50号記念特集 フェムテックに関する意識調査

~女性のカラダとココロをテクノロジーが支える時代~

株式会社エムティーアイ

 (株)エムティーアイが運営する、ライフステージや悩みにあわせて女性の一生をサポートする健康情報サービス『ルナルナ』では、定期的にサービス内で意識調査を行い、「ルナルナ通信」として発信しています。
 2012年から始まり、10年をかけて様々なテーマで女性たちの声を聴いてきた「ルナルナ通信」は、今回、記念すべき50号という節目を迎えました。毎回多くのユーザーから、生理やカラダに関する内容をはじめ、ほかでは聞けない女性の悩みや本音を明らかにしてきましたが、50号では、急速に私たちの生活のなかで存在感を増し、国や多くの企業も注目する「フェムテック」※1を特集します。
 女性の健康課題をテクノロジーで解決する商品・サービスを指す「フェムテック」ですが、新しい概念のため定義もイメージも様々です。そこで、ルナルナユーザーたちはフェムテックにどのような印象を持ち活用しているのか、また不安や疑問に思っていること、期待していることについて詳しく調査しました。今カラダやココロに何らかの悩みを抱えている一人でも多くの女性が、フェムテックに触れるきっかけとなることを期待します。
調査実施時期:2021年12月24日(金)~2022年1月4日(火)
調査方法および人数:『ルナルナ』、『ルナルナ 体温ノート』、『ルナルナ ベビー』にて調査 10代以上の女性:3,123名

≪本調査の5つのニュースポイント≫
  1. 「フェムテック」については、過半数が「知らない」。言葉の認知度はまだ低い傾向。
  2. 購入・利用経験のあるフェムテックは「生理日予測アプリ」」が 8 割以上で堂々の 1 位!
  3. 8割以上が「フェムテックは自分にとって必要」、利用経験のある9割以上が「フェムテックによって不安が改善した」と回答。恩恵を受けている女性にとってはもはや不可欠!
  4. “フェムテック迷子”が多数存在!普及のハードルは購入方法や商品・サービスの不透明性?!
  5. 9割以上がフェムテックの今後の発展に好意的。これからの進化に期待大のマーケット!


■ 過半数が「フェムテック」という言葉を知らない!意味も含めて知っている人は1割ほどに。

Q. あなたは、フェムテックという言葉を知っていますか。

 まず「フェムテック」という言葉を知っているかを聞いてみると、「意味も含めて知っている」は15.3%で、「知らない」52.4%が最も多い結果となりました。「言葉だけ知っている」「どこかで聞いたことがあるような気がする」という人は合わせて3割以上となり、認知度にばらつきのあるテーマであることがわかります。

 また、「意味も含めて知っている」、「言葉だけ知っている」と回答した人へ、どこで聞いたかをたずねると「インターネットの記事」62.1%が最も多く、次いで「SNS」39.7%、「TVやラジオのニュース」38.7%でした。家族や知り合いとの間で話題になるというよりは、ニュースやSNSのなかで聞くことの多い言葉のようです。


■ フェムテックのイメージにはばらつきが…。2割の人は「よくわからない」
Q. フェムテックにはどのようなイメージがありますか。(複数回答:上位5つ)

 続いて、フェムテックに抱くイメージを聞いてみました。フェムテックという言葉を知っている人の回答としては「女性の健康をサポートするもの」53.6%が最も多く、その次に「女性の健康への理解を促進するもの」50.0%が続きました。また、フェムテックを知らないと回答した人には言葉の説明を行ったうえで同じ質問をすると、1位から3位の順位は変わらない結果となりました。上位にポジティブなイメージが並ぶ一方で、フェムテックを知っている人を対象とした結果にも4位には「よくわからない」24.8.%がランクインしており、言葉は知っていても漠然としたイメージしかない人も少なくないことがわかります。

 フェムテックとは、女性特有の健康課題をテクノロジーで解決する商品・サービスを指すとされていますが、言葉自体も日本ではここ数年で広まり始めたため定義も難しく、一般の女性が持つイメージに差があるのは当然のことだといえるでしょう。商品やサービスに触れる機会が増えることで、多くの女性にとってより親しみやすいものになればと思います。

■ フェムテックサービスを利用したことがある人は4割。生理日管理アプリが1位!
Q. 実際にフェムテックサービスを購入および利用したことはありますか。
 
ここからは、フェムテックを知っていると回答した女性を対象に、商品やサービスについての認識を深掘りしました。
 実際にフェムテックサービスを購入および利用したことがあるかをたずねると「利用したことがない」41.2%が最も多い結果となりました。

