ラテンアメリカとカリブ海諸国で、4人にひとりが児童婚【プレスリリース】
2030年までに2,000万人増加のおそれ
【2018年4月10日 パナマ/ニューヨーク 発】
ラテンアメリカとカリブ海諸国は、児童婚や事実婚状態の子どもの割合の高さが過去10年間で改善していない、世界で唯一の地域であると、ユニセフ(国連児童基金)ラテンアメリカ・カリブ海諸国地域事務所は本日発表しました。
ラテンアメリカとカリブ海諸国における児童婚の水準は過去10年間、約25%のまま変わらない一方で、世界の他の地域では減少傾向にあり、特に南アジアではこの10年で、児童婚の割合が50%近くから30%まで下がりました。
ラテンアメリカとカリブ海諸国では、先住民の女の子、農村部に住む女の子、中・低所得層における児童婚や早期の事実婚状態が、都市部や高所得層よりも多くなっています。本地域では、結婚の形式をとらない事実婚の状態の方が、正式の法律婚よりも多い傾向にあります。
「世界の他の地域では、女の子を児童婚から守る成果が出ており、このことは喜ばしいことです。しかし、これは4人にひとりの女性が18歳未満で結婚或いは事実婚状態である私たちの地域には当てはまらないことです」と、ラテンアメリカ・カリブ海諸国地域事務所代表のMaria Cristina Percevalは述べました。「18歳になる前に結婚を強制された女の子たちは、短期的にも長期的にも機会を奪われ、そうしたことが最終的に権利の実現に影響するのです。性的暴力、早く母親になってしまうこと、学校を去ることへのリスクが高まっていることや、仲間から社会的に排除されていることこそ、この地域で女の子たちが置かれている状況を明確に示しています。今行動しなければ、この状況は続き、彼女たちは取り残されてしまうでしょう」
世界では、約6億5,000万人の女性と女の子が子どものうちに結婚し、その10人にひとりがラテンアメリカ・カリブ海諸国の女性と女の子です。取り組みや投資の拡大がなければ、ラテンアメリカ・カリブ海諸国は2030年までに児童婚の割合が世界で2番目に高い地域になると言われており、さらに高いのはサハラ以南のアフリカ諸国のみで、かつて児童婚の割合が世界で最も高かった南アジアを上回ります。この傾向が続けば、2030年までに、新たに約2,000万人のラテンアメリカ・カリブ海諸国の女の子が結婚することになります。
この地域で児童婚や早期の事実婚が減っていない背景には、同様に高い割合(世界で2番目)の若年妊娠率と女の子への性的暴力のリスク(10代の女の子110万人が性的暴力を受けたと報告)が挙げられます。ジェンダー間の複合的な不平等が、この地域の女の子たちの選択肢や機会を奪っています。
貧困も、児童婚や早期の事実婚状態と関わっています。ジェンダーの規範、役割や関係が、早期の事実婚状態を受け入れられる、或いはむしろそれを望む、といった人生における信念や決定に影響を与えています。さらに、国の法律にも差があり、18歳未満の結婚が認められているか、或いは両親の同意や法定代理人もしくは司法当局の認可によって結婚できるという例外を定めている場合もあります。
「ラテンアメリカ・カリブ海諸国における女の子の平等は、早期に母親になること、事実婚、暴力や、限られた人生の機会という複合的な原因によって制限されています。潜在能力が活かせず、権利が忘れられていることをこれ以上見て見ぬふりはできません。私たちは、国連人口基金(UNFPA)やUN Womenとともに、地域プログラムを開始し、地域における児童婚を直ちに終わらせることを呼びかけています。他のパートナーの参加も歓迎します」とPercevalは述べました。
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