「コクヨデザインアワード2025」の受賞作品決定
“prototype”をテーマに開催。国内外1,448点の応募作品から、川田敏之さんの「NEWRON」がグランプリ獲得
コクヨ株式会社(本社:大阪市/社長:黒田 英邦)は、本日開催した才能あるデザイナーの応援と共創を目的とするプロダクトデザインの国際コンペティション「コクヨデザインアワード2025」最終審査にて、グランプリ作品1作品と優秀賞3作品を決定しました。

22回目を迎えた「コクヨデザインアワード2025」では、テーマを“prototype”とし、プロダクトデザインにおいて一般的には完成前の原型や試作品という意味で使われる言葉を、今回は「次につながる可能性をもつ原型」と捉え、未来への起点となるようなプロダクトデザインを募集しました。
2024年7月26日から10月9日まで作品を募集し、国内外61か国から合計1,448点(国内716点、海外732点)の作品が集まりました。
最終審査では、昨年11月の二次審査およびパテント調査を経て選出された9作品のプレゼンテーションと模型審査が行われ、その後、審査員による最終審議によって受賞作品を決定しました。
1.受賞作品詳細
◎グランプリ(1作品)

作品名:NEWRON
一般名称:ペン
作品概要:人間の指先には多くの神経が集中しており、指先を刺激することで脳の働きは活性化されます。『NEWRON』は、グリップ部分に様々な形状の突起が施されたペンで、「かく」という作業と同時に指先から脳の働きを促し、創作活動をサポートする「アイデアを生み出すためのペン」です。
作者:川田 敏之
◎優秀賞(3作品)

作品名:スピニング
一般名称:栞(スピン)
作品概要:本についている紐、スピン。本を読んでいる間もなんとなくクルクルと弄ったり、気づいたら先がほつれていたりする細い小さな紐。スピンに芯材を入れることで、少しだけ自由な“何か”になる可能性を広げます。それは、ページを跨ぐ付箋かもしれない。次に読む人への贈り物かもしれない。読んだときの心のかたちかもしれない。本から独立した造作かもしれない。まだ名前のないものかもしれない。そんな小さな可能性の在り方。
作者:一條 遥貴

作品名:KAKONET
一般名称:マグネット
作品概要:「」は言葉を強調し、私達の心に強く印象を残している。本や映画の「」で囲まれた言葉やセリフは時に私達を感動させ、涙を流す、笑顔を生む、幸せや勇気を与える、など感情を強く揺さぶります。私達はマグネットで何かを留める時に、同時に忘れたくないことや意識している事、想いを、心の内側にも留めているのかもしれません。KAKONETは、そんなあなたの内側にある、想いや、意識、記憶を「」を通して、より可視化し、強く印象づけ、留めるためのマグネットです。
作者:松村 佳宙

作品名:秘密
一般名称:ダイアリー
作品概要:日記帳とは何か。それは、私たちの心に隠されている「秘密の言葉」だと思います。日記帳の横線を中心に向かって収縮させることで、「秘密の言葉」が、まるで奥深くに隠れているかのように感じられます。
作者:weiweichen(Gaowei Liu、Cheng Chen)
※作品名、一般名称、作品概要、受賞者・グループ名は、応募用紙記載の原文です。
2.授与されたトロフィー・表彰状について
トロフィーは、今年のテーマ「prototype」を受け、受賞作品が示す「未来へのベクトル」を抽象的に表現しました。キービジュアルで表現された複数の矢印は、トロフィーでは試行錯誤を経て一つの方向性へと昇華され、次の未来を力強く指し示しています。表面に施された色泥漿による複雑な模様は、アイデアの試行錯誤から生まれる創造の軌跡を表しています。また、ファイナリストに授与された表彰状はキービジュアルの「矢印」を使用し、素材感を出すためにチップボールを採用しました。


