応急仮設住宅の早期提供を目指した共同研究契約を締結(ニュースリリース)
■熊本大学×大和ハウスグループ
応急仮設住宅は、被災者に一日でも早く住居を提供することを目的として建設されています。各都道府県は市町村と連携し、災害発生から応急仮設住宅が被災者に供給されるまでの期間を短縮するために、事前に建設候補地の選定や建設計画の整備等を実施していますが、災害の規模や様態により、応急仮設住宅の着工がスムーズに運ばず、着工までに時間を要する場合があります。
熊本大学大学院先端科学研究部の大西康伸准教授(以下「大西准教授」)は、平成28年熊本地震における応急仮設住宅団地の計画に携わった担当者にヒアリングするなど、着工までに要する期間を分析した結果、建設候補地の調査を含め、約1週間は配置計画案の作成や承認に時間を要していることが分かりました。
そこで、大西准教授は、2017年6月より、応急仮設住宅の配置計画案の作成時間を短縮するために、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)(※2)を利用した配置計画案の自動作成に関する研究を開始しました。その後、大和ハウス工業と大和リースが協力し、大西准教授が開発した配置計画案自動作成プログラムを用いて配置計画案の作成に取り組んだ結果、約1時間で応急仮設住宅の配置計画案を作成することが可能であることがわかりました。
そしてこのたび、3者は配置計画案だけではなく、応急仮設住宅の供給に必要な全過程(計画、生産、施工等)にBIMの機能を利活用することで、さらなる工期の短縮化と地域の実情に応じた計画の実現を図ることが、円滑かつ迅速な応急仮設住宅の建設につながると考え、共同研究契約を締結することとなりました。
今後、応急仮設住宅の供給において、研究成果を広く活用できるようオープンにしていきます。
※1.2019年4月1日~2021年3月31日の期間。
※2.建物の3次元モデル技術。建物の設計、施工、維持管理までのライフサイクル全体で設計情報を活用する手法
■共同研究契約の概要
・応急仮設住宅の配置計画および設計作業を省力化し、早期提供を実現させるための研究
・応急仮設住宅を3次元で見える化し、ご入居者や行政、施工者に完成イメージを共有する研究
・応急仮設住宅のメンテナンスに、BIMを利活用することの研究
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