【トーキョーアーツアンドスペース】10/3(土)より開催!「TOKAS Project Vol. 9 『在ることの再演』」
「再演」という行為をとおして、現代における生を見つめ直す展覧会

トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)では、公募展や企画展、海外派遣などを通じて、段階的、継続的にアーティストの活動を支援しています。TOKAS Project は、国際的な交流を促進し、多文化的な視点でアートや社会など多様なテーマについて思考するプログラムです。9回目となる今回は、TOKASとソウルの提携機関との交流20周年を記念し、過去にレジデンス・プログラムに参加した日韓のアーティストを中心に、自身の身体経験を軸に現実を紡ぎ直す5名のアーティスト、ウン・ジェピル、キム・ドヒ、ク・ドンヒ、パク・ミンハ、三野新による展覧会を開催します。
本展では、フィクション、彫刻、デジタルメディア、身体表現など、それぞれ異なる芸術実践をとおして観察した生の姿を、展示空間に再び立ち上げる行為(=再演)によって、今日における生の本質を見つめ直すことを試みます。会期中は、参加アーティストによるトークやパフォーマンス、またゲスト・スピーカーを招き、韓国の現代アートシーンをテーマとしたトークも開催します。
TOKAS Project Vol. 9「在ることの再演」
■展覧会概要
会期:2026年10月3日(土)~11月8日(日)
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷(東京都文京区本郷2-4-16)
休館日:月曜日(10月12日は開館)、10月13日(火)
主催:トーキョーアーツアンドスペース(公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館)
ウェブサイト:https://www.tokyoartsandspace.jp/archive/exhibition/2026/20261003-7578.html
■展覧会について
芸術の歴史において、人間は、目の前に在る世界や生命の存在を、時の流れから引き離し、絵画や彫刻、写真や映画/映像によって固定し、永遠の生としてつなぎとめようとしてきました。また演劇や舞踊、パフォーマンスといったライブ・アートは、パフォーマーの身体的な演技を通じて、現実世界における生を、その場に現前化することを探求してきました。それは絶えず変化し、次の瞬間には掴むことができない一回性の生を、現在の身体をもって呼び起こし、時間や場所を越えて他者と共有しようとする芸術の動的な営みです。
本展では、アーティストたちがそれぞれ異なる視点から観察した生の姿を、展示空間に再び立ち上げる行為(=再演)をとおして、その瞬間の彼らの感覚や視点から新たな解釈を促し、現代における生の本質を見つめ直すことを試みます。ここでは、単に現実を写しとり過去を再現するのではなく、その時の記憶や感情といった固有の身体経験を含めた現実を肉体化し、現在進行形のものとして捉えていきます。彼らの実践は、生きることの裏側に積み重なるいくつもの層を掘り起こし、「いま、ここに在ること」の複雑で不確かな生を眼差すきっかけを与えてくれるでしょう。
■関連イベント
[アーティスト・トーク] 予約不要
日時:10/3(土) 15:00-17:00 ※日英逐次通訳
出演:ウン・ジェピル、キム・ドヒ、ク・ドンヒ、パク・ミンハ
[パフォーマンス|ウン・ジェピル] 予約不要
日時:10/3(土) 17:30-18:00
出演:ウン・ジェピル
[アーティスト・トーク] 予約不要
日時:10/10(土) 16:00-16:30 ※日本語のみ、日本手話通訳あり
出演:三野 新
[スペシャル・トーク「韓国の現代アートシーンについて」] 予約不要★
日時:10/30(金) 17:00-18:00 ※日本語のみ
ゲスト:紺野優希(美術批評家/インディペンデント・キュレーター)
会場:駐日韓国文化院5F ハンナレホール(東京都新宿区四谷4-4-10)
※展覧会の会場とは異なります。
[演劇パフォーマンス|三野 新] 要予約※10/11(日)よりTOKASウェブサイトにて予約開始
日時:11/7(土) 15:00-16:00
作:三野 新
演出:山本浩貴(いぬのせなか座)
出演:石川朝日
※上記[★]のトークの手話通訳をご希望の方は事前にお申込みください。
■参加作家/参考画像/略歴
【歴史の再演】ー戦争の気配とともに生きる生ー
三野 新|MINO Arata

