児童婚:西部・中部アフリカ、根絶までに100年超【プレスリリース】
人口増加に削減率が追いつかず、10人に4人の女性が18歳未満で結婚
ユニセフが支援する識字クラスに通うアミナさん(19歳)。(マラウイ・マンゴチ)2017年8月撮影 © UNICEF_UN0118056_Chagara
今後非常に大きな進展を遂げなければ、西部・中部アフリカでの児童婚を終わらせるには100年以上かかり、数百万人の幼い花嫁たちがその人生を変えられ、地域の繁栄にも深刻な影響を与えうると、ユニセフ(国連児童基金)は本日、警鐘を鳴らしました。
ユニセフが新たに発表した報告書『児童婚のない未来を実現する:西部・中部アフリカにて(原題:Achieving a future without child marriage: Focus on West and Central Africa)』は、急激な人口増加と増加率の高さから、児童婚の削減率が2倍になったとしても、毎年結婚する女の子の数を減らすには十分ではないことを明らかにしています。
1歳半の娘を抱くダダさん(15歳)。(ナイジェリア・マイドゥグリ)2017年7月撮影 © UNICEF_UN0118457
今週ダカールで開催の児童婚に関するハイレベル会合で発表される新たな計画は、女の子が18歳未満で結婚するリスクが最も高いこの地域に焦点を当てて取り組むことを目指しています。
西部・中部アフリカにおける児童婚の割合は過去20年の間に下がりましたが、その進展は一様ではなく、いまだ10人に4人の女性は18歳未満で結婚し、そのうち3人に1人は15歳未満で結婚しています。児童婚の割合が最も高い10カ国のうちの6カ国が、西部・中部アフリカにあります。その国々は、ニジェール、中央アフリカ共和国、チャド、マリ、ブルキナファソおよびギニアです。
この地域における5カ国、ガンビア、ギニアビサウ、トーゴ、ガーナおよびルワンダでは、過去25年間で4割から6割の削減を達成しました。
『児童婚のない未来を実現する:西・中央アフリカにて』
「女の子たちを学校に通わせることを最も重視しています」と、ンジャエは述べました。「教育は一生の財産となるだけでなく、家族や地域社会、国が貧困から抜け出す助けとなるからです」
18歳未満での結婚である児童婚は、重大な子どもの権利の侵害です。幼い花嫁は学校を卒業できる可能性が低く、暴力の被害者となり、HIVに感染する可能性が高まります。おとなになる前に結婚すると、健康で幸せな人生は暗雲に覆われ、貧困の連鎖が世代にわたって続くことになります。また、幼い花嫁の多くは、仕事をするために必要な技術・能力が不足しています。
* * *
※本信に関連する報告書『児童婚のない未来を実現する:西部・中部アフリカにて』(英文)は、以下のURL からダウンロードいただけます。 https://data.unicef.org/resources/statistical-snapshot-child-marriage-west-central-africa
※本信に添付のインフォグラフ(日本語)は、http://bit.ly/2xiJnox でご覧いただけます。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像