【国立映画アーカイブ】展覧会「ポスターでみる映画史 Part 5 アニメーション映画の世界」開催のお知らせ

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展覧会チラシ画像

 いまや世界の映像文化を席巻するアニメーション――日本はその中でも最もクォリティの高い作品を創り出してきた国の一つです。実写撮影に頼ることなく静止イメージを重ねて画面の動きを生み出す独自の表現として、アニメーション作品は映画史の早い時期から生み出されましたが、やがて各国で一大産業へと発展するとともに、独創的な作家たちも活躍してきました。

 映画の誕生から130年の節目を迎える本年、当館は、初期作品から現代の新作まで幅広い年代や国のアニメーション映画の系譜を、所蔵する豊富なポスターコレクションなどの資料から網羅的にたどります。ハリウッドのカートゥーン映画、欧州各国の特徴ある名作、そしてもちろん日本が誇るアニメーションの名作にも重点を置き、この映画文化が形作った大いなる潮流を振り返ります。

見どころ

  1. 展覧会シリーズ「ポスターでみる映画史」の第5弾!

    初期作品から最新作までアニメーション映画の歴史を総ざらい

    宣伝ポスターを中心に映画ジャンルを歴史的にたどる「ポスターでみる映画史」シリーズ。2012年の「西部劇の世界」を皮切りに、「ミュージカル映画の世界」(2014年度)、「SF・怪獣映画の世界」(2018年度)、「恐怖映画の世界」(2022年度)と、これまで4回催された当館主催の人気シリーズ展です。

    第5弾の今回は、映画の誕生間もなくの頃から連綿と作られ、いまや映像文化の大きな一翼を担うアニメーション映画の系譜を、ポスターを中心とした約130点の資料によって網羅的に横断します。

  2. 視覚面のみならず聴覚面からもアニメーション映画を追体験できる音楽展示にもご注目!

    2022年開催の「恐怖映画の世界」以降、当館企画展ではお馴染みとなっている音楽展示も展示スペースの一角に登場いたします。古今東西のアニメーション映画の音楽をお聴きいただくことができる内容によって、聴覚面でもアニメーション映画の世界を追体験いただけます。聴きなじみのある旋律や主題歌など、多種多様な音の世界もご堪能ください。

展覧会の構成

第1章
1900s-1910s アニメーション映画の始祖たち

アニメーションは連続した静止画から運動を知覚する「仮現運動」の性質を利用して生み出されます。1895年のシネマトグラフの公開から間もないうちに、実写にストップモーション(コマ撮り)によるアニメーションを組み込んだ映画作品が作られ、1900年代の後半には現在のアニメーション作品の基礎となるような作品群がJ・ステュアート・ブラックトン、エミール・コール、ウィンザー・マッケイたちによって作られました。本章では、映画草創期に活躍したアニメーション作家たちとその作品など、アニメーション映画の始祖たちに注目します。

第2章
1920s-1960s ハリウッド製カートゥーンの隆盛

 1928年、ウォルト・ディズニーは「ミッキー・マウス」を生み出し、『蒸気船ウィリー』を全篇トーキー作品として公開しました。作品は大きな反響を呼び、ディズニーは一躍時代の寵児となります。その快進撃は続き、世界初の長篇カラーアニメーション『白雪姫』(1937年)を筆頭に数々の意欲的な作品を送り出し、ライヴァルたちとともにアニメーション映画の芸術的水準を飛躍的に高め、アメリカの映画産業にアニメーションの一大牙城を築き上げました。本章ではディズニーのほか「ベティ・ブープ」などで知られるフライシャー兄弟、「トムとジェリー」を作り出したウィリアム・ハンナとジョゼフ・バーベラなど、1920年代から1960年代にかけて隆盛を極めたハリウッドのカートゥーン作品について取り上げます。

①『バッタ君町に行く』(1941年、日本公開1951年、デイヴ・フライシャー監督)プレス資料 国立映画アーカイブ所蔵

第3章
1930s-1980s ヨーロッパ、社会主義諸国のアート・アニメーション

②『線と色の即興詩 (ブリンキティ・ブランク)』(1955年、日本公開1956年、ノーマン・マクラレン監督)ポスター 国立映画アーカイブ所蔵
③『バヤヤ』(1950年、日本公開2003年、イジー・トルンカ監督)1970年代に作られた学校配給向けプレス資料 国立映画アーカイブ所蔵

④『悪魔の発明』(1958年、日本公開1959年、カレル・ゼマン監督)ポスター 国立映画アーカイブ所蔵

アニメーション映画の隆盛はアメリカだけに限りません。世界初の長篇アニメーション『アクメッド王子の冒険』(1926年)がドイツの女性監督ロッテ・ライニガーによって手がけられたという例を挙げるまでもなく、アメリカの隣国カナダ、大西洋を隔てたヨーロッパ諸国、あるいはソヴィエトやチェコなどの社会主義圏でも、アニメーション作品は盛んに製作されました。絢爛な色彩と力強く流麗な動きが目を引くアメリカ製の諸作品とは一味違う美しさや質感、そして高い芸術性に彩られた、多様なアニメーション作品の系譜をたどります。

