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公益財団法人日本ユニセフ協会
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南スーダン:人口の3分の2が飢餓の恐れ~5歳未満児130万人が急性栄養不良に【共同プレスリリース】

公益財団法人日本ユニセフ協会

重度の急性栄養不良と診断され、治療ミルクを飲む2歳のマリア・ジョンちゃん。 (2017年10月撮影) © UNICEF_UN0152298_Gonzalez Farran重度の急性栄養不良と診断され、治療ミルクを飲む2歳のマリア・ジョンちゃん。 (2017年10月撮影) © UNICEF_UN0152298_Gonzalez Farran

【2018年2月26日 ジュバ(南スーダン)発】

 国連の3機関は本日、持続的な人道支援が届けられなければ、南スーダンの人口の約3分の2にあたる700万人以上が、今後数カ月で深刻な食糧不足に陥る可能性があると警鐘を鳴らしました。

 もしそうした事態が起きれば、南スーダンで食糧不足に陥る人の数は過去最大となります。最もリスクが高くなる時期は、”lean season”と呼ばれる収穫高が減る5月から7月です。特に高いリスクを抱えるのは、子ども2万9,000人を含む15万5,000人で、最も極限レベルの飢餓に見舞われかねません。

 本日、総合的食料安全保障レベル分類 (Integrated Food Security Phase Classification、略称IPC)が発表した報告書によると、 1月時点ですでに、人口の約半数を占める530万人が日々の食糧を十分に確保することが困難で、5段階のフェーズのうち「危機(フェーズ3)」あるいは「緊急事態(フェーズ4)」に達しています。

 この数字は昨2017年1月と比較して、深刻な食糧不安に陥っている人々が40%増加したことを表しています。

 今回の報告書は、2017年2月に南スーダンの一部で飢饉が宣言されてから1年が経つに伴い発表されました。アクセスの改善や大規模な人道支援によって、昨年後半には発生していた飢饉を止め、新たな発生を回避することに成功しました。
 

 ユニセフ(国連児童基金)、FAO(国連食糧農業機関)およびWFP(世界食糧計画)は、支援とアクセスが維持されなければ、人々が飢餓で亡くなるのを防ぐためにおこなった努力の成果が失われ、5月から7月には、かつてないほど多くの人々が深刻な飢餓や飢饉に近い状態に追い込まれる可能性があると警鐘を鳴らします。

 「状況は非常に脆く、新たな飢饉が目前に迫っています。厳しい現実が予測されています。私たちがそれを無視したならば、起こりつつある悲劇に直面することになるでしょう。もし農民たちが彼らの生計を立て直すために支援を受けられれば、地域の生産量は増加し、国の食糧不安の状況は迅速に改善するでしょう」とFAO南スーダン事務所代表サージ・ティソは述べました。

■無視できない、起こりつつある悲劇
 長期にわたる紛争による食糧生産高の減少と生計を維持できない状態の継続が、全体的な飢餓のレベルを押し上げています。この状況は、経済崩壊の影響が市場や流通に及び、地域の食糧生産の減少を補完できなくなったことにより悪化しました。

 さらに、長引く乾燥期、洪水や蛾の幼虫(ツマジロクサヨトウ)などの害虫被害も、打撃を与えました。

 武力紛争の発生と人々の避難が繰り返されている、ユニティ州、ジョングレイ州、上ナイル州、および中央エクアトリア州では、極端な食糧不足に苦しむ人々の割合は52%から62%にのぼり、これらの州の人口合計の半数以上を占めています。この数字は、人々が食糧を受けとるか、生産するか、あるいは自分で買えるようにならない限り、増加し続ける見込みです。

■今後の飢餓に関する状況予測 - 2018年前半の予測
  •  2018年2月-4月:630万人がIPCのフェーズ3(「危機」)、フェーズ4(「緊急事態」)、およびフェーズ5(「大惨事」)に分類される。そのうち5万人がIPCフェーズ5に含まれる。
  • 2018年5月-7月:710万人がIPCフェーズ3、4、および5に分類される。そのうち15万5,000人がIPCフェーズ5に含まれる。

■5歳未満児130万人が急性栄養不良のリスク
 紛争と悪化する飢餓により、栄養不良率が急増しています。支援がなければ、5月には、130万人以上の5歳未満児が急性栄養不良に陥る危険があります。

 栄養不良率は、4月に雨季が開始すると増加する傾向にあります。雨季には多くのコミュニティが孤立し、医療サービスを受けることができなくなります。雨により、舗装されていない道は使えなくなり、医療施設に物資を運ぶことがますます困難になります。

 「私たちは、重度の栄養不良に陥る子どもたちの割合が、この国における史上最悪の数字に達する事態に備えています」とユニセフ南スーダン事務所代表ジェレミー・ホプキンスは述べました。「最も必要としている人たちに緊急支援を届けなければ、多くの子どもたちが命を落とします。私たちはその事態を起こしてはなりません」

 5歳未満児の子どもたちが危機的な栄養不良の状態に陥っている地域であるLeer、Mayendit、 Longochuk および Renk周辺が特に危惧されます。
 

治療用ミルクを準備する栄養担当官。 (2017年10月撮影) © UNICEF_UN0152301_Gonzalez Farran治療用ミルクを準備する栄養担当官。 (2017年10月撮影) © UNICEF_UN0152301_Gonzalez Farran

■これまでの南スーダンに対する支援
 昨年、ユニセフ、FAO、WFPおよびパートナー団体は、人々の命を守り飢饉を止めるために、過去最大規模の支援キャンペーンを実施しました。2017年には、国連の3機関とパートナー団体は、最も支援の届きにくい地域に対して、緊急支援チームを135回以上派遣し、180万人に命を守る支援を届けました。

 ユニセフとパートナー団体は、2017年には重度の栄養不良に陥った子ども約20万8,000人に治療を提供しており、2018年は21万5,000人を対象とする予定です。2017年にはWFPと協力し、通常の支援を受けられない地域に対して、即応メカニズム(Rapid Response Mechanism=RRM)と呼ばれる移動式の緊急支援チームを51回派遣しました。この即応メカニズムが、これから数カ月間において、紛争の影響を受ける地域に対する主要な支援方法となります。

* * *

■ユニセフについて
 ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
 公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

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未上場
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