「豊かな地球環境」の実現に向けた取り組み ~サーキュラーエコノミー・カーボンニュートラル・ネイチャーポジティブの取り組み~

○JR東日本グループは、「豊かな地球環境」の実現が経営方針・戦略に影響を与えるマテリアリティであると認識し、脱炭素社会、資源循環社会および生物多様性の実現に向けた取り組みを進めています。
○今回新たに廃棄物の分別を推進し資源化する「リサイクルステーション」の拡大や、食品廃棄物を「電力」と「農業」でリサイクルする『ダブルリサイクルループ』のさらなる推進に取り組むほか、従来から取り組んできた再生可能エネルギー開発における風力発電所の運転開始や太陽光発電所の取得、植樹により自然の力で森を再生させる活動「ふるさとの森づくり」を新しい開催地となる岩手県一関市で実施します。
○引き続きこれらの取り組みを継続するとともに新たな活動にもチャレンジし、サステナブルな社会の実現と企業価値向上を実現します。
1.サーキュラーエコノミーの取り組み
2024年7月に資源循環事業コンセプト『UPCYCLING CIRCULAR』を策定しています。JR東日本グループの事業活動から生じる廃棄物を集約し、これを新技術・外部連携を活用しながら再資源化し、グループ内にて利活用することで、持続可能なサーキュラーエコノミーを推進していきます。
(1)「リサイクルステーション」の設置拡大
廃棄物の分別を推進し資源化することを目的とし、従来の駅ゴミ箱より分別を細分化した「リサイクルステーション」を、東京・大崎・恵比寿・池袋・川崎の5駅に設置し、グループ会社である株式会社JR東日本環境アクセスと有効性を検証してきました。分別率の向上など有効性が認められたため、2025年4月に本格稼働する株式会社J サーキュラーシステム (川崎スーパーソーティングセンター)での使用済みプラスチックのリサイクルをはじめとしたグループ内の資源循環の取り組みを推進するために、3月中旬設置予定の横浜駅(中央北改札コンコース内)を皮切りに、お客さまのご利用の多い首都圏駅や駅構内店舗のご利用状況等を踏まえて、約80駅に2025年度以降順次設置を進めることとし、2025年度は約30駅の設置を目指します。
また、地方においては、当社グループの『UPCYCLING CIRCULAR』の仕組みが整い次第、新幹線停車駅や主要駅において「リサイクルステーション」を設置することを目指します。

(2) 『ダブルリサイクルループ』の取り組み
JR東日本グループは、食品廃棄物を「電力」と「農業」でリサイクルする『ダブルリサイクルループ』の取り組みを推進しています。2024年からは株式会社Jバイオフードリサイクル(神奈川県横浜市鶴見区)(以下、「Jバイオ」)および株式会社東北バイオフードリサイクル(宮城県仙台市宮城野区)(以下、「東北バイオ」)で食品廃棄物由来の環境にやさしい電力を、株式会社JR東日本商事が排出元の駅ビルやエキナカ等へ供給し、それを利用することでCO₂排出量削減に貢献する「電力リサイクルループ」と、Jバイオおよび東北バイオで生産された肥料で育成した農作物の販売やJR東日本グループのさまざまな排出元で利用する「農業リサイクルループ」の取り組みの拡大を目指しています。
株式会社JR東日本クロスステーション(以下、「JR-Cross」)では、2024年12月から運営する施設にて、Jバイオで生み出された電力の利用を開始し、また、2024年10月~12月には、Jバイオで生産した肥料で育成した野菜を、東京駅(地下1階グランスタ東京)において、販売とレストランでの料理提供を行うことにより、『ダブルリサイクルループ』を実現しました。これによりJR-Crossは、2024年度(2024年4月~2025年1月)Jバイオにて約2,300tの食品廃棄物を再生利用することで、一般家庭約270 世帯分の年間電力消費量※1に相当する約1,100MWhの電力を創出し、約450トンのCO₂を削減しました。
※1一般家庭1世帯あたりの年間電力消費量を3,950kWh(環境省 令和4年度家庭部門のCO2排出実態統計調査結果について(確報値))として算定。

2.カーボンニュートラルの取り組み
(1)再生可能エネルギーの開発推進
JR 東日本グループでは、再生可能エネルギーの開発をグループ会社であるJR 東日本エネルギー開発株式会社とともに推進し、2023年度末までに累計15.3万kWの再エネ電源を開発しています。今回、2017年から開発を進めてきた「かわうち鬼太郎山(おにたろうやま)風力発電所(福島県双葉郡川内村)」が、2025年2月1日より営業運転を開始しました。本発電所は、1基あたりの出力約4,300kWの風力発電機10基を設置し、一般家庭約23,000 世帯分の年間電力消費量に相当する約93,400MWh/年の発電を行い、年間約38,000トンのCO2削減効果を見込んでいます。
2025年度は、「神楽山(かぐらさん)風力発電所(福島県いわき市川前町 定格出力4,300kW×16基)」の営業運転開始を予定しています。

(2)セカンダリー太陽光発電所※2の取得
当社グループの再エネ電源の積み上げとして、セカンダリー太陽光(池田太陽光発電所 栃木県那須郡 発電容量26,000kW)を2024年9月に取得しました。 グループによる再エネ開発の他、セカンダリー太陽光発電所の取得など、多様な再エネ電源の確保も同時に進め、ゼロカーボン・チャレンジ2050の達成を目指していきます。
※2既存の太陽光発電所

3.ネイチャーポジティブの取り組み
JR東日本グループは、生物多様性を保全し、持続可能な社会へ貢献するため、その土地本来の主役となる樹種について植樹を行い、自然の力で森を再生させる活動「ふるさとの森づくり」を実施しています。
2004年から継続して実施しており、これまでに4県7市町村、参加人数約1万3千人、植樹面積約18.8ha、約18万本の苗木をJR東日本グループ社員及び家族、地域のみなさまと一緒に植樹し、これまでの植樹により年間約430トンのCO2を吸収する樹木を創出しています。2025年度は、新しい開催地となる岩手県一関市で実施する予定です。
今後も「ふるさとの森づくり」をはじめとした生物多様性保全の取り組みを継続することで、自然環境の保全と地域社会の発展に、地域のみなさまと連携しながら取り組んでまいります。

参考
『UPCYCLING CIRCULAR』が目指す姿
JR 東日本グループから発生する廃棄物を、グループ会社などと連携し、回収、収集・運搬、リサイクル、再資源化します。また、JR 東日本グループ内での利活用などにより、持続可能なサーキュラーエコノミーを推進します。

食品廃棄物を「電力」と「農業」でリサイクルすることにより実現する『ダブルリサイクルループ』
JR東日本グループでは、事業活動で排出される食品廃棄物を「電力」と「農業」でリサイクルする『ダブルリサイクルループ』の取り組みを拡大していきます。

(JR東日本グループが目指すサーキュラーエコノミーについて:https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240704_ho03.pdf)
参考
JR東日本グループ「ゼロカーボン・チャレンジ2050」について
JR東日本は、グループ経営ビジョン「変革2027」において、「ESG経営の実践」を経営の柱として掲げ、2050年度の鉄道事業におけるCO2排出量「実質ゼロ」を目指す環境目標「ゼロカーボン・チャレンジ2050」を2020年5月に公表しました。 2020年10月には、さらに「ゼロカーボン・チャレンジ2050」をJR東日本グループ全体の目標とし、グループ一体となって2050年度のCO2排出量「実質ゼロ」に挑戦することを公表しました。
〇 2050年度CO2排出量削減目標

〇 エネルギーネットワーク(イメージ)

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