紛争と対立が蔓延する現代世界で、おかしいのは中東諸国なのか、アメリカなのか。中東研究の第一人者・酒井啓子が混迷の原点を読み解く『はみ出す中東と世界』が本日発売!
時計の針はどこまで逆戻りするのか――世界情勢を理解するために必読の一冊
株式会社文藝春秋は、酒井啓子『はみ出す中東と世界』を本日10月15日(木)に発売しました。イラクを中心とした中東政治研究と国際政治学が専門の千葉大学特任教授・酒井啓子さんによる、まったく新しい中東現代史。9.11、アラブの春、ガザ戦争、イラン戦争ーー中東と壊れつつある世界の複雑な因果をスリリングに描く本書は、中東情勢が緊迫するいま、私たちの足もとを理解するのに必読の一冊です。

■内容紹介
ガザ戦争やイラン戦争、大国の暴挙。世界はなぜ「力による支配」へと逆行しつつあるのか。紛争と対立が蔓延する現代世界で、おかしい(=はみ出している)のは中東諸国なのか、アメリカなのか。ニュースを読むだけでは理解の難しい中東と世界の複雑な関係をスリリングに描く、まったく新しい中東現代史が誕生しました。
「中東は戦後の世界情勢を映し出す鏡であった」と著者の酒井さんは言います。 欧米諸国の植民地となり、国民国家の枠からはみ出し、抵抗し、利用され、蹂躙され、そしてアルカイダやISなどのテロ組織として再びはみ出す――冷戦構造やアメリカの立場を利用して自勢力を伸ばし、のし上がった中東勢力が結局はアメリカの手に負えなくなり、9.11の勃発、そしてイラク戦争で決着をつけるといった流れにつながったのだと。
しかし、中東のみならず、もはや世界そのものがはみ出してしまっている、という反転する展開が本書の読みどころの一つです。「国家の主権」を尊重せず横暴に振る舞う「不動産屋」としての国家が、国境を超えて「空き地」を狙う――イラン戦争は湾岸首長国の存立基盤そのものを揺るがす事態なのだ、という驚きの記述も登場します。複雑な中東政治、国際情勢をその複雑さのままに立体的に理解できる待望の一冊です。
■著者コメント
今、世界がへんなことになっている、なにか危ない、と思っているみなさんに、
お届けしたい本です。戦争やテロばかり、と思われがちな「中東」より、それを
怖い地域、厄介な地域にしてしまった世界のほうがよっぽど恐ろしい、というこ
とが伝われば、と思います。酒井啓子
■目次
序章 国際政治を見る目
第一章 作られた中東
第二章 はみ出す中東
第三章 抵抗する中東
第四章 利用する中東
第五章 蹂躙される中東、はみ出し始める大国
第六章 立ち上がろうとする、そして再びはみ出す中東
第七章 生存を賭ける中東、そしてはみ出す世界
終章 はみ出す世界
■著者プロフィール
酒井啓子(さかい・けいこ)
千葉大学特任教授(中東研究)。1959年生まれ。専門はイラクを中心とした中東政治研究と国際政治。著書に『9.11後の現代史』『〈中東〉の考え方』(ともに講談社現代新書)、『グローバル関係学とは何か』(編著、岩波書店)、『「春」はどこにいった』『移ろう中東、変わる日本 2012-2015』(ともにみすず書房)など。『イラクとアメリカ』(岩波新書)でアジア・太平洋賞大賞受賞。朝日新聞書評委員。
■書誌情報
出版社:株式会社 文藝春秋
書名:『はみ出す中東と世界』
著者:酒井啓子
判型:四六判ハードカバー 240ページ
発売日:2026年10月15日
定価・価格:紙版 1980円(税込)・電子版 1800円(税込)
ISBN:978-4-16-392157-0
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