写真
© Arata Mino
福岡県生まれ。東京都と神奈川県を拠点に活動。周縁化された場所やものに残る記憶や風景を繋ぎ、「ここ」と「あそこ」の中間項を見つけ前景化させることをテーマに研究と実践を行い、主に自身で撮影した写真や映像をもとに制作したフィクションを、自己と他者の身体やさまざまなメディアを用いて発表する領域横断的な活動を展開しています。今回、三野は韓国の龍山米軍基地や戦後の占領期に関する歴史のリサーチ、また戦争が現在の日常生活や身体に及ぼしている影響への考察から、戯曲「温室/オンシル」を書き下ろしました。本展では、その舞台となる温室を実際に展示空間に立ち上げ、インスタレーションとして「上演」します。
【生命のつながりの再演】ー関係の中で存在する生ー
キム・ドヒ|KIM Dohee

参加型の楽器彫刻、銅、インタラクティブな音響グラフィック・ システム、照明
撮影:Dohee Kim
1979年釜山生まれ。ソウルを拠点に活動。
「物質としての身体」が生み出す摩擦や熱などの動的なエネルギーに関心を寄せ、それらが伝達される経路を探索し、そこに自身の身体を介入させることで作品を制作。自己と他者、人工と自然、生と死の間の境界が曖昧になる儚い瞬間を捉えることを追求しています。本展では、人間の生命の根源を象徴する「おへそ」を型取ったシリーズ作品《Navel Mountain》や、おへそのモチーフを拡張した鐘の彫刻作品《Navel Strike》を発表し、無数の人々との関係から成る生のつながりを体感する場を創出します。
【テクノロジーによる人間の再演】ー機械と人間の間を揺れ動く生ー
パク・ミンハ|PARK Minha

映像
© Minha Park
1985年ソウル生まれ。ソウルを拠点に活動。
実際の出来事や資料にもとづいた綿密なリサーチを下敷きに、SFとドキュメンタリーを融合し、映画や映像インスタレーション、出版物、音響作品などを発表。多角的な実践をとおして、私たちの感覚世界を形作る枠組みを解読し、隠された物語を明らかにすることを探究しています。本展では、人間の労働がロボットやAIに代替され、テクノロジーの超生産性に人間が支配されていく現実を前に、デジタルに還元できない人間性とは何か、生命とは何か、映像作品をとおして問いかけます。
【女形の身体性の再演】ー現代の身体をとおして体現する過去の生ー
ウン・ジェピル|EUN Jae Pil

パフォーマンス
撮影:Sung Eui Suk
1991年原州(ウォンジュ)生まれ。韓国とオランダを拠点に活動。
移住の記憶という視点を通じて「帰属」や「故郷」の意味を探求し、簡単に翻訳できない個人的な感情や周辺的な歴史に焦点を当てています。彼の作品は、伝統と現代性、そして西洋中心主義社会によってしばしば定義される男性的・女性的な概念の境界を解体することで、言葉による説明を超越した感覚的な体験をもたらします。本展では、長年研究している京劇の名女形・梅蘭芳(メイ・ランファン)の踊りを体現するパフォーマンスや銅版画作品によって、かつて存在した女形の姿を現代に蘇えらせることを試みます。
【現代社会における身体感覚の再演】ー社会の規範の中で形成される生ー
ク・ドンヒ|KOO Donghee

インスタレーション
撮影:Yeonje Kim
1974年ソウル生まれ。ソウルを拠点に活動。
日常の何気ない出来事や、テレビ、インターネット、都市生活といった身の回りの断片的な要素を素材に、それらをサンプリングしながら作品を再構成し、その中に不条理で奇妙な事象を介在させることで、私たちの知覚を揺さぶり、当たり前の中に潜む違和感を浮かび上がらせます。本展では、超情報化社会に従属する現代の私たちの意識や感覚を探る映像作品をとおして、社会的な日常生活の中で形成された私たちの身体的な習性や固定化された規範を攪拌します。
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