Q. 購入・利用されたサービス・商品を教えてください。(複数回答:上位3つ)
 
購入・利用したことがあると回答した女性を対象に、どのようなサービス・商品だったかを聞くと、1位「生理・月経周期の予測(生理日管理アプリなど)」86.6%、2位「生理用品(月経カップ、吸水ショーツなど)」59.4%となりました。『ルナルナ』もサービス開始からすでに21年が経っているように、生理日管理アプリなどは「フェムテック」の言葉が浸透する前から日常に根付いており、フェムテックサービスと認識せずに利用している女性も多いのかもしれません。

 


■ 8割以上が「フェムテックは自分にとって必要」と回答。サポートが欲しいのは生理だけじゃない!
Q. フェムテックサービスには、自分にとって必要なサービスが含まれていると感じますか。/Q. (「思う」と答えた方へ)どのようなサービスが、自分にとって必要だと思いますか。(複数回答:上位5つ)

 このようなフェムテックサービスについて、自分にとって必要なものが含まれていると思うかをたずねると「とても思う」21.5%、「思う」61.6%となり、合計すると8割以上の人がフェムテックサービスは必要だと感じていることがわかりました。

 「とても思う」「思う」と回答した人へ、どのようなサービスが必要かを聞くと1位「生理・月経周期の予測サービス」82.7%、2位「生理用品(月経カップ・吸水ショーツなど)」73.5%となりました。また、購入・利用率の結果では上位に入っていなかった「更年期ケア関連」30.6%、「骨盤ヘルスケア」24.4%がランクインしていることなどから、今や幅広いアイテムが開発されており、認知度にかかわらず自身に必要なフェムテックサービス・商品を選択し、それぞれの場で活用できていることがうかがえます。
 












■ フェムテック利用者の9割が、不安や悩みが改善されたと回答!
Q. サービスや商品を利用して、自身が気になっていた不安や悩みが改善したと思いますか。 

 さらに、フェムテックサービスや商品を利用し自分の不安や悩みが改善したと思うかをたずねると「とても思う」20.2%、「思う」71.3%となり、合計するとなんと9割以上の人がフェムテックによって悩みや不安が改善されたと答えました。これは、フェムテックをよくわからないと思っていたり、なんとなく敷居の高いイメージを持っている人にとっても期待の持てる結果ではないでしょうか。
 具体的にどのような点で改善を感じたかについて、たくさんの自由回答が寄せられたので一部を紹介します。

≪フェムテックによって不安や悩みが改善されたという自由回答の一部≫
★生理日予測のおかげで、メンタルが不安定な時もそういう時期と割り切ることができるようになって良かった。 吸水ショーツは生理の始まりそうなときも不安が減った。
★最近は、色々な種類の生理用品があるので、その時の自分の状況によって使いやすい物を選ぶ事が出来、快適に過ごせる。また仕事でなかなか病院に行く時間が取れないので、排卵検査薬の存在はとても心強い。
★以前は生理の周期に関心がなく、いつ頃生理が始まりそうかなんとなく予測していたので、漏れたりナプキンを持ち合わせてなかったりと失敗することが多かった。アプリで管理し始めてからほぼ正確な予測で、生理での失敗が大幅に減った。また病院で生理周期や最終月経を聞かれても失念して困ることがなくなった。排卵日や基礎体温もアプリ管理にしたことで不妊治療でタイミングをとる時に排卵日がわかりやすくなった。
★月経カップで夜の漏れがなくなって温泉にも入れるようになったのが画期的です。
★購入はないがセルフプレジャーにとても興味を持った。選びやすいし、購入しやすそう。


■ 過半数が“フェムテック迷子”。「本当に自分に合うサービスがわからない」
Q. フェムテックサービスや商品を選ぶ際に、困ったり悩むことはありますか。/Q. どのような理由で困ったり、悩みますか。(複数回答)

 一方で、フェムテックサービスや商品を選ぶ際に、困ったり悩むことがあるかを聞いてみると「とてもある」9.5%、「ある」48.3%と、過半数の人が悩みを伴っている実態が明らかになりました。

 悩みの内容としては「どのようなサービス・商品が自分に合っているかわからない」86.0%が最も多く、次いで「本当に効能・効果があるかわからない」52.7%、「商品の安全性がわからない」38.3%などが続きました。また、自由回答では「商品ごとの違いがわかりづらい」、「買うのに勇気がいる」などの声もあがりました。
 これまでに使ったことのなかった新しいサービスや商品の場合、ためらいや戸惑いが生まれることは当然で、自分のカラダに使うことを考えると、その迷いも一層大きくなることが推測されます。今後、フェムテックの商品・サービスをより安心して使ってもらうためには、事業者側は、例えば医学的・科学的根拠を明確にする、法令に基づいた表示を行うなど、消費者に対する誠実な対応がより求められると感じます。また、利用する側にとっても、その商品・サービスが自分の悩みの解決につながるか不安なときは、かかりつけの婦人科に相談するなど、安心して利用するための基準を持っておくと良いでしょう。


