「共に生きるための表現」とは? 『美術手帖』2026年10月号は、「台湾の現代美術」特集。

株式会社美術出版社(東京都渋谷区)は、『美術手帖』2026年10月号「台湾の現代美術」特集を9月7日(月)に発売します。
特集「台湾の現代美術」
「共に生きるための表現」とは?
近年、台湾の現代美術は、東アジアのなかでもとりわけ活気のある文化の交差点として、見逃せない存在感を放っている。そもそも台湾には、原住民族の文化、西洋諸国や中国大陸からの影響、そして1895年から50年間に及ぶ日本統治など、多様な文化や政権が交錯してきた多層的な歴史がある。戦後の戒厳令下における白色テロといった過酷な時代を経ながらも、人々は1980年代末以降の民主化をはじめ、2014年のひまわり学生運動、2019年のアジア初となる同性婚法制化に至るまで、絶えず自らを更新し、自律した民主社会と多文化共存を勝ち取ってきた。

こうした社会の動きを背景にアーティストたちは、様々なメディアも駆使しながら、ポストコロニアリズムや地政学的な課題、多様なエスニシティやアイデンティティなど、幅広いテーマを探究。そして、各地で新たな美術館や芸術祭が生まれるなど活況を呈している。


本特集では、専門家による座談会をはじめ、現在の台湾のアクチュアリティを体現するアーティストやシーンを牽引するキーパーソンへのインタビュー、台湾美術の歴史を紐解く記事、地域ごとの特徴、気鋭の研究者やキュレーターによるコラムやエッセイなどを掲載。複雑な歴史や地政学的な課題と向き合いながら、自らの手で新たな場と表現をひらき続ける、台湾の現代美術が歩んできた歴史と現在を多角的に照射したい。

また、かつての植民地支配が台湾の社会や美術にどのような影響を与え、台湾の人々がいまなおその記憶や「脱植民地化」とどう向き合っているのか。そうした日本との関係において台湾を語る視点も取り入れた。この特集を通じて、台湾の美術に出会い、真摯に向き合うことで私たち自身が変わり、そのことで日台の関係の新たなかたちが紡がれていくことを目指しています。

アーティスト・インタビューは、第12回ヒロシマ賞を受賞したメル・ チン。日本で初めてとなる個展を広島で開催するのにあわせて、新作を含む本展に向けた思いや制作を推し進める力について、美術史研究者の中村公彦が話を聞いた。

【目次】
SPECIAL FEATURE
台湾の現代美術
「共に生きるための表現」 とは?
岩切澪、栖来ひかり、邱于瑄=企画協力
郭昭蘭、呉達坤=アドバイザー
CROSS TALK
郭昭蘭×呉達坤×岩切澪×栖来ひかり×邱于瑄(進行)
更新し続ける、台湾の現代美術──何がその「熱」を生み出しているのか?
青木識至=構成
INTERVIEW
李亦凡(リー・イーファン)
邱于瑄=聞き手・構成 池田リリィ茜藍=翻訳
張恩満(チャン・エンマン/ラウス・ジュラヴィヤ)
岩切澪=聞き手・構成・翻訳
李奥森(ヴァル・リー)
栖来ひかり=聞き手・構成・翻訳
HISTORY
台湾美術の歴史
岩切澪、栖来ひかり、邱于瑄=編・文
鈴木恵可、呉孟晋、張晴文、佐々木玄太郎、游崴、林怡秀=文
池田リリィ茜藍=翻訳 郭昭蘭=協力
レジェンド・アーティスト
李仲生/席徳進/李元佳/劉国松/林壽宇/黄華成/袁旃/張照堂
呉孟晋=文
MAP
台湾現代美術マップ
栖来ひかり=文
KEY FIGURE
林曼麗(リン・マンリー)
栖来ひかり=聞き手・構成
林怡華(エヴァ・リン)
岩切澪=聞き手・構成・翻訳
頼依欣(ライ・イシン・ニコル)
邱于瑄=聞き手・構成・翻訳
黄亜紀(ホァン・ヤジ)
金島隆弘=聞き手 勝俣涼=構成
ARTISTS
呉瑪悧/呉天章/高重黎/蔡明亮/姚瑞中/王虹凱/澎葉生&蔡宛璇/王雅慧/蘇匯宇/宜徳思・盧信/侯怡亭/豪華朗機工/林介文/張立人/何采柔/余政達/張碩尹/陳敬元/黄海欣/劉玗 /許哲瑜×陳琬尹/劉致宏/邱子晏/登曼波/Posak Jodian/蘇予昕/張徐展/林安琪/黄麗音
岩切澪、栖来ひかり、邱于瑄=選・文
郭昭蘭、呉達坤=選 常鴻雁=文
COLUMN
郭昭蘭、荘偉慈、呉達坤、頼志婷、邱于瑄=文
池田リリィ茜藍=翻訳
ESSAY
映画の名のもとに:台湾ビデオ・アートのある種の傾向
孫松榮=文 岩切澪=翻訳
まなざされる側から、語る主体へ──台湾原住民アートがたどった軌跡
那高・卜沌=文 池田リリィ茜藍=翻訳
戦後80年の交差点──「記録をひらく 記憶をつむぐ」展が呼び覚ます対話
岩切澪=文
ブックガイド/展覧会紹介
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ARTIST IN FOCUS
飯川雄大
田村正資=取材・文 小澤塁=撮影
庄司朝美
中島水緒=取材・文 菅野恒平=撮影
野村由香
角奈緒子=取材・文 山本糾=撮影
WORLD REPORT
New York/London/Berlin/Ruhrgebiet/Manchester
ARTIST INTERVIEW
メル・チン
中村公彦=聞き手・構成・翻訳 藤岡亜弥=撮影
REVIEWS
ウルス・フィッシャー「間違い探し―Spot theDifference」展
椹木野衣=文
「1978」展
清水穣=文
書誌情報
美術手帖2026年10月号9月7日(月)発売
特別定価|2000円+税
発行|カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
発売|美術出版社
https://bijutsutecho.com/backnumber/906
Amazonサイト
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美術出版社
1905年の創業以来、一貫して良質な美術図書の出版を手掛けてきました。
『美術手帖』『ワイナート』などの定期雑誌、『カラー版美術史シリーズ』をはじめとする美術・デザイン・建築などの芸術全般にわたる書籍の出版、美術展のカタログ制作のほか、アートと人々をつなぐ多彩な事業を行っています。
※美術出版社はカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が展開する出版ブランドです。
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