラットフォームを用いて、系統用蓄電池による時間単位のカーボンフリー電力供給率向上効果を検証~

株式会社NTTドコモ

 NTTアノードエナジー株式会社(以下、NTTアノードエナジー)、株式会社JERA Cross(以下、JERA Cross)ならびに株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、ドコモの通信ビルへのカーボンフリー電力供給に向けて、太陽光発電と系統用蓄電池※1を組み合わせたHourly Matching※2の実証実験(以下、本実証)を2026年10月1日から開始します。

 本実証では、国内で初めて※3EnergyTag Standard※4に準拠し、系統用蓄電池を活用したHourly Matchingを実施します。

 昨年度実施した太陽光発電とバイオマス発電を用いた実証実験※5に続き、再生可能エネルギー由来の電力のさらなる有効活用をめざして、EnergyTag Standardに準拠した形で、太陽光発電、系統用蓄電池および需要家の実績データを活用し、蓄電池※6による時間単位のカーボンフリー電力供給率※7向上効果を評価します。

■実証実験の背景

 近年、カーボンニュートラルの実現に向けて再生可能エネルギーの導入が進む一方、太陽光発電など、発電量が天候や時間帯に左右される電源では、需給の時間的なミスマッチが生じるという課題があります。また、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、需給バランスを維持するための出力制御が増加し、発電された電力を十分に活用できないケースも懸念されています。このため、余剰電力を系統用蓄電池に蓄えて有効活用し、再生可能エネルギーの利用拡大と、エネルギー自給率の向上につなげることが重要です。

 さらに、GHGプロトコルの見直しに関する議論などを背景に、消費電力量と再生可能エネルギーによる発電量を1時間単位で一致させて評価する「Hourly Matching」への関心が高まっており、再生可能エネルギーを発電した時間帯に、より有効に活用するための運用手法が求められています。

 こうした課題への対応策として、昼間に生じる太陽光発電の余剰電力を系統用蓄電池に充電し、発電量が少ない夜間などに放電することで、再生可能エネルギーを利用できる時間帯を拡大し、時間単位の
カーボンフリー電力供給率を高めることが期待されています。

■前回の成果(2026年2月12日公表済み)

 3社は、2024年12月から2025年9月まで、ドコモの通信ビル3拠点を対象に、非FIT太陽光発電※8およびバイオマス発電による発電量と各拠点の消費電力量を1時間単位で追跡し、需要と供給のマッチング状況を確認する実証実験を実施しました。

 太陽光発電およびバイオマス発電による発電量と消費電力量とのマッチング状況を時間帯別に可視化し、太陽光発電が発電していない時間帯にも、バイオマス発電のカーボンフリー電力によって時間単位のマッチングを実現しました。

 一方で、バイオマス発電の定期点検に伴う発電停止期間において、カーボンフリー電力の供給量が不足する時間帯があることも確認できました。

 

                                      <実証期間における月次マッチング結果>

■今回の目的

 前回の実証実験の結果から、時間単位でのカーボンフリー電力供給率の向上には、再生可能エネルギーの発電停止や出力変動を補完する手段が必要であることが明らかになりました。

 そこで、本実証では、カーボンフリー電力の供給量が不足する時間帯を補完する手段として蓄電池を使用します。太陽光発電、系統用蓄電池および需要拠点の実績データを活用して1時間単位で需給をマッチングすることで、太陽光発電の余剰電力を系統用蓄電池に充電し、発電量が少ない時間帯に放電した場合のカーボンフリー電力供給率の向上効果を検証します。

 また、カーボンフリー電力供給率と電気料金の関係を定量的に評価し、経済合理性を踏まえた再生可能エネルギーの利用拡大に向けた適用条件を整理します。

■実証環境および実施方法

 

                                                   <実証実験の全体イメージ>

 本実証では、NTTアノードエナジーが所有または調達する西日本エリアの複数の太陽光発電所、1か所の系統用蓄電所および同エリアに所在する複数のドコモの通信ビルを組み合わせ、太陽光発電所および系統用蓄電所から通信ビルへ電力を供給した場合を想定します。

 複数の発電・需要拠点を組み合わせることで、発電量や消費電力量が拠点ごとに異なる、より実運用に近い環境を設定します。

 本実証における各社の役割は以下のとおりです。

-NTTアノードエナジー: 太陽光発電および系統用蓄電池のデータ提供ならびに発電・需要予測、

             系統用蓄電池の充放電計画・運用

-JERA Cross:プラットフォームを活用した時間単位のマッチング評価・可視化および経済性評価

-ドコモ:対象ビルの需要データ提供および需要家視点での課題抽出・実用性評価

 なお、時間単位のマッチング評価には、JERA Crossが提携するEnergyTag認定発行機関である

Granular Energy社※9のプラットフォームを活用し、EnergyTagが策定する「EnergyTag 

Standard」に準拠した評価を実施します。

 本実証は実績データを活用したシミュレーションによる評価であり、実際の電力供給契約の変更および環境価値の移転を伴うものではありません。

■今後の展望

 今後、NTTアノードエナジーとJERA Crossは、本実証実験で得られた知見を活用し、蓄電池の活用によるカーボンフリー電力供給率の向上を通じて、カーボンニュートラルの実現および国内のエネルギー自給率向上に貢献してまいります。

