エドワード・ゴーリー最凶作品『けだもの赤子』2月18日発売! 出版を拒絶され続け、ゴーリー自ら出版。「おそらくゴーリーの作品中もっとも可愛くないキャラクターが描かれている」と語られる初期の問題作。

ゴーリー生誕100年記念出版『EはエドワードのE ゴーリー大解剖』も好評発売中!

河出書房新社

『けだもの赤子』 河出書房新社

株式会社河出書房新社(本社:東京都新宿区/代表取締役:小野寺優)は、エドワード・ゴーリーの絵本『けだもの赤子』(柴田元幸 訳、税込1,540円)を2月18日に発売いたします。

エドワード・ゴーリー Edward Gorey

1925年シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章とモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表。おもな邦訳に『うろんな客』『ギャシュリークラムのちびっ子たち』など。2000年没。

アメリカの絵本作家エドワード・ゴーリーの作品は、子どもが次々と死んでいく残酷な物語や、倫理やモラルを逸脱した世界観のものも数多く、ゴーリー自身のミステリアスな人物像ふくめて「大人のための絵本」として長いあいだ読者の心をつかんできました。

代表作は『ギャシュリークラムのちびっ子たち』『うろんな客』『優雅に叱責する自転車』『おぞましい二人』『不幸な子供』『華々しき鼻血』『キャッテゴーリー』…たくさんありますが、シュールな内容の小さな絵本は、大人同士でユーモアのあるプレゼントとしても人気があります。

このたび2026年2月に刊行するのは、初期の最凶作品『けだもの赤子』(税込1,540円)。

「おそらくゴーリーの作品中もっとも可愛くないキャラクターが描かれている」とエドワード・ゴーリー・ハウスのディレクターを務めるグレゴリー・ヒスチャク氏も語る、1953年に描かれた作品です。邪悪で醜い赤子の生きざまを描ききったものの、出版を拒否され続けたためゴーリー自ら出版社を興して刊行した、知る人ぞ知る傑作、問題作と言われています。

Once upon a time there was a baby.

Its tiny eyes were surrounded by large black rings due to fatigue,for its guilty conscience hardly ever allowed it to sleep.

Dangerous objects were left about in the hope that it would do itself an
injury, preferably fatal.

柴田元幸氏 『けだもの赤子』訳者あとがきより

〈一部抜粋〉

 The Beastly Baby と題されたこの本がどう生まれたのか、その起源についてはかなり正確に特定できる。マルカム・ホワイトの『ゴーリー・シークレッツ』がもっとも明確に語っているので、以下の情報は主としてホワイトの著書に拠る。作家アリソン・ルーリーはハーバード在学中からゴーリーの親しい友人だったが、彼女が初めて子供を産み、数か月後にゴーリーに宛てて書いた手紙のなかで、「映画にも行けやしない、うちにいて the beastly babyの世話をしないといけないから」と愚痴った。この場合 the beastly baby は「いまいましい赤ん坊」くらいの意味だが、ゴーリーはここから霊感を受けて、まさに言葉本来の意味で beastly(beast=獣)な赤ん坊を創出したのである。この本は公式には(たとえば、『ウィローデールの手漕ぎ車』が名優リリアン・ギッシュに献げられているようには)誰にも献げられていないが、ゴーリーはルーリーへの手紙のなかでこう書いている。


君の赤児の写真をありがとう。まあいつものことだが、たまたまこれを見て〔中略〕僕は週末にある種の興奮状態に陥り、本を一冊書き、絵も描いた。これを件の赤児に献げる。


 こういう出産祝いを贈れるとは、エドワード・ゴーリーとアリソン・ルーリーは本当に深い信頼関係にあったのだなあ、とあらためて思う。
 ゴーリーはまた、ルーリーに宛てた手紙のなかで(上と同じ手紙かどうかは不明だが、時期はどちらも1953年9月)、この本を「何の教訓もない、一種倒錯した教訓物語」と自ら評している。言葉の矛盾もいいところであり、いかにもゴーリーらしい。

グレゴリー・ヒスチャク氏 『EはエドワードのE ゴーリー大解剖』(小社刊)より

〈一部抜粋〉

 1953年9月に描かれた『けだもの赤子』は衝撃を与えることを狙った小さな本であり、実際大いに衝撃を与えた。まず、何社もの出版社候補が尻込みした。その物語と、荒々しい線で描かれた白黒の絵は、子供にも若者にも、そしてあらゆる普通の大人にも不適だと見なされたのだ。
 くり返される拒絶にもめげずゴーリーは前進を続け、1962年、『けだもの赤子』は刊行された。やがて10冊あまりを出版することになる、自らの会社ファントッド・プレス最初の一冊となったのである。同社刊行の本のなかでも現在ではとりわけ入手困難であり、作品の衝撃も時の流れに薄まってはいない。滑稽でありつつ痛ましく苦悩するタイトルキャラクター(名前はなく「けだもの赤子」とのみ言及される)は、自身がもたらす不快さの犠牲者にほかならない。世に放たれた嫌悪そのものとして、ペットの足を引きちぎり、ごぼごぼ不快な音を立て、両手とも左手で、陰鬱に考え込んでいる。

