横浜・三溪園で花笑む初夏の花展示
鉢の上の小世界と広大な日本庭園の対比を愉しむ
■さくらそう展
桜に似た花の形から名づけられた桜草は、江戸時代の園芸ブーム以来、現代もなお愛されている日本の古典園芸植物のひとつです。野生の桜草を江戸時代の庭師たちが栽培したことに端を発し、その後も園芸家たちがたくさんの桜草をつくりだしてきました。品種ごとに付けられた優雅な名前も魅力の一つで、2017年に出品された「衣通姫(そとおりひめ)」は、肌の美しさが衣を通して光り輝いたと「古事記」や「日本書紀」に記されている女性の名が付けられています。このように、花の色や形だけでなく、その名にも目を向けると、桜草の奥深い世界を感じることができます。
本展示では、小ぶりで愛らしい植物ながらも個性ある桜草を約150鉢展示します。江戸時代からそのままの色や形をとどめたものや、近年の改良によりあらたに生み出されたものなど、バリエーションの豊かさは見ごたえ十分です。
期間 4/19(水)~4/23(日)
時間 9:00~16:00(最終日は15:30迄)
場所 外苑 中央広場
料金 無料(入園料別途)
内容 約150鉢のさくらそう鉢植え展示
共催 横浜さくらそう会
■さつき盆栽展
日本で最も多く植えられている庭木で、ツツジとも混同しやすい皐月。剪定や移植に強く扱いやすい性質をもつことから園芸用として人気が高まり、江戸時代にツツジと区別されるようになりました。大きく華やかな花を咲かせ成長の早い皐月は、盆栽のなかでもとりわけ人気が高く、品種ごとに異なる花の色や模様、形だけでなく、樹形や風格、鉢の組み合わせなど、その見どころは様々です。
期間中は、赤・白・ピンクなど色とりどりの皐月盆栽の展示に加え、手入れ方法の相談、盆栽商品の販売、2日間限定の苗木の無料配布もおこないます。
期間 5/21(日)~6/4(日)
時間 9:00~16:30(最終日は16:00迄)
場所 外苑 中央広場
料金 無料(入園料別途)
内容 約45点のさつき盆栽展示、盆栽技術の相談、各種盆栽の販売
5/21(日)、28(日) 10:00~さつき苗木の無料配布(先着50名様)
共催 横浜三溪園皐月会
■花しょうぶ展
繊細でやさしい色合いをもつ花菖蒲は、江戸時代を中心に数多くの品種が育成され、現在は5,000種あるといわれています。園内にある花菖蒲は、昭和34年に明治神宮から株分けされた苗を育てたもので、園のシンボル「旧燈明寺三重塔」や原家の旧宅「鶴翔閣」を背景に咲くその姿は、初夏を代表する景色として親しまれています。
期間中は、昭和5年から花菖蒲の普及活動をおこない、現在では品種検証も担う権威ある団体「日本花菖蒲協会」が育てた選りすぐりの花菖蒲を毎朝厳選して展示します。また、手入れ方法や疾病対策など栽培に関して、同スタッフに相談いただくことも可能です。
期間 6/9(金)~6/11(日)
時間 10:00~16:00
場所 外苑 中央広場
料金 無料(入園料別途)
内容 約130鉢の花菖蒲鉢植え展示・販売(無くなり次第終了)
共催 日本花菖蒲協会
■新緑の自然観察会
昔のままの自然が豊かに残されている三溪園には、四季を通してさまざまな種類の動植物を見ることができます。
三溪園ボランティアが、ふだん見過ごしてしまいがちなものを含めて、昔のままの姿が残る三溪園の豊かな見どころを紹介します。
開催日 4/29(土・祝)、5/10(水)、6/10(土)
時間 10:30~11:30 / 13:30~14:30
6/10(土)は10:30~11:30のみ
集合場所 正門入口
料金 無料(入園料別途)
定員 各回30名(先着順) ※当日は直接集合場所にお越しください。
≪三溪園について≫
三溪園は生糸貿易により財を成した実業家・原三溪によって、1906年(明治39)5月1日に開園されました。約17.5ha(東京ドーム約3.7個分)に及ぶ園内には、廃仏毀釈などによる荒廃から守るために京都や鎌倉などから移築された歴史的価値の高い建造物が巧みに配置されており、現在、園内にある17棟の古建築のうち10棟が重要文化財、3棟が横浜市指定有形文化財に指定されています。開園当初から「遊覧御随意」を掲げ、外苑を24時間無料開放するなど、「美しいものはみんなで一緒に楽しむもの」という原三溪の想いが反映されています。三溪の存命中は新進芸術家の育成と支援の場ともなり、横山大観、下村観山、前田青邨らを輩出するなど美術への貢献も評価されています。戦災により大きな被害をうけ、1953年(昭和28)に原家から横浜市に譲渡されるのを機に財団法人三溪園保勝会が設立され、復旧工事を実施、現在に至ります。2007年(平成19)には国の名勝に指定されました。
≪原三溪について≫
原 三溪(本名 富太郎)<1868年(慶応4)〜1939年(昭和14)>は、岐阜県厚見郡佐波村(現在の岐阜県岐阜市柳津町)に生まれ、1885年(明治18)東京専門学校(現在の早稲田大学)に入学、政治・法律を学びました。その後、跡見学校の助教師になり、1891年(明治24)教え子であった原善三郎の孫娘、屋寿と結婚、原家に入籍します。原家の家業を継ぐと、生糸輸出を始めるなどの経営の近代化と国際化に力を入れ、実業家として成功を収めました。実業家以外にも様々な面を持ちあわせた三溪は、住まいを本牧三之谷・三溪園へ移すと古建築の移築を開始し、1906年(明治39)三溪園を開園するほか、美術品の蒐集や芸術家の支援・育成を行いました。1923年(大正12)の関東大震災後は、横浜市復興会長に就任すると、それまでの作家支援を止め、荒廃した横浜の復興に力を注ぎました。三溪自身も書画をたしなみ、その作品の一部は、園内の三溪記念館に収蔵されています。
≪施設概要≫
施設名 三溪園(さんけいえん)
運 営 公益財団法人三溪園保勝会
所在地 〒231-0824神奈川県横浜市中区本牧三之谷58-1
連絡先 TEL 045-621-0635
公式HP www.sankeien.or.jp
Instagram www.instagram.com/sankeien_garden
Twitter twitter.com/HSankeien
入園料 大人700円/小中学生200円
横浜市内在住の65歳以上200円(公的証明書の提示が必要)
開園時間 9:00~17:00(最終入園16:30)
アクセス JR根岸線根岸駅から市営バスで10分「本牧」下車、徒歩10分
横浜駅東口から市営バスで40分「三溪園入口」下車、徒歩5分
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