「2024年度グッドデザイン賞」受賞について
2024年度グッドデザイン賞におきまして、JR西日本グループとして、『“特急やくも”のブランディング(273系電車と停車駅などトータルデザイン)』『快速うれしート』『団地まるごと駅マエ化プロジェクト』『鉄道インフラデータ検索サービス「デジタルレールマップ」』 『小松駅高架下交流施設「Komatsu 九」』『グランフォレスト田園調布』の、計6件が受賞いたしました。
なかでも、“特急やくも”につきましては、ベスト100に選定頂きました。
今後ともJR西日本グループといたしまして、様々なアイデア・デザインを探求し、心を動かす、未来を動かすサービスを提供してまいります。
※グッドデザイン賞は、1957 年に通商産業省によって創立された「グッドデザイン商品選定制度」を (財)日本産業デザイン振興会(現在の公益財団法人日本デザイン振興会)が承継し、1998 年に新たにスタートした、わが国で唯一の総合的デザイン表彰制度です。
■”特急やくも”のブランディング(273系電車と停車駅などトータルデザイン)
概要:特急やくも号はこれまで都市間を結ぶ単なる移動手段として機能していました。車両の老朽取り換えの時期を迎え、沿線の「らしさ」を表現した新たな車両を投入するとともに、地域を巻き込んだエリアブランディングに取り組み、JR西日本として地域共生の実現を目指しました。車両〜駅〜地域の点と線から面へと移動時間全体をトータルでデザインしました。
・受賞カテゴリ:鉄道・船舶・航空機
・受賞企業:西日本旅客鉄道株式会社
・グッドデザイン賞審査委員 評価コメント:
“夕日色にかがやく特急列車の一部はセミコンパートメントでやくもの「雲」をイメージしたさりげない目隠しが付いており、座面を引き出せばお座敷になる。靴を脱いで足を伸ばせるこの仕掛けがとても日本的で居心地がいい。旅の起終点、出雲市駅の待合室は、間接照明や地元の家具を使ったインテリアが秀逸で、みんなゆったり電車を待っている。振り子式列車にはよいイメージがないかもしれないが、やくもは独自の技術による自然な遠心力で乗っていて違和感がない。駅と列車を一体として捉えた新しいやくもから空間デザインの力を感じる。”
■快速うれしート
概要:「電車で確実に座りたいなぁ。しかもお手頃な値段で」そんな気持ちにお応えするのが、”快速 うれしート”です。鉄道が提供する「線路と車両による移動」という既存の機能に、”のれん”を設置するという低廉かつ汎用性の高い方法により「確実に座れる」価値を低価格で提供し、世の中の多くの方々のニーズに応えます。
・受賞カテゴリ:鉄道・船舶・航空機
・受賞企業:西日本旅客鉄道株式会社
・グッドデザイン賞審査委員 評価コメント:
“近年通勤車両で増えつつある、有料の座席指定サービス。専用車両を用意した例もあるなかで、JR西日本はもともと転換クロスシートの車両を使っていたこともあり、設備には手をつけず、普通席との間に暖簾を下げることで識別した。おかげでチケットレス予約では300円という低料金で利用できる。評判は良いようで、最新情報では導入路線が増えるとのこと。既存の設備を有効活用して利用者のニーズに応えるべく、暖簾を選んだ発想に感心した。”
○関連HP
快速 うれしート(有料座席サービス) | 鉄道 :JRおでかけネット (jr-odekake.net)
■団地まるごと駅マエ化プロジェクト
概要:神戸市が運営する若年ファミリー向け賃貸住宅“シティハイツ狩口”に入居するとJR西日本の“きっかけエリアパス”と電動シェアマイクロモビリティ“LUUP(ループ)”の利用クーポンをお渡し、住まいと移動がセットになった「郊外団地をまるごと駅マエ化」する団地ぐらしを提案して
おります。
・受賞カテゴリ:地域の取り組み・活動
・受賞企業:西日本旅客鉄道株式会社 / 神戸市建築住宅局 / 株式会社Luup
・グッドデザイン賞審査委員 評価コメント:
“目の前のシステムの課題に対し、時間をかけ大きな変化を与えるのではなく、「つくらない」まちづくりという視点で、今すぐにできるシンプルなアイデアを加え解決していく考え方やフットワークを評価した。何よりも驚いたのは、2023年のグッドデザイン賞の評価コメントを受けて、まだ改善すべきことがあると考え、この取り組みが生まれた点だ。多様な世代が住まうこのエリアにおいて、次にどのような取り組みが広がるのか、楽しみに待ちたい。”
