コンゴ民主共和国・東部で、民族間の暴力と衝突激化~130万人が避難、うち子ども80万人【プレスリリース】
食糧不足と子どもの栄養不良が懸念
【2018年1月26日 キンシャサ(コンゴ民主共和国)/ニューヨーク 発】
コンゴ民主共和国東部のタンガニーカ州および南キブ州で発生した政府軍、民兵組織および武装グループによる民族間の暴力と衝突の影響で、80万人の子どもを含む少なくとも130万の人々が避難を余儀なくされたと、ユニセフ(国連児童基金)は本日発表しました。コンゴ民主共和国は、今では世界最大の子どもの難民・避難民危機が発生している国です。
「コンゴ民主共和国東部に暮らす子どもたちは、地域情勢を不安定にする暴力の波により破壊的な影響を受け続けています」とユニセフ・コンゴ民主共和国事務所代表代理のタジュディーン・オイウェイルは述べました。「地域の何十万もの子どもたちは、保健サービスや教育を受けられなくなり、多くの子どもたちが戦闘員による残虐行為の影響を受けています。子どもたちにとっては、終わりの見えない残酷な状況にほかなりません」
コンゴ民主共和国東部に暮らす子どもたちは、性的虐待を受け、戦闘に徴用されることもあります。ユニセフとパートナー団体は、800件以上の性的虐待を確認していますが、子どもたちが実際受けた性的暴力の数はこれよりはるかに多いと思われます。最近のユニセフのデータによれば、昨年1年間に、民兵組織や武装グループに徴用・徴兵された子どもの数は3,000人以上にのぼります。
ユニセフは、戦闘が子どもたちの健康や栄養状態におよぼす影響について、深く懸念しています。多くの保健センターは機能しておらず、また暴力の影響で多くの農民は農作業が出来なくなり、食糧不安の危険が高まっています。食糧不足のために、何千人もの子どもたちが栄養不良に苦しむ可能性が極めて高いのです。
こうしたことが、南キブ州およびタンガニーカ州での病気の拡大に加えて降りかかってくるのです。2017年、両州では、コレラが疑われる症例が1万8,250件と2016年の2倍に、またはしかが疑われる症例が1万8,000件報告されています。
タンガニーカ州および南キブ州への緊急対応プログラムの一環として、ユニセフは、避難民に対して分野横断型の支援を実施しています。支援活動には以下が含まれます。
- 子どもたちに対するはしかの予防接種
- コレラの予防と治療
- 栄養不良の子どもたちへの治療
- 学用品の配布および教員に対する平和教育の研修
- 負傷したりおとなの同伴者のいない子どもたちを含め、暴力の影響を受けた子どもたちの保護、治療、および心理社会的ケア
ユニセフは引き続き、すべての紛争当事者に対して、緊急に支援を必要としている人たちに人道支援を届けるためのアクセスを確約するよう求めていきます。
タンガニーカ州と南キブ州の危機の影響を受ける子どもたちを支援するために、ユニセフは今後6カ月間の活動資金として6,500万米ドルを要請しています。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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