ヤマザキマリ&とり・みきが古代ローマを描く『プリニウス』最終巻が本日発売!!
古代ローマの巨人・大プリニウスを描いた歴史マンガの傑作『プリニウス』が堂々完結! その最終巻がついに発売されます。
【プリニウスとは?】
本名は、ガイウス・プリニウス・セクンドゥス。古代ローマを生きた、史上もっとも有名な博物学者。ローマ艦隊の司令長官も務める。自然、動植物、文明などの森羅万象を網羅した『博物誌』を書き遺した。同書は、ヨーロッパで「古典中の古典」として知られ、後世の知識人たちにさまざまな影響を与えた。
マンガ『プリニウス』は、その博物学者を主人公にした物語。『博物誌』執筆のために、書記のエウクレスや護衛のフェリクスらと共に、ローマ帝国や地中海周辺、アフリカを旅するプリニウス。古代ローマ時代の風景や風俗、人々の生活ぶりなどを活写、ローマのコロッセオ、アレクサンドリアの巨大図書館、クレタ島の迷宮など、現在の「世界遺産」も続々と登場します。一方、当時の皇帝だったネロも超重要人物として登場。「悪徳皇帝」という世評に対して、新たなネロ像を打ち立てています。史実をもとにしながら、自由な想像力と圧倒的な画力で魅惑の古代ローマ世界を描く、歴史伝奇ロマンの決定版です。
皇帝ネロの非業の死により混迷を極めたローマ帝国も、ウェスパシアヌス帝によって、ようやく安定がもたらされる。畢生の大作にして世界史的名著『博物誌』の完成を急ぐプリニウスは、ローマ艦隊の司令官に命ぜられ、「運命の地」へ。そして迎えたA.D.79年。ついにウェスウィウス火山が噴火、火砕流がポンペイの街を襲う。はたしてプリニウス一行の運命は――。連載スタートから10年、世界も注目の歴史伝奇ロマン、ド迫力の最終巻!
著者から寄せられたコメント
【ヤマザキマリ】
大プリニウスを漫画に描いてみよう、と思い立った当初はまさかこれだけ長い連載になるとは想像もしていませんでした。プリニウスにしてもネロにしても、その人間像は描けば描くほど自分の想像とは違う性質を帯びていき、彼らの意表を突かれるような言動や発想についていけなくなることもありました。ですが、この10年の連載を経て彼らは私にとってのかけがえのない同志となりました。連載が終わり、私も2000年前から現世に戻ってきたような気持ちです。読者の皆様、これまでありがとうございました。
【とり・みき】
描き始める前に固く決意したのは「効果を考えての省略は別として、入れられる背景は全部描きこむ」ということでした。『博物誌』を著した人間を描くなら、そのマンガも『博物誌』のようにあらねばならないと考えたのです。実作業はもちろん、調べることも多く常に時間との戦いでしたが、描き終えたいまは現在の自分が出来ることはすべてやりきった、という想いです。この題材に声をかけてくれたヤマザキさんに感謝します。彼女のような希有の才能と長く一緒に仕事できた、そのことが私のいちばんの喜びです。
著者紹介
ヤマザキマリ
漫画家・文筆家・画家。東京造形大学客員教授。1967年東京生まれ。84年にイタリアに渡り、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。比較文学研究者のイタリア人との結婚を機にエジプト、シリア、ポルトガル、アメリカなどの国々に暮らす。2010年『テルマエ・ロマエ』で第3回マンガ大賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。2015 年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2017年イタリア共和国星勲章コメンダトーレ綬章。著書に『スティーブ・ジョブス』(ワルター・アイザックソン原作)『オリンピア・キュクロス』『国境のない生き方』『ヴィオラ母さん』『ムスコ物語』『歩きながら考える』『人類三千年の幸福論 ニコル・クーリッジ・ルマニエールとの対話』など。
とり・みき
マンガ家。1958年2月23日熊本県生まれ。79年「少年チャンピオン新人まんが賞」応募作の『ぼくの宇宙人』が佳作第一席に入りデビュー。以後ギャグマンガをメインにしながら、エッセイコミックやシリアスなSF・ホラー物も手がける。94年『DAI-HONYA』98年『SF大将』で星雲賞、95年『遠くへいきたい』で文藝春秋漫画賞を受賞。主な作品に『クルクルくりん』『愛のさかあがり』『石神伝説』『冷食捜査官』『メカ豆腐の復讐』などがある。マンガ以外に『とり・みきの映画吹替王』『街角のオジギビト』などの研究書も。劇場版アニメ『WXIII機動警察パトレイバー』では脚本も担当。
【タイトル】プリニウス 12
【著者名】ヤマザキマリ、とり・みき
【発売日】2023年7月7日
【造本】コミックス
【定価】814円(税込)
【ISBN】978-4-10-772620-9
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