東京都写真美術館「TOPコレクション 明日の食卓」
「食」をテーマに、14名の作家の写真・映像作品を紹介。「食べること」や「共に生きること」について考える展覧会。
公式サイト:https://topmuseum.jp/exhibition/5419/

このたび東京都写真美術館は、「TOPコレクション 明日の食卓」展を開催します。
「TOPコレクション」展は、東京都写真美術館が収蔵する約39,000点の写真・映像作品をさまざまな切り口で紹介する展覧会です。令和8(2026)年度第二期のテーマは「食」。私たちの身体は日々の食事からできており、「食」と「生きること」は切っても切り離せない関係にあります。「食」を手がかりとして作品に目を向けることで、そこには食事にまつわる記憶や人とのつながり、現在私たちが置かれている環境や高齢化、孤食等の社会問題への問いが浮かびあがり、さまざまな気づきが生まれます。
本展は4章構成とし、島尾伸三、野口里佳、潮田登久子、原美樹子、川内倫子、奈良原一高、山田實、竹谷出、宮本隆司、宮崎学、土田ヒロミ、楢橋朝子、岩井優、折元立身の14名の作家の作品を紹介します。
食にまつわる多様な視点から制作された写真・映像表現を紹介し、みなさまと一緒に「食べること」や「共に生きること」について考えるきっかけを探ります。
本展のみどころ
「食」をテーマにした写真・映像の展覧会
第1室「あのとき、あの食卓で」、第2室「食と地域のあいだに」、第3室「環境のなかで」、第4室「明日の食卓」の4つの章で、14名の作家の写真・映像作品を紹介し、家族や自分自身の食卓の記憶、土地や環境の歴史、社会問題、食卓を軸としたコミュニケーションについて考えます。
注目の作品
島尾伸三(1948–)の〈生活 1980–85〉シリーズには、同じく写真家で妻である潮田登久子(1940–)と娘のマホとともに暮らした洋館での家族の日常が収められています。特定の家族の記録でありながら、どこか普遍的な親密さや懐かしさのある作品は、鑑賞者それぞれの記憶を呼び起こします。本展では、夫婦である島尾と潮田の作品を同室に展示し、それぞれが見つめた家族の風景を紹介します。 人間社会の影響を受ける動物たちの生態を浮き彫りにした宮崎学(1949–)の〈イマドキの野生生物〉シリーズや、食事が他者と時間や空間を共有する行為であることを示した折元立身(1946–2025)のパフォーマンス作品〈おばあさんのランチ〉シリーズなどの魅力にも迫ります。

「食」にまつわるトークイベントを開催
展覧会図録には、食に関連した作品を多く手がけてきた、作家・歌人のくどうれいん氏による寄稿を掲載。トークイベントには料理研究家の土井善晴氏をお招きし、食の世界を多角的に考えます。展示室をあとにした道すがら、頭に浮かぶ食べ物や、あなたにとっての食卓の風景とは何でしょうか。お気に入りのお店で食事を楽しんだり、大切な人と一緒に食卓を囲んだり、それぞれの「食」を考え、未来へと続く人間の営みを感じるきっかけとなれば幸いです。
本展の構成
第1室「あのとき、あの食卓で」
日常において、ふと思い出す「食」の風景とはどのようなものでしょうか。一様ではないものの、家族とともに食卓を囲んだ記憶が思い浮かぶことも多いのかもしれません。「食」は記憶としても積み重なりながら、やがて私たちの血肉となって現在の身体をかたちづくっています。
第1室では、家族や自分自身の食卓の記憶をテーマに、島尾伸三、野口里佳、潮田登久子、原美樹子、川内倫子5名の作家の作品を紹介します。


第2室「食と地域のあいだに」
街には、レストランやファストフード店など、食事をするための場所が数多く点在しています。東京都写真美術館があるこの恵比寿の地も、かつてヱビスビールの工場が置かれていた場所であり、飲食と深い関りをもつ土地です。もちろん、食と土地との結びつきは、都市の飲食店にとどまるものではありません。魚をとるために海に船を出したり、豊作豊漁を祈り神社への作物を奉納したりと、人々の暮らしのなかで、食はそれぞれの土地と密接に結びついています。都市で生活する私たちにとって、そうした土地と食との結びつきは、いつのまにか、見えにくくなってきているのかもしれません。
第2室では、奈良原一高、山田實、竹谷出、宮本隆司の作品をとおして、土地と食とのつながりをあらためて見つめ直します。
*竹谷出(1967–)が日本各地を旅して撮りためた〈にほんのかけら〉シリーズを、当館収蔵後初めて展示紹介します。



