【初公開】作家・大崎善生の“絶筆”となったのは、癌闘病の日々を飄々とユーモラスに描いた未発表小説。
2024年8月3日に世を去った『聖の青春』『パイロットフィッシュ』の著者・大崎善生。がん闘病のさなか病床で綴られた最期の小説原稿が、妻・高橋和氏の許諾のもと全貌を現します。
株式会社文藝春秋が運営する「WEB別冊文藝春秋(https://bessatsu-bunshun.com/)」は、作家・大崎善生(おおさき・よしお)の絶筆となる未発表小説原稿「渚にて」を、大崎さんの命日である8月3日より全文を順次公開、あわせて、妻で女流棋士の高橋和(たかはし・やまと)さんが所蔵する、生前の貴重な未公開写真、最期の肉声も同時に公開いたします。
遺稿は、原稿用紙にして100枚程度にも及びます。大崎さんは手術後に「もう書きたいことはない」と小説は書かない意向を示していましたが、ひそかに創作を再開していました。原稿は大崎さんの死後、遺品の整理を進める中でパソコンに保存されていたデータが発見されたものです。
■死を目前にしても失われなかった、作家の情熱とユーモア
数々の名作を世に送り出した作家の絶筆となったのは、自らの癌闘病の日々を飄々と、そしてユーモラスに描いた私小説作品でした。
病床で死を覚悟しながらも、最期まで「小説を書き続けよう」とした軌跡と、作家・大崎善生の「最期の日々」の息遣いが克明に刻み込まれています。
本稿の一部はこれまで、高橋和氏のインタビューとともに一部紹介されていましたが、この度、高橋氏の許可を得て【遺稿の全文】を初めて公開する運びとなりました。

掲載媒体: WEB別冊文藝春秋
URL: https://bessatsu-bunshun.com/n/naf84d3f87d58
公開日: 2026年8月3日から順次公開
■ 妻・高橋和さんからのコメント
病と向き合う厳しい日々の中でも、原稿に向かう夫の姿には常にユーモアと執筆への執着がありました。最期まで『作家』であり続けた彼の息遣いが、この遺稿には残されています。命日という節目の日に、こうして全文を皆様にお届けできることを嬉しく思うとともに、大崎善生という一人の人間が遺した最期の物語を、どうか温かく受け取っていただければ幸いです。
■ 著者プロフィール
大崎善生(おおさき・よしお)
1957年札幌市生まれ。早稲田大学卒業後、日本将棋連盟に就職。「将棋世界」編集長時代の2000年に、早逝した天才棋士・村山聖を描いたノンフィクション『聖の青春』でデビューし、第13回新潮学芸賞を受賞。翌2001年『将棋の子』で第23回講談社ノンフィクション賞を受賞。初小説『パイロットフィッシュ』で第23回吉川英治文学新人賞を受賞。人間味あふれる温かなまなざしと透明感のある文体で、多くの読者に愛された。2024年8月3日、下咽頭癌のため逝去。
■WEB別冊文藝春秋について
1946年の創刊以来、谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫といった日本の文学の歴史を担う作家の原稿を掲載。その後も数々の話題作の発表の場となる。2015年には電子版となり、2022年にはWEB別冊文藝春秋を開設。2025年からは完全にWEB媒体に移行した。
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