 ■ フェムテックサービスの壁は、購入方法・場所の複雑さ?過半数が、サイトやアプリで購入。
Q. フェムテックサービスを購入したり利用したりしたことがない理由を教えてください。(複数回答)
 
フェムテックサービスや商品を購入・利用した経験のない人へ、その理由をたずねると「購入できる場所や方法がわからなかったから」42.7%が最も多くなりました。
 購入・利用経験のある人がサービス・商品を購入した場所としては、「ウェブサイト」51.1%が最も多く、次いで「専用アプリ」50.7%でした。本調査では、購入・利用経験のあるサービスとして生理日管理アプリが1位だったため、購入経路としてウェブサイトや専用アプリが上位になるのは当然と言えるでしょう。一方で、生理日管理アプリ以外のサービス・商品に絞って回答を見てみると、実店舗での割合は高くなりました。

 百貨店やショッピングモールなどの実店舗にてフェムテックサービス・商品が扱われることについてどう思うかをたずねると、最も多い回答は「良いことだと思う」67.0%となり、その理由として「女性の健康について知ってもらうきっかけになる」40.1%があがりました。一方で、人の目などが気になる、手に取るのは恥ずかしいなどの理由から「抵抗がある」と回答した人も約1割おり、フェムテックの広がりにおいてはそのような女性の声を尊重することも大切だと感じます。ウェブサイトや実店舗など、女性の様々なニーズに応じて購入環境が整うことで、より多くの人がもっと簡単にフェムテックに出会える場所が増えることを期待します。

■ 今後のフェムテックの発展に9割以上が好意的。一方でオープンにすることに抵抗がある人も。
Q. フェムテックというサービスや商品は今後も様々な形での登場が想定されますが、サービスや商品が増えることや進化することについて、どのように思いますか。
 

 これまでの結果からフェムテックによる恩恵も課題も見えてきましたが、今後もフェムテックは様々な商品・サービスが開発され進化していくだろう点についてどう思うか、改めて全員を対象に聞いてみました。
 結果は、「とても好ましいことだと思う」35.7%、「好ましいことだと思う」56.9%と、9割以上からフェムテックの今後の進化に好意的な声が集まり、多くの女性から期待されている領域であることがわかりました。

≪好ましいと回答した理由として集まった自由回答の一部≫
★自分のようにそういった情報を必要としている人はもちろん、公になればなるほど男性や今は興味がなくても将来必要になる若い世代や間違った知識を植え付けられた世代に学んでもらえる機会が増えるから。
★これまで隠すべきと思っていたことだけど、自分以外にも悩んでいる人が多くいることがわかって生きやすくなると思うから。
★話題にするのがタブーのようなイメージがあった生理や女性の健康について男性含め理解が進み、広く会話が出来る事は良いことだから。
★女性の健康は隠れて調べたりすることもあったが、それを機に自分自身の体がさらに身近に感じられるかもしれないから。
★より女性が生活しやすい社会になり、精神的にも身体的にも負担が減るのは多くの人にとってありがたいと思うから。
★そもそも性にまつわる悩みは「不便・不快で当たり前」という思い込みが多く、改善するという発想も湧きにくいので、「改善できるよ」という提案がされることで初めて悩みに気づくことが多々あります。そのため、提案にふれる機会が増えることは好ましいことに思います。
★性別関係なく生理現象の対処法が普及し、認識され当然になる事が不可欠。羞恥心を持つ必要がない世界にしたい。

 一方で、「あまり好ましいことだと思わない」「好ましいことだと思わない」と回答した人からは以下のような自由回答が寄せられました。

≪好ましくないと回答した理由として集まった自由回答の一部≫
★個人的にサービスを受ける事は自由だと思うが、デリケートな問題だと思うのでオープンな感じの雰囲気は好ましくない。
★生理アプリなど、ものにより補助的に使用するなら良いと思います。選択の幅が増えることでそれに頼りきり自分だけの身体本来の感覚がわからなくなっている世代が出てくることが心配でもあります。
★生理が楽になったり、女性の心と体にとって良い物が開発・販売されることは非常に良いことだと思う。これからもそうあって欲しい。しかし、男性や子供達など不特定多数の人の前で生理の話題が出ることは避けて欲しい。(中略)ニュースやネットやお店など、様々な人の前で生理のことが話され、権利を主張し、そうすることが正しく多くの女性が望んでいること、とされることに非常に大きな違和感と怒りを感じていました。
 

 フェムテックは新しい概念のため、様々な意見があり話題になる機会も多いですが、女性がより自分らしく生きることをサポートするものとして、今後は生活の中に当たり前にあり、必要な人が必要な時に自分の体質や気持ちに合うものを選択できるようなかたちで発展していくことが求められているのではないでしょうか。

■ 更年期、PMS、妊活etc…。フェムテックによって解決したい悩みは尽きない。
Q. フェムテックサービスや商品を通して、解決したいカラダやココロの悩みはありますか?