 ドコモは需要家として、本実証実験で得られた知見を将来のエネルギー調達の検討に活用します。また、関係各社と連携し、再生可能エネルギーのさらなる活用を通じて、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

※1 系統用蓄電池とは、電力系統に直接接続される蓄電池です。

※2 Hourly Matchingとは、消費電力量と再生可能エネルギー由来の発電量を1時間単位で一致させる取り組みです。

※3 2026年9月時点、プレスリリース発信3社調べ。EnergyTag公式公表資料、国内事業者のプレスリリースおよび業界報道
    を対象とした調査により、EnergyTag認定発行機関のプラットフォーム上で系統用蓄電池を対象に含めた国内の取り組み
      がないことを確認しています。

※4 EnergyTag Standardとは、EnergyTagが策定した、再生可能エネルギーの発電量と消費電力量を時間単位で正確に紐づけ
      るための国際的な基準です。EnergyTagは、再生可能エネルギーの利用を最適化し、透明性の高いエネルギーマーケット
      を形成するためのグラニュラー証明書(GC)の国際標準を策定する国際非営利組織です。

※5 2026年2月12日発表
     「24/7(twenty-four seven)カーボンフリー電力供給に向けたHourly Matchingの実証実験を完了
      ~バイオマス発電を用いたHourly Matchingの実証は、国内初~」
    (https://www.ntt-ae.co.jp/site_content/wp-content/uploads/2026/02/NewsRelease_20260212.pdf)

※6 ここでは、蓄電池の充放電機能やその活用効果を総称して示す場合を「蓄電池」としています。

※7 カーボンフリー電力供給率とは、需要拠点の消費電力量に対し、同一の1時間内に供給されたカーボンフリー電源由来の        電力量が占める割合をいいます。太陽光発電所の発電電力量、および蓄電所からの放電電力量のうち当該太陽光発電所から
      充電した電力に相当する分を分子とし、対象となる通信ビルの消費電力量を分母として、1時間ごとに算定します。異なる
      時間帯の余剰電力による相殺は行わず、1時間ごとの算定結果を対象期間で集計します。本実証は実際の電力供給を伴うも
      のではなく、各社が保有する実績データを用いた仮想的な需給マッチングにより算定するものです。

※8 非FIT太陽光発電とは、固定価格買取制度(FIT)を利用しない太陽光発電です。

※9 Granular Energy社は、EnergyTagの創設者であるToby Ferenczi博士が2021年に共同創業者として立ち上げたフランス
      のスタートアップ企業です。24/7カーボンフリー電力の先行事例を含む、エネルギーの透明性を高めるソリューションを
      提供するリーディングカンパニーであり、2025年8月にEnergyTagの認定発行機関(EnergyTag Accredited GC Issuer)
      となっています。


参考

各社概要

【NTTアノードエナジーについて】

NTTアノードエナジーは、「脱炭素社会の実現」や「エネルギーの地産地消」をめざし、NTTグループの技術・アセットを活用した次世代エネルギーソリューションを提供。再生可能エネルギーや蓄電池などの分散型リソースを高度に制御するエネルギー流通プラットフォームにより、デマンドレスポンスや需給最適化の実現、蓄電所ビジネスなどにも積極的に取り組んでいる。

企業ホームページ:Top | NTTアノードエナジー(https://www.ntt-ae.co.jp/)

【JERA Crossについて】

JERA Crossは、企業顧客のグリーントランスフォーメーション(GX)に向けた未来像の設計や戦略の策定を支援。また、電力の脱炭素化に必要な再生可能エネルギーの開発・供給まで、一貫したサポートを提供。さらに、JERA Crossは24時間365日CO2を排出しない電力の安定供給を実現することで、企業の課題解決と事業変革、CO2排出削減に貢献することを掲げている。
企業ホームページ:Top | JERA Cross(https://www.jera-cross.com/)

【NTTドコモについて】

ドコモは、モバイル通信事業、スマートライフ事業などのサービスを展開。環境への取り組みとして、2030年までに自社の事業活動における温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」、2040年までにサプライチェーン全体での排出量ゼロをめざす「ネットゼロ」を掲げる。これらの目標のもと、環境リーディングカンパニーをめざし、再生可能エネルギーの導入や太陽光発電を活用したグリーン基地局の展開などを積極的に推進している。

企業ホームページ:Top | NTTドコモ(https://www.docomo.ne.jp/)

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ビジネスカテゴリ
その他
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

株式会社NTTドコモ

139フォロワー

RSS
URL
https://www.docomo.ne.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区永田町2丁目11番1号 山王パークタワー
電話番号
-
代表者名
前田 義晃
上場
未上場
資本金
-
設立
-