大日本印刷 JCCLに出資しCO₂分離回収の事業化を加速
燃焼系ガスを対象とした膜分離法によるCO₂分離回収技術の社会実装を目指す
大日本印刷株式会社(本社:東京都 代表取締役社長:北島義斉 以下:DNP)は、株式会社JCCL(本社:福岡県 代表取締役:梅原俊志)が実施した資金調達において、2026年7月31日付で同社に出資しました。両社は、工場などから排出される燃焼系ガスを対象にした、膜分離法*1によるCO₂分離回収技術の開発・事業化に向け、戦略的パートナーとして連携を強化します。

DNPが保有する精密塗工技術、評価・解析技術、生産設備の設計・製造技術と、JCCLが保有するCO₂を選択的に透過する材料を組み合わせることで、低コストかつ高効率なCO₂分離回収装置を開発し、その社会実装を目指します。また、本装置をDNPグループのGHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出量削減にも活用し、実証を通じて得た知見を今後の開発・装置提供につなげていきます。さらに、回収したCO₂の利活用に向けて企業や研究機関との連携を進め、CO₂を資源として多様な製品・燃料に活用するカーボンリサイクル事業の創出にも取り組みます。
出資の背景
近年、製造業を中心に脱炭素化への対応が重要な経営課題となっています。省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入が進む一方で、製造プロセスなどの事業活動に伴って排出されるCO₂は一定量の排出が避けられない場合があります。こうしたCO₂を回収して大気中への排出を抑制する技術の実用化が、脱炭素社会の実現に向けて期待されています。
DNPは、JCCLと2025年10月から、工場などから排出される燃焼系ガスを対象としたCO₂分離回収事業での協業*2を進めてきました。今回、両社の技術や知見を組み合わせることで、膜分離法によるCO₂分離回収技術の開発・事業化を加速し、社会実装を推進できると判断し、出資を決定しました。
協業のポイント
○ CO₂分離回収装置の開発
JCCLは、燃焼系ガスなどに含まれるCO₂を選択的に透過させる材料を開発しており、DNPはその材料を精密塗工技術によって分離膜として形成し、モジュール化するとともに、評価・解析技術を活用した性能の最適化を進めます。DNPが有する生産設備の設計・製造技術も活用することで、工場などから排出される燃焼系ガスの特性に応じたCO₂分離回収装置を開発します。

○ DNPグループの事業活動における活用
DNPは「DNPグループ環境ビジョン2050」に基づき、自社拠点での事業活動に伴うGHG排出量の実質ゼロを目指しています。本協業を通じて、DNPグループの事業活動におけるCO₂分離回収技術の活用可能性を検討し、GHG排出量削減を推進します。また、実証を通じて技術・運用の知見を蓄積し、事業開発の加速にもつなげていきます。
今後の展開
DNPとJCCLは、2028年度までにCO₂分離回収装置の実証機を開発し、その後、装置を大型化してDNPグループの製造拠点への導入を目指します。DNPでの実証・活用を通じて技術・運用の知見を蓄積し、その成果をもとに社外の企業へ展開します。将来的には、CO₂分離回収装置の提供に加え、回収したCO₂の利活用を含めた循環型サービスの実現を目指します。
*1 膜分離法:混合ガスに含まれる各成分の膜への透過しやすさの違いを利用し、CO₂などの特定成分を選択的に分離する方法。装置の省スペース化や、CO₂の分離・回収に要するエネルギーの低減が期待されています。
*2 ニュースリリース「大日本印刷とJCCL CO₂分離回収事業で協業を開始」 → https://www.dnp.co.jp/news/detail/20177276_1587.html
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