新幹線における「スマートメンテナンス」が本格始動します
○JR東日本グループでは、ICTなどの先端技術を活用した「スマートメンテナンス」の実現を目指し、安全・安定輸送のさらなるレベルアップや将来の労働人口の減少を見据えた仕事の仕組みづくりを進めています。 ○2種類の新幹線モニタリング車と新たに開発した業務システム「S-RAMos+®」を導入することで、新幹線における「スマートメンテナンス」が2024年12月より本格始動します。 ○高頻度の検査及びビッグデータの分析により、劣化予測の精度を高め、CBM※を実現します。 |
※CBM(Condition Based Maintenance)は、設備状態に応じて最適な時期に補修を行うメンテナンス手法です。
※(参考)新幹線「スマートメンテナンス」の開始:https://www.jreast.co.jp/press/2022/20221213_ho2.pdf
1.全体概要
JR東日本グループでは、新幹線の安全安定輸送にむけて、線路の健全性を確認する点検や検査を日々行っています。本格稼働する新幹線モニタリング車を用いて「スマートメンテナンス」を実現し、線路点検などの安全性・品質・生産性向上を図るとともに、これまで人の手で行っていた業務を一部システム化することで社員の働き方改革を推進します。
2.2種類の新幹線モニタリング車 「SMART-Green」と「SMART-Red」
スマートメンテナンスを実現する手段として2種類の新幹線モニタリング車により、高頻度で定期的な線路の点検、検査を行います。この2種類の新幹線モニタリング車は連結して運転することで、少人数で線路の検測を行うことが可能です。
「SMART-Green」 レール内部に発生する傷など状態を点検、検査する保守用車(レールモニタリング車)
「SMART-Red」 まくらぎ等の状態を点検、検査する保守用車(線路設備モニタリング車)
※新幹線モニタリング車による検測と取得データの処理は株式会社日本線路技術が担います。
3.スマートメンテナンスの業務システム 「S-RAMos+®」
スマートメンテナンスを実現するための業務システム「S-RAMos+®」を導入します。このシステムにより、測定データの処理から技術者の確認・判断に至るスマートメンテナンスのプロセスを、一つのプラットフォーム上で実施可能となります。モニタリングした画像から、修繕が必要な箇所を自動判定・提案する機能を有しております。
※「S-RAMos+®」はShinkansen Railway track Advanced Monitoring operating system Plusの略です。
※点群データとは、MMS(Mobile Mapping System)により収録した線路周辺の構造物の座標データです。
※新幹線モニタリング車のロゴマークおよび「S-RAMos+®」は株式会社日本線路技術の登録商標です。
4.「スマートメンテナンス」の導入スケジュール
・2023年6月より稼働している「SMART-Green」に加えて、2024年12月より新たに「SMART-Red」1台が東北新幹線の一部エリアで稼働します。
・「SMART-Red」の稼働に合わせて2024年12月より「S-RAMos+®」を使用開始します。
・2025年度末までに「SMART-Red」を計4台導入します。「SMART-Green」1台、「SMART-Red」4台の計5台でJR東日本の新幹線全線をモニタリングします。
・新幹線モニタリング車を用いた「スマートメンテナンス」について、他鉄道会社への展開も検討していきます。
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