 最後に、フェムテックを通して解決したいカラダやココロの悩みがあるかをたずねると、「ある」51.0%と、過半数の人が何らかの悩みを抱えていることが明らかになりました。
 具体的な悩みとしては「更年期障害」、「PMS(月経前症候群)」、「妊活・不妊関連」、「性交痛」、「デリケートゾーンのケア」などが自由回答として多くあげられました。
 
 今回の調査では、フェムテックの認知度はまだ高いとは言えず、その恩恵を受けている女性は少数派かもしれませんが、期待感は非常に大きいことがわかりました。今後は、フェムテックによるサポートを必要としている人へ、その情報がよりわかりやすく、確実に届く仕組みができあがっていくことを望みます。
 そして、カラダやココロの悩みを我慢するのではなく、その時の状況に応じて医療機関を受診したり、テクノロジーによってサポートする商品を利用したりと、フェムテックが女性の悩みや課題を改善する選択肢のひとつとなることで、自分らしく生きられる人が増える世の中になっていくことを『ルナルナ』もサポートしていきたいと思います。

 
≪成城松村クリニック 院長 松村圭子先生からのコメント≫

 フェムテックに関する認知はルナルナユーザーの中でもかなりばらつきがあるようですが、サービスや商品を利用したことのある人の9割以上がそれによって自分の不安や悩みが改善したと回答したのは、大変うれしい結果だと受け止めました。カラダやココロに不調を抱えている女性は、その解決策の一つとしてフェムテックの活用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
 しかし、体調に少しでも不安があるならば、まずは婦人科を受診し、必要であれば治療することも忘れないで欲しいと思います。我慢されがちな女性特有の不調ですが、婦人科と上手につきあいながら、プラスαでテクノロジーによる恩恵を受けることで、より快適に、自分らしく毎日を過ごせる女性が増えることを願っています。
 

≪株式会社エムティーアイ 執行役員 ルナルナ事業部長 日根麻綾からのコメント≫

 近年、フェムテックをはじめとして女性の健康に注目が集まっていることは大変嬉しく感じています。また、この分野が1つの産業として成長することは、経済の発展への寄与にとどまらず、女性のカラダの悩みや困りごとが“個人の問題”ではなく“社会の問題”として認識されつつある証だと言えます。社会全体としてこの問題に向き合うことは、生理の貧困などこれまで見えにくかった女性が抱える生きづらさの改善に繋がると期待しています。
 今、フェムテック分野では国内外で日々様々なサービスや商品が新たに開発され、私たちはテレビや雑誌、Webサイトなどで目にする機会が増えています。自分にあう商品と出会えれば、これまで当たり前と思っていた我慢や負担から解放されることも出来るかもしれません。一方で、フェムテックは婦人科医療の代替ではなく、あくまで個人の生活を補完していくものだと思います。女性たちがそれらを上手に活用するために、我々事業者もますますの倫理観と努力をもって、誠実なサービス・商品提供が求められるのだと感じています。

 
 『ルナルナ』は今後も、「FEMCATION®(フェムケーション)※2」を通じて、年齢や性別を問わず誰もが、女性のカラダやココロについて正しく学べる機会を創出し、あらゆる女性たちが、より生きやすく、暮らしやすく、働きやすい社会の実現の一助となることを目指します。



※1:フェムテックとは、Female(女性)とテクノロジー(Technology)の掛け合わせで、女性の健康課題を、テクノロジーを通じて解決するサービスや商品のこと。
※2:「FEMCATION®」は(株)エムティーアイの登録商標で、FEMALE(女性)とEDUCATION(教育)を掛け合わせた造語です。
 

サイト名:ルナルナ®
概要:ライフステージや悩みにあわせて女性の一生をサポートする健康情報サービス
<無料コース>生理日予測を始めとする、女性のカラダとココロの健康管理サービス。過去の生理日から生理日・排卵日を予測し、日々の体調変化をお知らせします。
<ベーシックコース>デリケートな女性のカラダとココロの健康情報サービス。生理日管理に加えて、あなたにあったカラダやお肌、ココロの状態を365日サポートします。
<ファミリーコース/プレミアムコース>妊活から妊娠・出産までを独自の予測ロジックやアドバイスでサポートするサービス。妊娠しやすいタイミングを「仲良し日」としてお知らせし、妊活を手厚くサポートします。
課金額(税込):ベーシックコース:月額198円、ファミリーコース:月額330円、プレミアムコース:月額 400円
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代表者名
前多俊宏
上場
東証プライム
資本金
52億1800万円
設立
1996年08月