欧州難民危機:地中海を渡る子ども123人、スペインに無事到着-多くが暴力、拷問、病気など経験【プレスリリース】
ユニセフら、心理社会ケアや保健衛生ケアを提供
【2018年6月17 日 ジュネーブ 発】
ユニセフ(国連児童基金)欧州地域事務所代表兼欧州難民危機特別調整官アフシャン・カーンは、地中海を渡る123人の子どもが無事スペインに到着したことについて、以下の声明を発表しました。
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ユニセフは、おとなの同伴者のいない60人を含む123人の子ども全員が、海上での悲惨な8日間の末に、無事スペインの海岸に到着し、保護を受けることができたことに安堵しています。
スペインは、このような極めて弱い立場にある子どもたちや妊婦を受け入れるという正しいことをしただけでなく、地中海両岸の国々に対して、移民に対する責任を共有し、人道原則と国際法に準じた行動を取るという前例を見せたのです。
イタリア沿岸警備船 ‘Dattilo’ に乗船しているユニセフのパートナー団体INTERSOSから、おとなの同伴者のいないあるいは離ればなれになってしまった子ども60人を含む123人の子どもの多くが、暴力や拷問を受け、疥癬(かいせん)、船酔い、脱水症状に苦しむなどの辛い体験をし、疲れ果てていることを聞いていました。
私たちのパートナー団体は船上で、最も脆弱な子どもたちを特定する手助けをし、彼らに情報の提供、心理社会ケアや保健衛生ケアを提供しました。
私たちはスペインに感謝すると同時に、スペインが今後も陸上において、子どもたちに安全、ケアそして保健サービスを与えるのみならず、子どもの最善の利益となる機会を、迅速にかつ守る形で決定するであろうことを確信しています。
■補足情報
ユニセフは2016年からイタリア沿岸警備隊と協力して、おとなの同伴者のいないあるいは離ればなれになってしまった子どもたち3,000人以上を特定しケアを提供し、42回のミッションで緊急物資1,675キットを配布しました。2018年に入ってから海路でイタリアに到着した移民・難民の数は約1万4,000人で、この数年では著しく減少しています。
到着した3隻のボートには60人のおとなの同伴者のいないあるいは離ればなれになってしまった子どもが乗っていました。男子52人と女子8人の内訳は、エリトリアから28人、スーダンから14人、ギニアのコナクリから6人、マリから3人、ナイジェリアから2人、ガーナから2人、ギニアビサウから2人、そしてセネガル、ガンビア、チャドから各1人。
スペインのユニセフ協会は、担当当局と協力しながら、受入・保護制度が確実に子どものニーズや権利を尊重できるように、具体的な提案をしています。
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■ 本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
本信の原文は、 下のURLからご覧いただけます。
https://www.unicef.org/press-releases/unicef-statement-arrival-migrant-children-spain
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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