乳児のアトピー性皮膚炎を予防する方法を証明
~皮膚を守る洗浄方法と保湿ケアの組み合わせによって予防する~
千葉大学医学部附属病院(病院長 大鳥精司)は、アレルギーセンター(センター長 中島裕史)の下条直樹らの研究グループが、低刺激な洗浄方法と保湿ケアにより、寒い時期に生まれた乳児のアトピー性皮膚炎(AD)の発症を予防できる可能性を、当院で生まれた新生児を対象とした調査で明らかにしましたので、報告いたします。
なお本研究成果は、2024年11月13日、『International Archives of Allergy and Immunology』に Brief Reportとして掲載されました。
■調査の方法:
2019年1月~9月生まれの子どもの母親へは従来のスキンケア方法(対照群;132名)を、2020年1月~9月生まれの子どもの母親へは新しいスキンケア方法(介入群;140名)を指導(指導内容は下記)し、生後12か月時のAD有病率についてアンケート調査を行いました。
■調査の結果:
参加者全員を評価した生後12か月時のAD有病率については、両群間で大きな差はありませんでした。しかし出生季節別の解析において、1月~3月生まれの子どもでは、生後12か月時のAD有病率が、対照群(21.2%)より介入群(2.9%)の方が有意に低いことがわかりました(t検定を実施。P<0.05)。
■結論:
本研究結果は、乾燥した寒い時期に生まれた子どもについては、低刺激な洗浄と保湿によるスキンケアにより、ADを予防できる可能があることを示しています。
■研究者コメント:
千葉大学医学部附属病院 アレルギーセンター客員教授 下条直樹
アトピー性皮膚炎(AD)は日本人の赤ちゃんの約2割がかかるといわれており、特に秋・冬生まれの赤ちゃんはADになりやすいです。本研究ではそんな寒い時期に生まれた赤ちゃんにとって有効なADの予防方法を明らかにしました。「やさしい洗浄・しっかりとした洗い流し・保湿ケア」の組み合わせで大切な赤ちゃんのお肌を守りましょう。
参考動画URL:
https://www.youtube.com/watch?v=ia27zH5ojVg
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