3.コクヨデザインアワードについて
「コクヨデザインアワード」は、2002年にコクヨが創設し、今回で22回目を迎える国内屈指の歴史あるプロダクトデザインコンペティションです。
毎回世相を反映するテーマで作品を募集し、優れたプロダクトデザインを選定するのみならず、受賞作品については受賞者とコクヨ開発者の共創で製品化を行ってきました。これまでに生み出された製品の数は20点を超えています。生活や仕事に身近な道具に新たな息吹を吹き込むデザインを、確かな製品として世に送り出すことで、デザイナーの今後の活躍を後押しし、同時にコクヨのパーパスで掲げる「ワクワクする未来のワークとライフ」の創造を目指しています。
4.コクヨデザインアワード2025審査員プロフィール

木住野 彰悟
6D-K代表
アートディレクター・グラフィックデザイナー
1975年東京都立川市出身。2007年にグラフィックデザイン事務所6D設立。企業や商品のビジュアルアイデンティティをメインに、ロゴやパッケージデザイン、空間におけるサインデザインなど幅広く手掛ける。主な受賞にD&AD、カンヌ、One Show、アジアデザイン賞、ADC賞、JAGDA賞、パッケージデザイン賞、サインデザイン賞 他国内外多数受賞。

田根 剛
Atelier Tsuyoshi Tane Architects 代表
建築家
建築家。1979年東京生まれ。ATTA - Atelier Tsuyoshi Tane Architectsを設立、フランス・パリを拠点に活動。場所の記憶から建築をつくる「Archaeology of the Future」をコンセプトに、現在ヨーロッパと日本を中心に世界各地で多数のプロジェクトが進行中。主な作品に『エストニア国立博物館』、『弘前れんが倉庫美術館』、『アルサーニ・コレクション財団・美術館』、『ヴィトラ・ガーデンハウス』、『帝国ホテル 東京・新本館』(2036年完成予定)など。主な受賞に、フランス芸術文化勲章シュヴァリエ、フランス建築アカデミー新人賞、エストニア文化基金賞グランプリ、第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞など多数受賞。著書に『TSUYOSHI TANE Archaeology of the Future』(TOTO 出版)。

田村 奈穂
デザイナー
Parsons School of Designにてコミュニケーションデザインを学んだ後、工業デザインを専門にするSmart Design(米)を経て独立。現在はニューヨークを拠点に、プロダクトからインスタレーション、空間デザインまで幅広く活動中。自然とテクノロジー、感性と機能性、繊細さと力強さ、2つの点のバランスが取れたデザインを探求し、作品はパリPalais De Tokyo美術館からミラノサローネ家具見本市など発表場所は多岐に渡る。国際的なアワードを多数受賞。

柳原 照弘
TERUHIRO YANAGIHARA STUDIO.CO LTD.
クリエイティブディレクター・デザイナー
神戸と仏アルルにスタジオ兼ギャラリースペース「VAGUE」を構え、日本、フランス、オランダ、イギリス、台湾を拠点に国やジャンルの境界を越えたプロジェクトを手がける。インテリアデザイン、プロダクトデザイン、クリエイティブディレクションなど包括的な提案を行う。

吉泉 聡
TAKT PROJECT 代表
デザイナー
デザインを通して「別の可能性をつくる」実験的な自主研究プロジェクトを行い、国内外の美術館や展覧会で発表・招聘展示。その成果をベースにクライアントと多様なプロジェクトを展開している。主な受賞に、Dezeen Awards Emerging Designers of the year 2019(イギリス)、Design Miami/ Basel Swarovski Designers of the Future Award 2017(スイス)、FRAME Awards(オランダ)、iF Design Award Gold(ドイツ)、Red Dot Design Award(ドイツ)、German Design Award(ドイツ)、第25回桑沢賞など。3つの作品が、香港の美術館M+に収蔵されている。23年、21_21 DESIGN SIGHT企画展「Material, or 」の展覧会ディレクターを務める。
【参考】コクヨデザインアワードページおよびSNS
ホームページ / https://www.kokuyo.co.jp/award/
Facebook / https://www.facebook.com/KokuyoDesignAward.japan/
X / @kokuyo_DA ( https://twitter.com/kokuyo_DA )
Instagram / @kokuyo_designaward ( https://www.instagram.com/kokuyo_designaward/ )
LINE / @kokuyo_da
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