○関連プレスリリース
鉄道とシェアモビリティがつなぐ新しい団地ぐらし実証実験「団地まるごと駅マエ化プロジェクト」
■鉄道インフラデータ検索サービス「デジタルレールマップ」
概要:「デジタルレールマップ」は、当社エリアでは総延長約8,000kmに散在する数十万点もの鉄道設備データを直感的に検索できるWEBサービスとして、労働生産性の向上・現場の技術継承を目的に開発・提供しております。路線の住所に相当する、起点からの延長を551k992mの様に示す距離標を仮想化した「デジタルキロポスト」により、1m刻みで正確な場所を地図に刻み、これまでにないユーザー体験を提供します。
・受賞カテゴリ:システム・サービス
・受賞企業:西日本旅客鉄道株式会社 / ジェイアール西日本コンサルタンツ株式会社
・グッドデザイン賞審査委員 評価コメント:
“本システムは、コロナ後の時代の労働力不足解消と生産性向上のための画期的なソリューションである。GISシステムを最新化することで、重要な現場の知識の保存と将来のリーダーへの伝達を確実にし、運用効率を向上させた。デジタルレールマップは単なるツールではなく、土木、電気、都市計画など多様な工学分野をつなぐ戦略的プラットフォームである。この設計はユーザーのニーズを重視しており、迅速かつ直感的な検索結果を1秒以内に提供し、機能横断的なリアルタイムのデータアクセスを提供する。データの蓄積と分析を促進することで、このマップは予防保全、IoT、AIを活用した成長を支援し、鉄道の未来のためのイノベーションと持続可能性を推進する。”
○関連HP
鉄道インフラ検索サービス「デジタルレールマップ」 (jrw-ip.jp)
■小松駅高架下交流施設「Komatsu 九」
概要:北陸新幹線小松駅に隣接するここはひと・もの・情報を繋ぐ交流施設です。通勤中の会社員や学校帰りの学生、地域住民から観光客まで誰もが自由に立ち寄れます。飲食店である小松KABULETはフリースペースとしても利用が可能です。障がいのあるスタッフも活躍する”ごちゃまぜ”なここは、駅を交流の中心と捉え、駅から始まるまちづくりを展開します。
・受賞カテゴリ:地域の取り組み・活動
・受賞企業:JR西日本不動産開発株式会社 / 小松市
・グッドデザイン賞審査委員 評価コメント:
“「Komatsu 九」は、地方都市における駅の新たな価値を創出する試みとして高く評価したい。地域交流の結節点として駅が再定義することで、通勤者や学生、観光客、ファミリーといった多世代が自由に集う場を提供している点が駅の可能性を広げている。特に清掃業務の委託費を収入源とする運営体制は、持続可能なビジネスモデルに寄与しており、運営への工夫を感じた。また、筆者自身もこの場所を訪れた際、他世代が共に時間を過ごし、自然とコミュニティが形成される様子を目の当たりにし、その場の心地良さに感銘を受けた。今後は開発の費用対効果が見合うように、運営の持続と発展に期待
したい。“
■グランフォレスト田園調布
概要:自然環境配慮型の介護付き有料老人ホームを東京23区内にて開発しました。景観との共生、生物多様性に配慮し、⽼⼈ホームでは初となるABINC認証を取得しました。豊かな⾃然とふれ合い癒され、それを介して⼊居者同⼠、職員とのコミュニケーションが活性化されることで、⼼⾝共に健康で⽣き⽣きとした暮らしを提供します。
・受賞カテゴリ:中〜大規模共同住宅・寄宿舎
・受賞企業:JR西日本プロパティーズ株式会社 / スミリンフィルケア株式会社
・グッドデザイン賞審査委員 評価コメント:
“近年、急速に高齢化や世帯の単身化が進む中で、高齢者施設の役割はより一層重要になっている。本有料老人ホームは、施設ではなく住まいとして、豊かな自然に触れられる暮らしを追求しており、その理念は非常に共感できる。植物や野鳥、昆虫などの生き物に触れることで、入居者同士や職員との交流が育まれ、生き生きと日々を過ごすことができるだろう。2層吹き抜けのラウンジや奥行きの深いバルコニーなど、室内からも自然が感じられるように工夫されている点も高く評価したい。”
○関連プレスリリース
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