【イベントレポート】接着剤を使わない木材「DLT」が木造建築の未来を変える?『DLT 新しい木質材料が語る「持続可能な社会」のあり方』出版記念フォーラムを開催
日本の林業が抱える「歩留まり」の課題を、ローテクなイノベーションで解決する
出版を起点にマーケティング支援する株式会社クロスメディア・マーケティング(本社:東京都渋谷区、代表取締役:小早川幸一郎)は、2026年3月13日、注目のローテク・木質材料「DLT」に関する日本初の解説本『DLT 新しい木質材料が語る「持続可能な社会」のあり方』の出版を記念した、特別フォーラムのイベントレポートを公開しました。
当日は、法政大学 市ヶ谷田町校舎にて、著者である長谷川泰治氏(長谷川萬治商店)や網野禎昭教授(法政大学)らが登壇し、林業・木材・行政・デザイン関係者など約80名が参加。日本の林業再生と持続可能な建築の未来について熱い議論が交わされ、笑いと熱気に包まれたイベントの様子をレポートします。

イベントレポート全文はこちら: https://book.cm-marketing.jp/editing/mass-timber/
■ 注目集まるマスティンバーの新機軸「DLT(木ダボ接合積層材)」とは
現在、脱炭素社会の実現に向けた木造建築への関心が高まる中、次世代のマスティンバー(大型の木質構造材料)として注目されているのが「DLT(Dowel Laminated Timber)」です。
DLTは、板材を積み重ねて固定し、そこに木ダボ(木のピン)を打ち込むことで接着する技術で、最大の特徴は「接着剤や釘を一切使用しない」点にあります。これにより、木の香りが損なわれず、調湿・調温効果が長期間持続します。また、解体後のリユースが容易な、極めてシンプルな製法のサステナブルな建築資材です。
■ なぜ今、出版社が「DLT」と「林業の現状」を伝えるのか
クロスメディア・パブリッシングでは、書籍を通じて社会課題を浮き彫りにし、解決の糸口を提示することを目指しており、本イベントでは、著者により、日本の林業が直面する構造的な課題を議論しました。
歩留まりの低下と林業の低収益化
日本では工場の大規模化が進んだ一方、丸太から取れる製材の割合(歩留まり)が以前に比べ大幅に低下しており、林業が儲からない一因となっています。
低質材の未活用問題
国内では品質基準による選別の結果、強度に問題がなくても丸みや虫食い跡がある材は、建築用材としては活用されていません。
解決策としてのDLT
ヨーロッパでは、こうした多様な木材もDLTに加工して高付加価値化しています。加工度をあえて下げることで歩留まりを上げ、山へ正当な対価を返すことが可能になります。
■ 登壇者の想い(イベントレポートより抜粋)

長谷川泰治氏(株式会社長谷川萬治商店 代表取締役執行役員社長)
「木材業では『価格』や『強度』ばかりが重要視されがちですが、DLTを通じて、生産現場のストーリーや歴史的な背景、多様性にも目を向けていただきたいです」

網野禎昭氏(法政大学デザイン工学部教授)
「産業的な効率だけではなく、『エシカルな価値』が大切で、DLTは解体してもリユースが容易であり、自然の多様性を受け入れることが持続的な林業のあり方だと思います」
■ 建築材料としてのDLTの魅力
イベントでは、DLTを活用した個性豊かな事例も紹介されました。
板材に深い溝を掘って吸音材を入れ、オフィスの天井に活用。
建築に不向きとされる丸みを帯びた材やまだら模様の材を、あえてデザインとして生かす。
能登地震の被災者向け仮設住宅にDLTの板を用い、現地で組み立て木の空間をつくる。
本レポートを通じ、建築家や施主、自治体関係者の皆様に、新たな建築の選択肢としてのDLTの魅力を知っていただきたいと考えています。
イベントレポート全文はこちら: https://book.cm-marketing.jp/editing/mass-timber/
■ 書籍情報
『DLT 新しい木質材料が語る「持続可能な社会」のあり方』
Amazon「建設白書」「林業」「農林水産」「ゼネコン関連」カテゴリー等で1位を獲得した、日本初のDLT解説本。

著者:長谷川泰治、網野禎昭
定価:1,980円(本体1,800円+税)
体裁:A5判 / 176ページ
ISBN:978-4-295-41170-3
発行:株式会社クロスメディア・パブリッシング(クロスメディアグループ株式会社)
発売日:2025年12月19日
◆関連URL(当社サイトなど)
https://cm-publishing.co.jp/books/9784295411703/
Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4295411701/
楽天ブックス https://books.rakuten.co.jp/rb/18428025/
■ 著者紹介
長谷川泰治(はせがわ・たいじ)
株式会社長谷川萬治商店 代表取締役執行役員社長
東京木場の材木屋、株式会社長谷川萬治商店の4代目社長。大学時代は情報システムを研究。卒業後、電機メーカーのソニーでシステム開発や工場の生産革新活動に従事。
2009年に家業の材木屋に入社。現在、長谷萬グループの代表として、木材販売から木材加工、建築まで木材に関わる様々な事業を幅広く展開。近年は木育活動やデジタル技術の活用にも取り組み、「新時代の材木屋」を目指している。
網野禎昭(あみの・よしあき)
法政大学デザイン工学部 教授
1996年に渡欧、スイス連邦工科大学ローザンヌ校・木造研究所イボワにて研究助手。この間、林業から建築まで木材活用を一貫して考える視点を学ぶ。ウィーン工科大学建築学部教員を経て、2010年から法政大学デザイン工学部教授。日本や欧州の中山間地域を訪ね歩き、山を豊かにする建築のあり方を模索。
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