ゴーリーファンの方も、前から少しだけ興味がある方も、ゴーリーの最新邦訳かつ最大の問題作『けだもの赤子』の待望の発売に、ぜひご注目ください。

■新刊情報

書名:けだもの赤子

著者:エドワード・ゴーリー 柴田元幸訳

仕様:B5変形版/上製/72ページ

発売⽇:2026年2月18日

税込定価:1,540円(本体1,400円)

ISBN:978-4-309-25822-5

URL:https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309258225/

■著者 エドワード・ゴーリー

1925年、シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章と、独自のモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表している。またエドワード・リアやサミュエル・ベケットらの作品の挿画、劇場の舞台美術なども手がけた。幻想的な作風と、アナグラムを用いた(Ogdred Weary など)ペン・ネームを使い分けて、たくさんの私家版を出版したために、多くの熱狂的コレクターを生みだした。1943年から46年まで、陸軍の軍務に服したあと、ハーヴァード大学でフランス文学を専攻する。1953年、ニューヨークの老舗出版社 Doubleday に就職。ブックデザインを担当する。この年、最初の単行本『弦のないハープ』が出版される。1960年、Doubleday から Random House の子会社 Looking Glass Library に移籍。1962年には、自身の出版社Fantod Press を興し、The Beastly Baby を出版する。1963年、独立して専業作家となる。1970年、『ずぶぬれの木曜日』が Gotham Book Mart から出版され、同書店との本格的な関係が始まる。1977年、ブロードウェイの舞台 Dracula のセットと衣装デザインによりトニー賞を受賞する。1980年、PBS(Public Broadcasting System)の番組 Mystery! のオープニング・アニメーションを作成する。1997年、新作『憑かれたポットカバー クリスマスのための気落ちした気色悪い気晴らし』が Harcourt Brace から出版される。同時に、代表作の『ギャシュリークラムのちびっ子たち』『うろんな客』『優雅に叱責する自転車』が、同社より新装・再刊された。膨大な作品とミステリアスな人物像については『エドワード・ゴーリーの世界』と『どんどん変に… エドワード・ゴーリー インタビュー集成』『EはエドワードのE』で知ることができる。
2000年4月15日、心臓発作のため死去。享年75歳。

■訳者 柴田 元幸(しばた・もとゆき)

1954年、東京生まれ。翻訳家・アメリカ文学研究者。東京大学名誉教授。2005年、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞受賞。ほかの著書に『生半(半は旧字)可な學者』(講談社エッセイ賞受賞)、『翻訳夜話』(村上春樹氏と共著)などがある。2010年、ピンチョン『メイスン&ディクスン』(上下)で日本翻訳文化賞受賞。

■おすすめ既刊作品

ゴーリー生誕100年記念出版『EはエドワードのE ゴーリー大解剖』

著者:グレゴリー・ヒスチャク/エドワード・ゴーリー公益信託

監訳者:柴田元幸

訳者:今井亮一/福間恵/平沢慎也/広瀬恭子/高田怜央/鈴木孫和/今関裕太/坪野圭介

体裁:B4変形/上製本/384頁/オールカラー

発売日:2025年12月9日

ISBN:978-4-309-25815-7

刊行記念特価:税込16,280円(本体14,800円)※2026年5月以降は17,600円(税込)で販売します。

特設サイト:https://www.kawade.co.jp/edwardgorey_100/

〈本書の特徴〉

・ゴーリー作品ほとんどの邦訳を手がける翻訳者・柴田元幸氏が監修!「エドワード・ゴーリー作品が数倍は楽しめるようになる、理想のゴーリー解説書です。」

創作ノートや修正前原稿、ゴーリーハウス所蔵の貴重な未公開資料など、400点以上の図版と解説で読み解く公式愛蔵版"ゴーリー大解剖"

・『ギャシュリークラムのちびっ子たち』『うろんな客』『まったき動物園』『優雅に叱責する自転車』『おぞましい二人』など、名作の誕生秘話が満載!

・初版限定のシリアルナンバー入り

<目次>

第1章 不幸な子供たち──ゴーリー氏を取りまく風景 

第2章 変異体動物園──そこらじゅうかいじゅうたちのいるところ

第3章 エドワードおじさんの事件簿──ゴーリーと犯人たる執事たち

第4章 ステップを踏む──あるいは、年がら年中ニューヨーク・シティ・バレエを観に行くこと

第5章 殺し文句のドレス──ゴーリー氏と、社会という生地

第6章 わざを隠す──エドワード・ゴーリーの謎めいたメッセージ

第7章 ひぴてぃ うぃぴてぃ──エドワード・ゴーリーとナンセンス言語の豊かさ

第8章 むがむちゅう なにもかも かきとめる──エドワード・ゴーリーの 興味をそそるリスト

岸本佐知子氏、ヒグチユウコ氏、W推薦!!

「答えのないなぞなぞのような、果てしない迷宮のような、ビックリハウスのような、ゴーリーさん世界の魅力を読み解く、最強のガイドブックがやってきた。」 ――岸本佐知子

「わたしの『たからものの本』の一冊となりました。」 ――ヒグチユウコ

刊行記念特価での販売は4月末日までです。お早めにご注文ください。

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業種
情報通信
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東京都新宿区東五軒町2-13
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代表者名
小野寺優
上場
未上場
資本金
3000万円
設立
1957年05月