第3室「環境のなかで」
米の価格高騰や住宅地でのクマ出没など、食や暮らしをめぐる問題がニュースで取り上げられていたことも記憶に新しいのではないでしょうか。これまでニュースのなかのものとして捉えていた食料価格の大幅な変動や野生生物の生活圏の変化が、私たちの生活と決して無関係ではなく、身近なものとして実感される機会も多かったように思われます。また、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故では、食の風評被害が広がるなど、食をめぐる深刻な問題も生じました。時間の経過とともに、復興が進められる一方で、その影響や課題は現在もなお続いています。
第3室では、こうした問題意識を背景に、人間の営みと自然環境との関わりを、宮崎学、土田ヒロミ、楢橋朝子、岩井優の作品をとおして考えます。


第4室「明日の食卓」
第4室では、これからの「食」、すなわち未来の食のあり方について考えます。私たちが生きる現代社会では、高齢化や孤食、一人暮らしの増加など、食を取り巻く環境が大きく変化しています。折元立身はこれまで、自身の母親との暮らしや世界各地の人々とのコミュニケーションを作品へと展開してきました。今回紹介する〈おばあさんのランチ〉シリーズでは、日本・福島県二本松市龍泉寺で地域の高齢者を募り共に食事をとるものや、ポルトガルの世界遺産都市エヴォラの修道院に500人のおばあさんたちを招き、踊り、歌い、食卓を囲むコミュニケーション・アートの様子がおさめられています。誰かと食卓を囲むとはどういうことなのか。折元の作品をとおして、食卓を一緒に囲むことの喜びや他者とのつながりから、「共に生きる」ことの意味をあらためて考えます。

関連事業
ゲストによるトークイベント
登壇者:土井善晴(料理研究家、おいしいもの研究所 代表)、高橋朗(PGIギャラリーディレクター)
日時:8月20日(木)18:30~20:00(手話通訳・文字表示支援付き)
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名(事前申込制、抽選) 参加費:無料
申込期間:7月9日(木)~7月31日(金)当館ウェブサイトよりお申し込みください。
出品作家とゲストによるトークイベント
登壇者:川内倫子(出品作家)、くどうれいん(作家・歌人)
日時:9月13日(日)14:00~15:30(手話通訳・文字表示支援付き)
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名(事前申込制、抽選) 参加費:無料
申込期間:7月21日(火)~8月16日(日)当館ウェブサイトよりお申し込みください。
TOPラボ:コレクションをじっくりあじわう3日間
TOPコレクションをより身近に親しみさらに深く探究する、多様な切り口からのプログラムを実施します。
日時:8月28日(金)、29日(土)、30日(日)
※詳細および参加方法は、後日当館ウェブサイト等にてお知らせします。
担当学芸員によるギャラリートーク
7 月10日(金)14:00~(文字表示支援付き)
8 月14日(金)14:00~(手話通訳付き)
9 月11日(金)14:00~(手話通訳付き)
※当日有効の本展チケット、展覧会無料対象者の方は各種証明書等をお持ちのうえ3階展示室入口にお集まりください。
展覧会図録
『TOPコレクション 明日の食卓』
サイズ:B5判変形 発行日:2026年7月2日 価格:未定 発行:東京都写真美術館
執筆:くどうれいん(作家・歌人)、大﨑千野(東京都写真美術館 学芸員)
開催概要
展覧会名|[日] TOPコレクション 明日の食卓(よみ:あすのしょくたく)
[英] TOP Collection: Tomorrow’s Dining Table
会 期|2026年7月2日(木)~9月21日(月・祝)
主 催|東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館
後 援|J-WAVE 81.3FM
会 場|東京都写真美術館 3階展示室
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
TEL 03-3280-0099 WEB www.topmuseum.jp
開館時間|10:00-18:00(木・金曜日は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで ※8月6日(木)~28日(金)の木・金曜日は夜間特別開館のため21:00まで開館
休館日|毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館、翌平日は休館)
観覧料|一般700円(560円)、学生560円(440円)、高校生・65歳以上350円(280円)
※( )は有料入場者20名以上の団体料金。中学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)、TOPMUSEUM PASSPORT 2026提示者は無料。第3水曜日は65歳以上無料。 ※8月6日(木)~28日(金)の木・金曜日17:00~21:00は夜間特別開館による割引料金(学生・高校生は無料、一般・65歳以上は団体料金。学生証・年齢が確認できるものをご提示ください。)
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