ロヒンギャ難民の子どもたち、7.5%が命に関わる重度栄養不良【報道参考資料】
栄養不良率は半年で2倍
子どもの栄養に関するアドバイスを受ける母親。(2017年10月21日撮影) © UNICEF_UN0141020_LeMoyne
バングラデシュ南東部のコックスバザールにあるKutupalong難民キャンプで先週実施された栄養調査によると、ロヒンギャの子どもたちの7.5%が生死にかかわる重度の急性栄養不良で、その割合は今年の5月時点と比べ2倍に増えている、とユニセフ(国連児童基金)は今日発表しました。
「キャンプで暮らしているロヒンギャの子どもたちは、ミャンマーのラカイン州北部での恐ろしい体験と危険な旅を生き抜いてきた子どもたちで、すでに惨事の中で苦しんでいるのです」とユニセフ・バングラデシュ事務所代表エドゥアルド・ベイグベデルは述べました。「特に重度の栄養不良に陥っている子どもたちは今、予防や治療が十分に可能な要因によって、命を落としてしまう危険に晒されています」
ラカイン州北部の子どもたちの間の栄養不良率は、すでに緊急事態を指す基準値を超えていました。こうした子どもたちの状況は、国境を越える長い旅路とキャンプの生活環境によってさらに悪化しました。現在およそ2万6,000人が暮らすKutupalongキャンプは、食料も水も圧倒的に不足し、不衛生な生活環境、下痢や呼吸器系感染症の感染率の高さにも直面しています。はしかの症例も報告されています。
Kutupalong難民キャンプでの栄養調査は、ラカイン州北部で暴力が激化した8月25日以前に到着していた難民と以後に到着した難民と双方合わせて405世帯を対象に、10月22日から28日にかけて実施されました。
11月には、他の場所で2回の追加調査が予定されており、そのうちの1回は仮設居住区で行われる予定です。この3回の調査の結果によって、今後数カ月間に重度の急性栄養不良に陥る子どもの数を推定でき、緊急支援の指針となるでしょう。
ユニセフが支援する治療センターで、子どもの体重を計る様子。(2017年10月21日撮影) © UNICEF_UN0141025_LeMoyne
ベイグベデルは、「この非常に厳しい状況に置かれている子どもたちを治療し保護するために、人道支援機関はさらに多くのことを為さなければなりません。危機に対する関心を高める必要がありますし、さらに多くの活動資金も必要です。子どもたちは、今すぐにも、支援を必要としているのです」と強調しました。
ロヒンギャ危機への対応に国連全体で必要とされる4億3,400万米ドルのうち、現在までに集まった資金は32%に留まっています。
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危機下にあるロヒンギャ難民の子どもたちと家族に、人道支援を届けるユニセフの活動を支えるため、日本ユニセフ協会は『ロヒンギャ難民緊急募金』を受け付けています。
<ロヒンギャ難民 緊急募金>
郵便局(ゆうちょ銀行)募金口座 振替口座:00190-5-31000
口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「ロヒンギャ」と明記願います。 *送金手数料は免除されます。
※インターネットからの募金: http://www.unicef.or.jp/kinkyu/rohingya/
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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