鉄道ネットワークを活用した荷物輸送サービス「はこビュン」を事業化し様々な社会課題解決に貢献します~新幹線荷物専用車両による高速・大口輸送を実現します~

○JR東日本グループは、新幹線での高速・多量荷物輸送をはじめ、鉄道ネットワークを活用した新たな輸送網を構築し、Suica経済圏における利便性を更に高められるようサービスを拡充し、取り組みを通して、「物流業界の人手不足問題」や「CO2排出量削減」 「地方創生」等、社会的課題を解決するため、様々なトライアルを重ねてきました。
○これまでの全ての新幹線において展開してきた駅間での小口輸送を着実に拡大させるとともに、在来線を含めた各方面への更なるネットワークの強化、受付・予約のシステム化によるタイムリーなサービス提供、そして高速・多量荷物輸送の事業化により、JR東日本グループ全体で年間100億円規模の収益獲得を目指します。
○2025年4月18日から新青森・東京間で客室を使用した車両貸輸送を開始することに加え、E3系新幹線1編成の全号車を荷物輸送専用車両として改造に着手し、2025年秋には車両基地を活用した盛岡・東京間での輸送を開始します。新たな物流ネットワークの構築により、JR東日本グループだからこそ展開できる新たなライフスタイルを提供します。
1.概要
鉄道ネットワークを活用した荷物輸送サービス「はこビュン」は、JR東日本が運行する新幹線や在来線特急等と、荷物の積み下ろしや車内での管理などをJR東日本グループ企業が一体となり、グループで培ってきた列車輸送のノウハウを生かしてお客さまからお預かりした小口から大口のお荷物まで、高度な品質で輸送しています。また、事前予約不要で、荷物1個から、列車出発の30分前まで申し込み可能な 「はこビュンQuick」サービスを実施しています。
今回、営業列車の客室や荷物輸送専用車両を活用した大口荷物の定期輸送サービスを開始し、順次ネットワークの拡大等により、さらに荷物輸送ニーズにあった新たな物流サービスを提供し、社会課題解決に貢献していきます。
(1)輸送対象
北海道・東北・秋田・山形・上越・北陸の各新幹線、在来線特急及び在来線
(2)輸送単位
1箱単位の小口から大口輸送まで ※今回、東北新幹線の100箱単位事業化に着手
(3)輸送料金(基本)
1.はこビュン
法人向け輸送(事前に契約締結が必要) ※今回、大口・車両貸の事業化に着手

※ご契約先は㈱ジェイアール東日本物流(以下、JR東日本物流)です ※料金は税込み表示です ※1箱は3辺合計120㎝程度を想定
※ファーストマイル・ラストマイル分は含みません ※上記料金を基本とし、荷量や頻度、輸送区間などに応じて変動します
※大口・車両貸はE5系新幹線1号車を利用の場合 ※大口・車両貸は2025年4月18日からの大口定期運行サービスの想定料金です
2.はこビュンQuick
法人・個人向け輸送(事前予約不要。直接駅カウンター持ち込み)

※ご契約先はJR東日本物流です ※料金は税込み表示です。
(4)予約・受付方法など
これまでの商談や電話・メール等による輸送列車の予約・受付から、今後、法人向けは2025年4月より、個人向けは2025年度内にJRE MALLの予約システムを活用することにより利便性を高め、事業運営主体であるJR東日本物流をオペレーションの軸として、予約受付から荷物の積み下ろし、他の物流企業等とのファースト・ラストワンマイルまでトータルコーディネートします。

(5)輸送実績
これまで鮮魚や農産品等の地産品、精密機械部品や医療用品など多数輸送しています。

(6)社会的課題解決への貢献
直面する「物流業界の人手不足問題」や「CO2排出量削減」、「地方創生」等、社会的課題を解決していきます。

※営業用貨物車と鉄道貨物との比較
※国土交通省「自動車輸送統計年報」「運輸部門における二酸化炭素排出量」、環境省「令和4年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」、野村総合研究所「持続可能な物流構築に向けた新幹線活用の可能性」より数値等引用し、当社にて試算
2.輸送サービス・ネットワークの拡大展開
これまで、主に始発終着駅間かつ列車限定での輸送を行っていましたが、今後、途中駅での取り扱いも含め新幹線全列車に対象を拡大し、大口輸送に関しては東北エリアから首都圏へ土休日を除く毎日輸送を行います。また秋田・山形・上越新幹線など各方面、そして特急電車等を含め「はこビュン」ネットワークを拡大し、輸送サービスを展開します。
(1)新幹線荷物輸送の大口定期運行サービス (東北新幹線 新青森駅・東京駅間 2025年春開始)
2024年度の多量輸送事業化検証結果等を踏まえ、現行の数箱から10箱単位の輸送サービスから、より多量かつ定期的な輸送サービスを開始します。将来的に、上越新幹線ほか対象線区・区間の拡大を図ります。
運行日:毎週金曜日の定期運行を開始 (4月18日(金)~)
※輸送日の7営業日前まで申し込みいただけます
※金曜日以外の輸送にも今後柔軟に対応
輸送列車:東北新幹線 臨時列車 はやぶさ50号(E5系10両編成)
輸送区間:新青森駅8:29発 → 東京駅11:44着
輸送形態:荷物輸送:1~2号車、旅客発売:3~10号車
(普通車指定席:3~8号車、グリーン車:9号車、グランクラス:10号車、TRAIN DESK設定あり)
荷量:最大200箱程度
<輸送イメージ>

