第47回川端康成文学賞が滝口悠生「反対方向行き」(『鉄道小説』収録)に決定しました。
ノーベル文学賞から生まれた日本で最も権威のある短篇小説賞、第47回川端康成文学賞(主催:川端康成記念会、後援:新潮社)が、2023年4月5日、厳正な選考を経て、滝口悠生「反対方向行き」(交通新聞社刊『鉄道小説』収録)に決定しました。
「反対方向行き」あらすじ
湘南新宿ラインのボックス席に座り、亡き祖父・竹春の家に向かうなつめ。そのはずが、列車は目的地の宇都宮から遠ざかり、神奈川方面へ向かっていた。もう戻れないはずの時間、もういないはずのひとの記憶と、思いがけない出会いが交錯する旅の一日。(交通新聞社ホームページより)
滝口悠生(たきぐち・ゆうしょう)
1982年、東京都八丈島生まれ。埼玉県で育つ。2011年、「楽器」で第43回新潮新人賞を受賞し、デビュー。2015年、『愛と人生』で第37回野間文芸新人賞を受賞。2016年、「死んでいない者」で第154回芥川龍之介賞を受賞。2023年、『水平線』で第39回織田作之助賞ならびに第73回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。他の著作に『寝相』『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』『茄子の輝き』『高架線』『やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)』『長い一日』『往復書簡 ひとりになること 花をおくるよ』(植本一子氏との共著)など。
【川端康成文学賞について】
日本人初のノーベル文学賞受賞者である川端康成(1899〜1972)の没後、その賞金を基金にして生まれた川端康成文学賞(主催:川端康成記念会、後援:新潮社)は、短篇小説を対象とする賞としては日本で最も権威のある小説賞として50年近く営まれてきました。
過去の受賞者にはノーベル文学賞作家・大江健三郎や古井由吉、安岡章太郎、筒井康隆から山田詠美、江國香織、町田康まで日本を代表する作家が選ばれてきましたが、2019年に惜しまれつつ一時休止しました。しかし、川端康成没後50年を翌2022年に控えた一昨年、待望の復活を果たしました。
川端康成には「掌(てのひら)の小説」という短篇小説の名品が数多くあることから、審査対象は短篇小説に限り、その年度の最も完成度の高い作品を授賞対象とします。
川端康成文学賞は丁寧かつ厳密な選考を重ねることで知られ、選考委員による本選考は一次選考会と最終選考会の2回にわたり実施しています。
■第47回(2023年)川端康成文学賞 選考委員
荒川洋治、角田光代、辻原登、堀江敏幸、村田喜代子(敬称略、五十音順)
(過去の受賞者)
第1回(1974年)上林暁「ブロンズの首」
第2回(1975年)永井龍男「秋」
第3回(1976年)佐多稲子「時に佇つ(十一)」
第4回(1977年)水上勉「寺泊」 富岡多恵子「立切れ」
第5回(1978年)和田芳恵「雪女」
第6回(1979年)開高健「玉、砕ける」
第7回(1980年)野口冨士男「なぎの葉考」 小田実「「アボジ」を踏む」
第8回(1981年)竹西寛子「兵隊宿」
第9回(1982年)色川武大「百」
第10回(1983年)島尾敏雄「湾内の入江で」 津島佑子「黙市」
第11回(1984年)林京子「三界の家」 大江健三郎「河馬に噛まれる」
第12回(1985年)高橋たか子「恋う」 田久保英夫「辻火」
第13回(1986年)小川国夫「逸民」
第14回(1987年)古井由吉「中山坂」 阪田寛夫「海道東征」
第15回(1988年)上田三四二「祝婚」 丸谷才一「樹影譚」
第16回(1989年)大庭みな子「海にゆらぐ糸」 筒井康隆「ヨッパ谷への降下」
第17回(1990年)三浦哲郎「じねんじょ」
第18回(1991年)安岡章太郎「伯父の墓地」
第19回(1992年)吉田知子「お供え」
第20回(1993年)司修「犬(影について・その一)」
第21回(1994年)古山高麗雄「セミの追憶」
第22回(1995年)三浦哲郎「みのむし」
第23回(1996年)大庭みな子「赤い満月」
第24回(1997年)坂上弘「台所」
第25回(1998年)村田喜代子「望潮」
第26回(2000年)岩阪恵子「雨のち雨?」 目取真俊「魂込め(まぶいぐみ)」
第27回(2001年)車谷長吉「武蔵丸」
第28回(2002年)河野多惠子「半所有者」 町田康「権現の踊り子」
第29回(2003年)堀江敏幸「スタンス・ドット」 青山光二「吾妹子哀し」
第30回(2004年)絲山秋子「袋小路の男」
第31回(2005年)辻原登「枯葉の中の青い炎」
第32回(2006年)角田光代「ロック母」
第33回(2007年)小池昌代「タタド」
第34回(2008年)稲葉真弓「海松(ミル)」 田中慎弥「蛹」
第35回(2009年)青山七恵「かけら」
第36回(2010年)髙木のぶ子「トモスイ」
第37回(2011年)津村節子「異郷」
第38回(2012年)江國香織「犬とハモニカ」
第39回(2013年)津村記久子「給水塔と亀」
第40回(2014年)戌井昭人「すっぽん心中」
第41回(2015年)大城立裕「レールの向こう」
第42回(2016年)山田詠美「生鮮てるてる坊主」
第43回(2017年)円城塔「文字渦」
第44回(2018年)保坂和志「こことよそ」
