『引きこもりの7割は自立できる』(新潮新書)が本日発売!
引きこもりの数は近年、激増しています。2019年の調査で115万人とされたのが2022年の調査では推定146万人。この間、日本もコロナ禍に見舞われ、引きこもりがむしろ推奨されていたという事情もありますが、それにしても急な増え方です。
あまりにもありふれた現象となって、引きこもりの問題を「諦めてしまう」ケースも増えてきました。引きこもりは、自立はおろか、その状態からの脱出すら難しいイメージが定着してきています。
しかし、30年にわたって若者支援、引きこもり支援を行ってきた著者ふたりは、「ほとんどの引きこもりは自立可能」と言います(全員、と言わないのは、本当に病気や発達障害の人もいるため)。にも関わらず、なぜ「支援しても無駄」という諦めムードが蔓延してしまうのか。そこには「支援のミスマッチ」があります。
現在の引きこもり支援の主流は「まず親子の対話を」「信じて待ってあげて」「本人の意思を尊重して」というスタンスです。
しかし、こうしたスタンスでは、引きこもり問題を本当に解決することは困難です。引きこもりは、親子が理解し合って解決することもあれば、子どもが「この親とは理解し合えない」と分かって諦めて出て行くことで解決することもある。考えてみれば当たり前。普通の家族だって、親子が本音で対話しているケースはそんなに多くないでしょう。むしろ、親子だからこそ本音は話しにくい、というのが通常の感覚ではないでしょうか。
親は支援者にはなれない。だからこそ、家族をひらき、第三者を介入させることが大事なのです。
「本人の意思を尊重して」「信じて待つ」。これも微妙なやり方です。そもそも、引きこもりには「意思がない」人も多い。親の干渉が面倒くさくて適当な理由や言い訳をでっち上げているケースも多いのですが、何であれ希望にすがりたい親は、その片言隻句に一喜一憂してしまう。そうして、信じて待っている間に、時間だけがズルズルと過ぎていく。本人の意思を尊重していても、事態は簡単に動きません。
だからこそ、大事なのは「一歩踏み込む」支援なのです。
著者たちの団体「ニュースタート事務局」は、「レンタルお姉さん」「レンタルお兄さん」という、引きこもり当事者に直接働きかける支援活動をしています。こうした活動によって、7,8割の引きこもりは、自立に至ると言います。これは、他の支援団体と比べても、圧倒的に高い実績です。
現在は「引きこもりも個性」なんて、言い方もされますが、著者たちによると、抜け出したあとに「引きこもりで本当に良かった」と言い切った人は今までに一人もいない。やはり、引きこもりはそこから脱すべき「通常ではない状態」なのです。引きこもり支援の最大のゴールは自立なのです。そのために何をすべきなのか、それを詳述したのが本書です。
今年80歳になった二神能基さんは、「遺言として書いた」と記しています。この本は主として「当事者」を読者に想定しているので、全国146万人の引きこもり、及びその関係者に一冊でも多く届いて欲しいですが、引きこもり問題に興味を持つ人が読んでも、教えられるところが多くあると思います。ご興味があれば、ぜひご一読ください。
■書籍内容紹介
「まずは親子の対話から」なんて信じてはいけない。引きこもりは、親子が理解し合って解決することもあれば、理解し合えないと分かって解決することもある。家族をひらき、第三者を介入させよ。「解決なんて無理」と諦めるなかれ。一歩踏み込む「おせっかいな支援」をすれば、ほとんどの引きこもりは自立可能なのだ──。支援活動を30年続けてきた団体創設者による、引きこもり問題への最終回答。
■著者紹介
・二神能基
1943年生まれ。早稲田大学政経学部在学中から塾を経営し、1990年代より若者支援活動に着手。99年に「ニュースタート事務局」を創設。著書に『希望のニート』『暴力は親に向かう』など。
・久世芽亜里
「ニュースタート事務局」スタッフ。現在は主に親の相談、事務、広報などを担当している。青山学院大学理工学部卒。著書に『コンビニは通える引きこもりたち』。
■書籍データ
【タイトル】引きこもりの7割は自立できる
【著者名】二神能基 久世芽亜里
【発売日】10月18日
【造本】新書
【本体定価】858円(税込)
【ISBN】978-4106110153
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