(2)定期運行化に向けた車両改造等(東北新幹線 盛岡・東京間 2025年秋開始予定)
E3 系新幹線1編成の全号車を荷物輸送専用車両として改造(床面フラット化)します。2025年秋の東北新幹線盛岡・東京間上り列車での平日定期運行を皮切りに、車両基地を活用※した100 箱単位、最大で1,000箱程度のさらなる大口輸送を定期化します。
※関係当局と調整中です。
※運転日は、臨時列車運転や車両定期点検等により変更の場合があります。
※荷量は荷姿・サイズにより変動します
※運行時はE5系「やまびこ」と連結する予定です。正午前に盛岡新幹線車両センターを発車、午後に東京新幹線車両センターに到着するダイヤを検討中です。

《E3系新幹線改造車両のイメージ》

《はこビュンネットワークとこれまでのトライアル実績など》


3. 目指す姿と新たなライフスタイル
新たな物流サービスの構築により、はこビュンネットワークにおいて「その日のうちにすぐ運んでほしい」という迅速性・速達ニーズに応えていきます。さらに、航空機との連携により海外にもサービスを拡大していきます。
これにより、
(1)農水産業や工業の生産地と東京などの消費地を結びつけることによる地方の産業振興
(2)(1)を通じた地域の魅力発信による観光流動の創出
(3)血液製剤や医療用検体などの医療品の確保や機械部品調達のサプライチェーンのDX化の課題への対応などの取り組みを通して、地方創生やドライバー不足、環境負荷軽減などの社会的課題にも対応していきます。
<日本郵政グループ等との協業>
2024年2月に当社グループと日本郵政グループとの間で「社会課題の解決に向けた連協強化」に関する協定を締結しております。その中で、持続可能な物流の実現を掲げ、両社で「物流のリ・デザイン」の実現に向けて検討を進めております。サスティナブルな物流ネットワーク確立に向け、引き続き日本郵政グループとも連携の深度化を図って参ります。

<ネットワークの拡大による新たなライフスタイル(イメージ)>

※本プレスリリース内の画像・イラストはすべてイメージです
参考
新たな物流による新たなライフスタイルサービス展開事例

参考
<他企業と連携した新たな物流への取り組み>
JR東日本物流をオペレーションの軸としながら、他の物流企業等と連携した新たな物流の検討を行っています。
【これまで連携した企業等】

<様々な品目の輸送>
地方の特産物(農産品・漁業品 等)から精密機械部品や引越し家財、医療用品等の緊急配送に至るまで幅広く、かつ少量からより多くの荷物まで様々な品目について、迅速に輸送するニーズにお応えしてきました。
【これまで輸送した商品、連携した企業等】


<「はこビュン」について>
速達性・定時性に優れ、環境にも優しいという鉄道の強みを活かし、JR東日本グループが展開している荷物の輸送サービスです。
鉄道によって地域とモノをつなぐことで、地域の魅力発信を行い、人々の豊かなくらしづくりや社会課題の解決に向けて取り組んでいます。
今後の新たなサービス等の詳細については、別途お知らせいたします。
「はこビュン」の具体的なサービス、お申込み方法については株式会社ジェイアール東日本物流のホームページをご参照ください。
https://www.jrbutsuryu.jregroup.ne.jp/business/shinkansen.html
(参考)第1回多量輸送トライアル 2023年5月17日 ニュースリリース
https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230517_ho01.pdf
(参考)第2回多量輸送トライアル 2023年8月9日 ニュースリリース
https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230809_ho01.pdf
(参考)第3回多量輸送トライアル 2023年9月21日 ニュースリリース
https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230921_ho02.pdf
(参考)第4回多量輸送トライアル 2024年2月29日 ニュースリリース
https://www.jreast.co.jp/press/2023/20240229_ho02.pdf
(参考)高速・多量輸送の事業化検証 2024年7月8日 ニュースリリース

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