高速かつ低コストのポイント・オブ・ケア検査機器の開発でAlifaxと協力

STマイクロエレクトロニクス

・診断検査機器メーカーのAlifaxが、パンデミックを引き起こした遺伝物質やその他のウイルス性(および細菌性)病原体の検出に特化した生体試料および試薬を開発
・STの使い捨てカートリッジ方式のリアルタイムPCR分子診断技術を応用して遺伝物質を検出

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)と、臨床診断検査機器メーカーのAlifax S.r.lは、検体の遺伝物質(RNAおよびDNA(1))を高い信頼性で増幅するリアルタイム・ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用したポイント・オブ・ケア(臨床現場即時)分子診断技術で協力し、高速かつ低コストの携帯型検査機器「Molecular Mouse」をAlifaxから提供することを発表しました。 

Alifaxは、STが開発したライセンス取得済み技術を活用し、小型のポイント・オブ・ケア検査機器「Molecular Mouse」を製造しています。Molecular Mouseには、STM32マイクロコントローラ、センサ、アンプなど、さまざまなST製品が内蔵されています。Molecular MouseをPCに接続することで、小型の使い捨てカートリッジ上での複数の検体制御、およびPC上でのAlifax製の医療用試薬(2)を使用した検査管理が可能です。この小型カートリッジは、微小電気機械システム(MEMS)の半導体製造プロセスを使用してSTが製造しています。検査結果は1時間以内で得ることができます。

STのチーフ・イノベーション・オフィサーであるAlessandro Cremonesiは、次のようにコメントしています。「現在の世界的な感染拡大から、速やかに遠隔診断を行い、必要に応じて患者を隔離できる高速かつ低コストのポイント・オブ・ケア検査がきわめて重要だということがわかりました。半導体をベースにした革新的な診断ソリューションが私たちの生活に有益であるという確信のもと、STはリアルタイムPCRプラットフォームに投資してきました。」

STのアナログ・MEMS・センサ製品グループ 社長であるBenedetto Vignaは、次のようにコメントしています。「STは、半導体製造プロセス技術とマイクロ流体デバイスにおける長年の経験を活かして、迅速にカスタマイズできる高い柔軟性を備えたカートリッジおよび計測器プラットフォームを開発し、高速かつ高精度の臨床現場即時検査を実現しました。Alifax社は、このプラットフォームを使用して、現在のパンデミックと今後の診断ニーズに迅速に対応しています。」

STは、信頼性に優れた半導体製造プロセスを有効かつ効率的に拡張させる技術と、マイクロ流体デバイスの専門性を25年以上にわたり実証してきました。さらに、約10年にわたるMEMSベースのリアルタイムPCR技術の開発を経て今回の製品化が実現しました。Alifaxは、Molecular Mouseを使用して現在の世界的な感染拡大に迅速に対処しています。

Alifaxの社長であるPaolo Galianoは、次のようにコメントしています。「Alifaxは、研究に対する情熱と卓越したイノベーションを軸に、血液学と細菌学に基づく診断技術を培ってきました。STと緊密に協力し、同社のマイクロ流体デバイスなどの基本技術をMolecular Mouseや当社の病原体別の検査キットに組み合わせることで、COVID-19検査をはじめとする病原体の迅速な診断や感染者の隔離、そして最終的には感染拡大の阻止に貢献できるようになりました。」

CE-IVD(3)の認証取得済みのMolecular Mouse、使い捨ての検査カートリッジ、検査キットは、Alifaxから入手可能です。

また、ビデオもご覧いただけます。
https://www.alifax.com/products/nuova-category-page/show/molecular-mouse

技術情報
AlifaxのMolecular Mouseは、スマートフォンより小さなサイズ(4)で、小型の(5)使い捨てカートリッジを使用してリアルタイム定量ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を実施することができます。このカートリッジは、STの半導体量産製造プロセス技術を使用して製造されます。

それぞれのカートリッジには6つの反応チャンバが形成されており(AlifaxはCOVID-19の検査で検体当たり2つのチャンバを使用)、各チャンバで試薬と検体を正確に加熱 / 冷却することで、検査対象の遺伝物質を増幅させることが可能です。

同時に、Alifaxが開発したCOVID-19検出用の蛍光タグを含む専用試薬を使用して、複数の波長を持つ蛍光強度に基づき、チャンバごとにCOVID-19の遺伝物質の存在を判別します。

(1)リボ核酸(RNA)とデオキシリボ核酸(DNA)は、すべての生命を決定づける2種類の主要な遺伝物質です。DNAは生命の設計図であり、すべての細胞の活動に関する遺伝情報を伝達します。RNAは、この遺伝情報を命令に変換して、身体の組織や器官の構造、機能、動作などに対応したタンパク質を合成させます。特定のRNAとDNAの「遺伝情報」を同定・識別することで、特定の病原体を検出することができます。

(2)Alifaxは、COVID-19の感染拡大の初期に、敗血症用検査パネル4~5種類と、ジカ・ウイルス、デング・ウイルス、チクングニア・ウイルス検出用の検査キットを開発していました。同社はこれらの開発リソースを再配置して、COVID-19用の検査キットを迅速に開発しました。敗血症、ジカ・ウイルス、デング・ウイルス、チクングニア・ウイルスの検査キットも今後提供される予定です。

(3)体外診断用医療機器指令(98/79/EC)

(4)Molecular Mouseは、重量がわずか300g(約0.66lbs.)、サイズが14 x 7cm、高さ8.5cmです。 

(5)顕微鏡用スライドより小さい カートリッジ(46.9 x 21.9 x 8.2mm)

STマイクロエレクトロニクスについて
STは、約46,000名の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な独立系総合半導体メーカーです。約10万社のお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、IoT・5G通信の普及を可能にします。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト( http://www.st.com )をご覧ください。

Alifaxについて
Alifaxは、血液学、微生物学、血清学、自己免疫学の分野に特化した検査診断市場における経験を活かし、1988年にパオロ・ガリャーノによってパドヴァ(イタリア)に設立されました。さらに詳しい情報は、Alifaxのウェブサイト( www.alifax.com )をご覧ください。

◆ STへのお問い合わせ先
お客様お問い合わせ先
〒108-6017 東京都港区港南2-15-1
品川インターシティA棟
STマイクロエレクトロニクス(株)
アナログ・MEMS・センサ製品グループ
TEL : 03-5783-8250  FAX : 03-5783-8216

◆ Alifaxへのお問い合わせ先
Email: molecularmouse@alifax.com
 

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会社概要

STマイクロエレクトロニクス

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URL
http://www.st.com/jp
業種
製造業
本社所在地
東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟
電話番号
03-5783-8220
代表者名
マルコ・カッシス
上場
未上場
資本金
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設立
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