プラズマクラスター技術が寄与する植物の生育促進メカニズムを確認
シャープは、当社のプラズマクラスター技術について、国立大学法人静岡大学(※2)農学部 一家崇志 准教授および山下寛人 助教との共同研究により、植物の生育を促進するメカニズムを検証した結果、プラズマクラスター技術が植物の初期生育(※3)促進に寄与していることを初めて確認しました。
当社は、プラズマクラスター技術が植物の生育にも有益となる可能性に着目し、検証を進めた結果、2016年にプラズマクラスター技術がレタスの生育を促進することを実証(※4)しました。
今回の実証では、その効果の背景となる、プラズマクラスターイオンが寄与する植物の生育促進メカニズムを確認するため、全遺伝情報が判明しているイネを用いた研究を実施しました。その結果、播種直後からプラズマクラスターイオンを直接照射した場合は、初期生育における芽が送風のみの場合と比較して最大約4倍(※5)に長くなっており、さらにその生育促進メカニズムとして、エネルギー生成を指示する働き(遺伝子発現)が最大約3倍(※6)に増えていることを確認しました。以上のことから、プラズマクラスターイオンを照射することで、植物の初期生育を促進できることが示唆されました。
プラズマクラスター技術は、自然界に存在するものと同じ正イオンと負イオンを利用した空気浄化技術で、当社はこれまで20年以上にわたり国内外の第三者試験機関において多くのテーマで試験を実施し、高い安全性およびさまざまな効果を確認してまいりました。
今回の成果は、近年、持続可能な食料生産性の向上が世界的な課題となる中で、プラズマクラスター技術がその解決に向けた新たな一助となる可能性を示すものです。当社は引き続き植物への効果やそのメカニズムについて検証を進め、効果の信頼性を向上させるとともに、プラズマクラスター技術の新たな分野への応用の可能性や、新たな有効性について追究してまいります。
<一家 崇志(いっか たかし)准教授(静岡大学農学部)のコメント>
イネを用いた生育評価および遺伝子解析の実施により、プラズマクラスターイオンの照射が初期生育を促進しているというメカニズムの一端が分かりました。このことは、今後のさまざまな作物に対する研究に応用できます。たとえば、発芽から育苗までの期間にプラズマクラスターイオンを用いることで、栽培期間を短縮し生産コストを下げるなど、実際の作物栽培にも応用展開できる非常に有益な結果です。また、植物工場においては、日本国内ではレタスなどの葉物が主流ですが、国際的にはイネなどの穀物への適用も進み始めており、非常に意義のある研究成果だと考えられます。今後、実用化に向けてこの研究をさらに発展させ、社会課題の解決に実際に貢献されることを期待しています。
※1 植物の種子をまくこと。
※2 所在地:静岡県静岡市、学長:日詰 一幸。
※3 発芽から種子の栄養を使った成長の最初の段階を指します。今回は、発芽からその数日以内を評価しました。
※4 プラズマクラスター技術でレタスの成長促進効果を実証(https://jp.sharp/plasmacluster-tech/closeup/closeup03/)。
※5 播種してから3日後の平均値より算出(2ページ目の図4参照)。
※6 播種してから1時間後のAmy(アミラーゼ遺伝子)の平均値より算出(2ページ目の図5参照)。
● プラズマクラスターロゴ(図形)およびプラズマクラスター、Plasmaclusterはシャープ株式会社の登録商標です。
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【ニュースリリース全文】
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