『カモフラージュ』『累々』新たな世界を提示し続ける松井玲奈の新作が「小説TRIPPER(トリッパー)夏季号」に掲載!今回のテーマは「家族」
篠田節子の創作、川上弘美の連作のほか、佐々木敦による「『シン・エヴァンゲリオン劇場版』論」、斎藤美奈子+鴻巣友季子、高山羽根子+小川哲の対談も掲載/6月17日発売
俳優業に留まらず、小説やエッセイの執筆でも活躍を続ける松井玲奈さんの新作短編「家族のかたち」を、2021年6月17日(木)発売の「小説TRIPPER(トリッパー)」夏季号に掲載します。デビュー作『カモフラージュ』は「食」にまつわる短編集、二作目『累々』は「恋愛の裏側」に迫る連作短編と、作品ごとに新たな試みに挑戦する松井さんですが、今回の新作では、誰しもが当たり前だと思っていた「家族」について問いかけます。同号では、篠田節子さんの中編小説「屋根裏の散歩者」、川上弘美さんの連作短編「たましいの名前」のほかに、批評家の佐々木敦さんによる「『シン・エヴァンゲリオン劇場版』論」も掲載。特集「文芸時評の未来」では、斎藤美奈子さんと鴻巣友季子さんによる文芸時評の「これまで/これから」をめぐる対談に加え、島田雅彦さん、阿部和重さん、星野智幸さん、山崎ナオコーラさん、田中慎弥さん、小山田浩子さんからエッセイを寄稿いただきました。芥川賞作家の高山羽根子さんと山本周五郎賞受賞の小川哲さんは共にSFの新人賞でデビュー。対談ではお二人のフィクション観が詳らかになります。
毎日、毎朝、同じ場所にぎゅうぎゅうに閉じ込められていた「僕」。ある日「ウンメイノコ」と言われ、新しい生活が始まった。初めてのソファ、初めてのお母さん、初めての友達、いろいろな「初めて」を経験して世界が広がっていく中に突如現れた、全く知らない匂い。そして、「僕」が思わずとった行動とは――。俳優業に留まらず、小説やエッセイの執筆でも活躍を続ける松井玲奈さんの新作短編「家族のかたち」を掲載します。家族って何? 本当の家族の形って? 今まで当たり前だと思っていた日常を問う、「小説トリッパー」2020年夏季号に掲載した「家族写真」に連なる新たな家族小説です。
篠田節子さんの創作「屋根裏の散歩者」のタイトルからは、江戸川乱歩作品を思い起こさせますが、篠田さんの描く「散歩者」は何者なのか? 著者一流の社会を見つめる眼差しが凝縮された中編です。川上弘美さんの「たましいの名前」は、『七夜物語』で夜の世界を冒険した主人公が大人になり、二人の子供たちが活躍する連作の一編です。
興行収入80億円を超えた『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。庵野秀明監督は、四半世紀をかけて物語を完結に導いた。象徴的なメッセージ「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン」に込められたものとは何なのか? 批評家の佐々木敦さんによる「『シン・エヴァンゲリオン劇場版』論」は、「成熟」をめぐる本格文芸評論です。
この四月から朝日新聞の文芸時評を担当される翻訳家で文芸評論家の鴻巣友季子さんと、同欄を4年にわたり執筆された斎藤美奈子さんの対談「『時』のなかで批評する」を掲載。文芸時評の「これまで/これから」を語り尽くします。この対談を中心に、6人の小説家に「文芸時評の経験」としてエッセイを寄稿いただき、小さな特集を組みました。タイトルは大きく「文芸時評の未来」。執筆陣は、島田雅彦さん、阿部和重さん、星野智幸さん、山崎ナオコーラさん、田中慎弥さん、小山田浩子さん。いずれも貴重な提言&証言です。
対談を掲載した、芥川賞作家の高山羽根子さんと山本周五郎賞受賞の小川哲さんは、お二人ともSFの新人賞でデビューしています。SFというジャンルを入口にして、小説の書き方からフィクション観に至るまで、想像力の源泉が詳らかになります。
ほかにも、
●最新作『ミカンの味』から『82年生まれ、キム・ジヨン』の反響まで1問1答形式で、チョ・ナムジュさんへの25の質問
●江上剛さんの連載「創世(はじまり)の日」が堂々の完結
などを掲載しています。
小説TRIPPER(トリッパー)2021年夏季号
定価:1320円(本体1200円+税10%)
発売日:2021年6月17日(木曜日)
https://www.amazon.co.jp/dp/B09484PVF8
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