ファンケル 体内の「βカロテン」を尿検査で分析できることを確認
株式会社ファンケルは、体内の微量栄養素を非侵襲的(1)に分析し、充足状態を判定する技術の研究を行っています。当社で開発した、「βカロテンの充足状態を少量の尿を用いて推定する技術(2)」を活用し、自宅から送っていただいた尿を用いた検査で体内のβカロテンと生活習慣との関連を調査しました。その結果、先行研究で報告されている血液を用いた調査結果と同様、自宅で採取した少量の早朝第一尿(3)に含まれるβカロテンを分析することで、簡単に体内のβカロテン量を把握できることが分かりましたので、お知らせします。
なお、本研究成果は、2022年6月に開催された第22回日本抗加齢医学会総会(於:大阪府大阪市)で報告しました。
なお、本研究成果は、2022年6月に開催された第22回日本抗加齢医学会総会(於:大阪府大阪市)で報告しました。
<研究方法・結果>
当社はすでに、尿中のβカロテン量が体内のβカロテン量を反映する指標であることを確認しています(2)。
本研究は、20歳以上65歳未満の健康な当社従業員260人(女性177人、男性83人)を対象に、自宅で採取した早朝第一尿に含まれるβカロテン量を測定しました。同時に、アンケートで喫煙歴・飲酒量・βカロテン強化食品(4)摂取などの生活習慣を調査し、尿中βカロテン量との関連性を解析しました。
その結果、尿中βカロテン量は、喫煙歴がある人、飲酒量が多い人で有意に低いことが分かりました(図1)。これらの結果は、血清βカロテン量と喫煙(5)、飲酒(6)との関係を調査した先行研究と同様の結果です。すなわち、喫煙や飲酒によるβカロテンの消費を尿でも確認できることが示されました。
さらに、サプリメントや野菜ジュースなどのβカロテン強化食品を摂取している人は、尿中のβカロテン量が有意に高いことが分かりました。これは、尿中βカロテン量がβカロテンの摂取量を反映する指標であることを示しています。
これらの結果から、体内のβカロテン量を非侵襲的な方法として尿検査で分析できることが示唆されました。
βカロテンは強い抗酸化作用を持つカロテノイドの一種で、日本人が摂取不足になりがちな緑黄色野菜に多く含まれています。また、必要に応じて体内でビタミンAに変換されることで皮膚や粘膜を強化するなどさまざまな健康維持増進作用を持つことが知られています。しかし、普段の食生活で摂取している栄養素の充足状態を客観的に知ることは困難です。そこで当社ではより多くの方にご自身のβカロテン充足状態を簡単に把握していただく機会を提供するため、非侵襲で自宅でも採取できる尿から体内のβカロテン量を推定する技術を開発しました。
<今後の展開>
本研究では、実際のサービスに近い形で尿検査を行い、尿中βカロテン量と生活習慣との関連の調査に取り組みました。今後は、体内の栄養素の充足状態を確認して個別化サプリメントを提供するサービスへの活用を目指してまいります。
【用語説明】
(1) 非侵襲検査:生体を傷つけず、負担を与えない検査方法
(2) 参照リリース:「βカロテン」の充足状態を尿で見える化する技術を開発
https://www.fancl.jp/news/pdf/20211201_karotennojuusokujoutai.pdf
(3) 早朝第一尿:起床後の第一尿
(4) βカロテン強化食品:βカロテンを含むサプリメント、野菜ジュース、青汁などのこと
(5) M. Sugiura, M. Nakamura, K. Ogawa, Y. Ikoma, H. Matsumoto, F. Ando, H. Shimokata and M. Yano (2008). Associations of serum carotenoid concentrations with the metabolic syndrome: interaction with smoking. British Journal of Nutrition, 100, 1297–1306
(6) Y. Tsubono, S. Tsugane, and K. Fred Gey2, (1996). Differential Effects of Cigarette Smoking and Alcohol Consumption on the Plasma Levels of Carotenoids in Middle‐aged Japanese Men. Jpn J Cancer Res, 87(6), 563-9.
当社はすでに、尿中のβカロテン量が体内のβカロテン量を反映する指標であることを確認しています(2)。
本研究は、20歳以上65歳未満の健康な当社従業員260人(女性177人、男性83人)を対象に、自宅で採取した早朝第一尿に含まれるβカロテン量を測定しました。同時に、アンケートで喫煙歴・飲酒量・βカロテン強化食品(4)摂取などの生活習慣を調査し、尿中βカロテン量との関連性を解析しました。
その結果、尿中βカロテン量は、喫煙歴がある人、飲酒量が多い人で有意に低いことが分かりました(図1)。これらの結果は、血清βカロテン量と喫煙(5)、飲酒(6)との関係を調査した先行研究と同様の結果です。すなわち、喫煙や飲酒によるβカロテンの消費を尿でも確認できることが示されました。
さらに、サプリメントや野菜ジュースなどのβカロテン強化食品を摂取している人は、尿中のβカロテン量が有意に高いことが分かりました。これは、尿中βカロテン量がβカロテンの摂取量を反映する指標であることを示しています。
これらの結果から、体内のβカロテン量を非侵襲的な方法として尿検査で分析できることが示唆されました。
<研究背景・目的>
βカロテンは強い抗酸化作用を持つカロテノイドの一種で、日本人が摂取不足になりがちな緑黄色野菜に多く含まれています。また、必要に応じて体内でビタミンAに変換されることで皮膚や粘膜を強化するなどさまざまな健康維持増進作用を持つことが知られています。しかし、普段の食生活で摂取している栄養素の充足状態を客観的に知ることは困難です。そこで当社ではより多くの方にご自身のβカロテン充足状態を簡単に把握していただく機会を提供するため、非侵襲で自宅でも採取できる尿から体内のβカロテン量を推定する技術を開発しました。
<今後の展開>
本研究では、実際のサービスに近い形で尿検査を行い、尿中βカロテン量と生活習慣との関連の調査に取り組みました。今後は、体内の栄養素の充足状態を確認して個別化サプリメントを提供するサービスへの活用を目指してまいります。
【用語説明】
(1) 非侵襲検査:生体を傷つけず、負担を与えない検査方法
(2) 参照リリース:「βカロテン」の充足状態を尿で見える化する技術を開発
https://www.fancl.jp/news/pdf/20211201_karotennojuusokujoutai.pdf
(3) 早朝第一尿:起床後の第一尿
(4) βカロテン強化食品:βカロテンを含むサプリメント、野菜ジュース、青汁などのこと
(5) M. Sugiura, M. Nakamura, K. Ogawa, Y. Ikoma, H. Matsumoto, F. Ando, H. Shimokata and M. Yano (2008). Associations of serum carotenoid concentrations with the metabolic syndrome: interaction with smoking. British Journal of Nutrition, 100, 1297–1306
(6) Y. Tsubono, S. Tsugane, and K. Fred Gey2, (1996). Differential Effects of Cigarette Smoking and Alcohol Consumption on the Plasma Levels of Carotenoids in Middle‐aged Japanese Men. Jpn J Cancer Res, 87(6), 563-9.
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