グラミー受賞のシカゴシーン代表正統派ラッパー、ルーペ・フィアスコ　9作目ニュー・アルバム『Samurai』をリリース

リスペクトするエイミー・ワインハウスに捧げる、キャリアの中でも特にパーソナルなアルバム『Samurai』は長年のコラボレーター、Soundtrakkの全面プロデュースによる8曲収録

The Orchard Japan

2024年7月1日 12時00分

シカゴ出身の正統派ベテラン・ラッパー、LUPE FIASCO（ルーペ・フィアスコ）が、ニュー・アルバム『Samurai』をリリースした。ルーペがリスペクトするエイミー・ワインハウスに敬意を表し、彼女の遺産にインスパイアされたバトル・ラップとトリビュートを融合。キャリアの中でも特にパーソナルなアルバムとなっており、アルバムからのリードシングル「No.1 Headband」のMVも公開。地元シカゴへの愛とこれまでの人生、ラッパーとしての誇りを伝えるものとなっている。

「No.1 Headband」

2022年の『DRILL MUSIC IN ZION』に続き、長年のコラボレーターであり友人の Soundtrakk（「Superstar」「Kick, Push」「HipHop Saved My Life」）が全面的にプロデュースしたこの新作はルーペにとって９作目となる作品。

スムースでありながら頭脳的で、遊び心と物語性に溢れたトラック８曲から構成され、複雑なライムを文学的に組み立てるルーペの見事なスキルと、MCというアートへの愛に満ちている。

「ファンから、パーソナルな作品を作らないよねと言われることがあるんだ。でもこのアルバムは、これまでで最もパーソナルなアルバムだ。完全な伝記ではないけれど、個人的な体験がすべての音楽と結びついている。それはある人物の視点からのものもあれば、俺自身のものもある。アルバムでは、”他のアーティスト”が経験したことに触れながら、俺のアーティストとしての人生を織り交ぜている」とルーペは語っていた。

リリースの５日前、「X」に、前述の ”他のアーティスト”が、実は以前から大好きだったという、２０１１年に他界したUKアーティスト、エイミー・ワインハウスであることを投稿。この作品が、エイミーに捧げる”愛に満ちたポートレイト”であることを改めて認めている。

また、タイトルとなった『サムライ』という言葉は『仕える』という意味。彼が長年関わってきたラップ・コミュニティ全体において、他の人々に奉仕する必要があるということを意味している。ラップより前から、格闘技がルーペの人生のすべてであったが、今でも彼の人生において大きな役割を果たしているのだ。

作品の全体的なテーマは、エンターテインメント業界に身を置く者が経験する絶え間ない戦いを物語り、その中でも守るべきものがある、ということを伝えている。

Photo by Karl Ray

About Lupe Fiasco

2006年のデビュー・アルバム『Food & Liquor（フード＆リカー）』でシーンに登場したシカゴ出身のラッパーでレコード・プロデューサーのルーペ・フィアスコ（本名：ワサル・ムハンマド・ジェイコ）。

2008年の第50回グラミー賞では『フード＆リカー』からの「Daydreamin'（デイドリーミン）」がBest Urban/Alternative Performanceを初受賞。自らが率いるパンク・バンド＝ジャパニーズ・カートゥーンの活動などを経て、2011年に3rdアルバム『Lasers（レイザーズ）』が自身初の全米アルバム・チャート初登場1位に。ヒップホップ界における最重要アーティストの1人となった。

その後、2022年の『Drill Music in Zion（ドリル・ミュージック・イン・ザイオン）』はNPR、Complex、The FADERなど、多くのメディアや批評家から高評価を獲得。引き続き盟友のSoundtrakkがプロデュースする９作目『Samurai（サムライ）』にも大きな注目が集まる。子供時代から空手や剣道などの武術を学び、アニメやゲームなど日本文化にも造詣の深いルーペは、マサチューセッツ工科大学の教授としても "Rap Theory and Practice "を教える。音楽活動にとどまらず、多方面で活動する彼は、自身が設立したコミュニティ団体にも力を注いでいる。

リリース情報

LUPE FIASCO（ルーペ・フィアスコ）

ニュー・アルバム『Samurai』配信中

配信リンク：https://orcd.co/lupe-samurai

Label: 1st and 15th too

Tracklist

1. Samurai

2. Mumble Rap

3. Cake

4. Palaces

5, No. 1 Headband

6. Bigfoot