第4章
1930s-1970s 日本のアニメーション映画

現存最古の『なまくら刀』(1917年、幸内純一監督)を皮切りに、日本は世界でも有数の豊かなアニメーション映画の歴史を誇ってきました。さまざまな作家たちが自主製作で精力的な活動を続ける一方で、1956年には日動映画を前身とする東映動画(現在の東映アニメーション)が設立され、大手製作会社の手になるアニメーション製作体制が確立したことも特筆に値します。本章では、大藤信郎、政岡憲三、瀬尾光世、藪下泰司、持永只仁、岡本忠成をはじめとする作家たちが様々な創作態度やスタイルのもと送り出した作品の数々を、テレビ界が大きな発展を遂げる1970年代までを区切りに取り上げます。

⑤『天狗退治』(1934年、大藤信郎監督)ポスター 国立映画アーカイブ所蔵
⑥『桃太郎の海鷲』(1942年、瀬尾光世監督)プレス資料 国立映画アーカイブ所蔵
⑦『難船ス物語 第壱篇 猿ヶ嶋』(1930年、政岡憲三監督)本篇抜粋写真 国立映画アーカイブ所蔵
⑧『難船ス物語 第二篇 海賊船 (海の冒険)』(1931年、政岡憲三監督)本篇抜粋写真 国立映画アーカイブ所蔵

第5章
1980s-2020s アニメは世界を制す

展覧会の最後となる本章では、1980年代から現在に至るまでのアニメーション映画について取り上げます。テレビの台頭を受けた映画界の斜陽化とテレビアニメの爆発的普及によって、1970年代に入ると日本のアニメーション映画の勢いには翳りが見られましたが、宮﨑駿・高畑勲たちによるスタジオジブリやそのライヴァルたちの活躍によって再び活力を得ます。そしてアメリカでも、1970年代以降低迷を続けていたディズニーが1990年代初頭に「ディズニー・ルネサンス」と呼ばれる再興を果たし、またピクサーやドリームワークスなどによるフルCG作品が高い評価を得るなど、1980年代から1990年代にかけてアニメーション映画は盛り上がりを見せ始めました。現在も、さまざまなアニメーション映画が生み出され話題をさらっています。まさしくアニメーションは世界の映画を制したと言えるでしょう。

トークイベント

ゲストを招いたギャラリートークや当館研究員による展示品解説を開催いたします。
※各イベントの詳細は、後日ホームページ等でお知らせいたします。

ハリウッド・カートゥーンのなかのクラシック音楽

開催日:2025年5月31日(土)

講師:藤原征生(当館特定研究員)

場所:展示室ロビー(7階)

企画の見どころと展示品解説

開催日:2025年6月28日(土)

講師:岡田秀則(当館主任研究員)

場所:展示室内(7階)

映画産業におけるアニメーションの歴史

開催日:2025年7月19日(土)

講師:宮本裕子氏(立教大学現代心理学部准教授)

場所:展示室ロビー(7階)

開催概要

企画名ポスターでみる映画史 Part 5 アニメーション映画の世界

(英題 / Film History in Posters Part 5: Animated Films)

主催:国立映画アーカイブ

会期2025年4月8日[火]- 7月27日[日]

休室日:月曜日、7月8日[火]- 13日[日]

開室時間:午前11時-午後6時30分(入室は午後6時まで)

*4/25、5/30、6/27、7/25の金曜日は開室時間を午後8時まで延長いたします。(入室は午後7時30分まで)

会場:国立映画アーカイブ 展示室(7階)

アクセス

:東京メトロ銀座線京橋駅下車、出口1から昭和通り方向へ徒歩1分

都営地下鉄浅草線宝町駅下車、出口A4から中央通り方向へ徒歩1分

東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅下車、出口7より徒歩5分

JR東京駅下車、八重洲南口より徒歩10分

料金

一般250円(200円)/大学生130円(60円)/65歳以上、高校生以下及び18歳未満、障害者手帳をお持ちの方(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料

*料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含みます。

*( )内は20名以上の団体料金です。

*学生、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方、キャンパスメンバーズの方は入室の際、証明できるものをご提示ください。

*国立映画アーカイブが主催する上映会の観覧券(オンラインチケット「購入確認メール」またはQRコードのプリントアウト)をご提示いただくと、1回に限り団体料金が適用されます。

*5月18日(日)「国際博物館の日」は、無料でご覧いただけます。

お問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

HPhttps://www.nfaj.go.jp/exhibition/animatedfilms2025/

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会社概要

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URL
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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
京都府京都市上京区下長者町通新町西入藪之内町85番4
電話番号
075-451-4111
代表者名
都倉俊一
上場
未上場
資本金
-
設立
1968年06月