紛争再燃の中央アフリカ、子どもを狙った残虐な暴力増加【プレスリリース】
人道アクセス制限も
【2017年7月18日 バンギ(中央アフリカ共和国)/ダカール(セネガル)/ニューヨーク/ジュネーブ 発】
ユニセフ(国連児童基金)は本日、過去数カ月の間に中央アフリカ共和国で再燃した紛争が、子どもの殺害、拉致、強姦、武装グループによる徴用など子どもたちへの暴力の増加を引き起こしているとして、警鐘を鳴らしました。
ユニセフは、過去3カ月間における残虐な行為の被害で苦しむ子どもの実際の数は、多くの地域が治安上の理由で人道アクセスが厳しく制限されているために、公式に報告されている数よりはるかに多いことがほぼ確実だと述べました。アクセスの制限は、人道支援従事者による報告及び被害者を支援する能力を大幅に低下させます。それにもかかわらず、ユニセフが5月以降に収集した情報によると、武装グループが村や町を攻撃する際、頻繁に子どもたちを攻撃の対象としていることが示唆されています。
「過去3年間に中央アフリカ共和国全土を襲った暴力の影響を、過度に被っているのは子どもたちです」とユニセフ・中央アフリカ共和国事務所代表のクリスティーン・ムヒガナは述べました。「武装グループや紛争当事者は、子どもたちの権利への明らかな侵害を止めて、子どもたちの安全を確保するためにあらゆる努力をしなければなりません」
5月と6月に暴力が再燃した際、東部のブリア(Bria)で、武装グループの戦闘員により9歳から16歳の女の子14人が強姦されました。避難所に身を寄せる女の子たちが、自宅に持ち物を取りに戻る道中で起きた出来事です。
多くの性的暴力罪が、依然として報告されません。
5月に、南東部のバンガソウ(Bangassou)では、コンゴ民主主義共和国に逃れるために川を渡ろうとしていた2歳から16歳の子ども5人が殺されました。同月、ベルベラティ(Berberati)近くの村では、13歳から17歳の男の子8人が拉致されました。拉致したグループは、そのうちの1人を殺害し、他の子どもたちの解放の条件として身代金を要求しました。
このような残虐な犯罪に加えて、暴力的な紛争の激化や武装グループによる武力行為によって、何千人もの子どもたちが、教育を受けて健やかに成長するという最も基本的な人権を奪われています。治安悪化のために学校が閉鎖され、全国で推定9万4,000人の小学校に通う児童が、学年末テストを受けられませんでした。さらに、多くの保健センターが武装グループの略奪に遭い、閉鎖に追い込まれ、子どもたちが必要とする基本的なケアや定期的な予防接種を提供できなくなっています。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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