第45回(2021年)千葉雅也「マジックミラー」
第46回(2022年)上田岳弘「旅のない」
「反対方向行き」あらすじ
湘南新宿ラインのボックス席に座り、亡き祖父・竹春の家に向かうなつめ。そのはずが、列車は目的地の宇都宮から遠ざかり、神奈川方面へ向かっていた。もう戻れないはずの時間、もういないはずのひとの記憶と、思いがけない出会いが交錯する旅の一日。(交通新聞社ホームページより)
【受賞者略歴】
滝口悠生(たきぐち・ゆうしょう)
1982年、東京都八丈島生まれ。埼玉県で育つ。2011年、「楽器」で第43回新潮新人賞を受賞し、デビュー。2015年、『愛と人生』で第37回野間文芸新人賞を受賞。2016年、「死んでいない者」で第154回芥川龍之介賞を受賞。2023年、『水平線』で第39回織田作之助賞ならびに第73回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。他の著作に『寝相』『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』『茄子の輝き』『高架線』『やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)』『長い一日』『往復書簡 ひとりになること 花をおくるよ』(植本一子氏との共著)など。
【川端康成文学賞について】
日本人初のノーベル文学賞受賞者である川端康成(1899〜1972)の没後、その賞金を基金にして生まれた川端康成文学賞(主催:川端康成記念会、後援:新潮社)は、短篇小説を対象とする賞としては日本で最も権威のある小説賞として50年近く営まれてきました。
過去の受賞者にはノーベル文学賞作家・大江健三郎や古井由吉、安岡章太郎、筒井康隆から山田詠美、江國香織、町田康まで日本を代表する作家が選ばれてきましたが、2019年に惜しまれつつ一時休止しました。しかし、川端康成没後50年を翌2022年に控えた一昨年、待望の復活を果たしました。
川端康成には「掌(てのひら)の小説」という短篇小説の名品が数多くあることから、審査対象は短篇小説に限り、その年度の最も完成度の高い作品を授賞対象とします。
川端康成文学賞は丁寧かつ厳密な選考を重ねることで知られ、選考委員による本選考は一次選考会と最終選考会の2回にわたり実施しています。
■第47回(2023年)川端康成文学賞 選考委員
荒川洋治、角田光代、辻原登、堀江敏幸、村田喜代子(敬称略、五十音順)
(過去の受賞者)
第1回(1974年)上林暁「ブロンズの首」
第2回(1975年)永井龍男「秋」
第3回(1976年)佐多稲子「時に佇つ(十一)」
第4回(1977年)水上勉「寺泊」 富岡多恵子「立切れ」
第5回(1978年)和田芳恵「雪女」
第6回(1979年)開高健「玉、砕ける」
第7回(1980年)野口冨士男「なぎの葉考」 小田実「「アボジ」を踏む」
第8回(1981年)竹西寛子「兵隊宿」
第9回(1982年)色川武大「百」
第10回(1983年)島尾敏雄「湾内の入江で」 津島佑子「黙市」
第11回(1984年)林京子「三界の家」 大江健三郎「河馬に噛まれる」
第12回(1985年)高橋たか子「恋う」 田久保英夫「辻火」
第13回(1986年)小川国夫「逸民」
第14回(1987年)古井由吉「中山坂」 阪田寛夫「海道東征」
第15回(1988年)上田三四二「祝婚」 丸谷才一「樹影譚」
第16回(1989年)大庭みな子「海にゆらぐ糸」 筒井康隆「ヨッパ谷への降下」
第17回(1990年)三浦哲郎「じねんじょ」
第18回(1991年)安岡章太郎「伯父の墓地」
第19回(1992年)吉田知子「お供え」
第20回(1993年)司修「犬(影について・その一)」
第21回(1994年)古山高麗雄「セミの追憶」
第22回(1995年)三浦哲郎「みのむし」
第23回(1996年)大庭みな子「赤い満月」
第24回(1997年)坂上弘「台所」
第25回(1998年)村田喜代子「望潮」
第26回(2000年)岩阪恵子「雨のち雨?」 目取真俊「魂込め(まぶいぐみ)」
第27回(2001年)車谷長吉「武蔵丸」
第28回(2002年)河野多惠子「半所有者」 町田康「権現の踊り子」
第29回(2003年)堀江敏幸「スタンス・ドット」 青山光二「吾妹子哀し」
第30回(2004年)絲山秋子「袋小路の男」
第31回(2005年)辻原登「枯葉の中の青い炎」
第32回(2006年)角田光代「ロック母」
第33回(2007年)小池昌代「タタド」
第34回(2008年)稲葉真弓「海松(ミル)」 田中慎弥「蛹」
第35回(2009年)青山七恵「かけら」
第36回(2010年)髙木のぶ子「トモスイ」
第37回(2011年)津村節子「異郷」
第38回(2012年)江國香織「犬とハモニカ」
第39回(2013年)津村記久子「給水塔と亀」
第40回(2014年)戌井昭人「すっぽん心中」
第41回(2015年)大城立裕「レールの向こう」
第42回(2016年)山田詠美「生鮮てるてる坊主」
第43回(2017年)円城塔「文字渦」
第44回(2018年)保坂和志「こことよそ」
第45回(2021年)千葉雅也「マジックミラー」
第46回(2022年)上田岳弘「旅のない」
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