2025年12月の国内景気は7カ月連続で改善 年末商戦や国内旅行が景気を押し上げ、今後は金融政策の動向に注目

TDB景気動向調査(全国)― 2025年12月調査 ―

株式会社帝国データバンク

株式会社帝国データバンクは、2万4,274社(有効回答企業1万662社、回答率43.9%)を対象とした2025年12月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表いたしました。

■調査結果のポイント

  1. 2025年12月の景気DIは前月比0.3ポイント増の44.4となり、2017年12月以来8年ぶりに7カ月連続で改善した。国内景気は、活発な季節需要や好調なAI関連が押し上げ要因となり、改善傾向が続いた。今後の国内景気は、金融政策の動向を注視しつつも、年後半から緩やかな持ち直しが続くと見込まれる。

  2. 『小売』『運輸・倉庫』など5業界で改善、『金融』など5業界で悪化した。飲食や季節商品、活発な年末商戦は景気を下支えした。規模別では、4カ月ぶりに全規模がそろって改善、「中小企業」は3カ月連続で上昇した。地域別では、『北関東』『北陸』など8地域が改善、年末年始に向けた需要などの季節要因が下支えした。

  3. [今月のトピックス]今後の景況感について、半導体市場の改善や政府による経済政策のプラス効果などを期待する声があげられた

次回発表日は2月4日(水)13時30分を予定しております。

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< 2025年12月の動向 : 改善傾向 >

2025年12月の景気DIは前月比0.3ポイント増の44.4となり、2017年12月以来8年ぶりに7カ月連続で改善した。国内景気は、活発な季節需要や好調なAI関連が押し上げ要因となり、改善傾向が続いた。

12月は、飲食関連や暖房機器、活発な年末商戦など季節商品が活発だった。また、観光産業では国内旅行が需要を押し上げ、さらにAI需要の拡大を受けて半導体や電気機械関連の生産も好調に推移した。他方、仕入単価の上昇や人手不足の継続はマイナス要因で、加えて長期金利の上昇も下押し材料となった。

< 今後の見通し : 緩やかに持ち直し >

今後は、春闘における賃上げの動向や物価高対策の実施など、家計の実質購買力の回復が持続的な成長にとってカギとなる。加えて、底堅い旅行需要や半導体・AI・防衛関連の成長投資にも注目が集まる。一方で、日本銀行による約30年ぶりの水準となる政策金利の引き上げが企業活動に与える影響も注視すべきであろう。さらに、長期金利の上昇や日中関係の不安定化、人手不足は懸念材料である。

今後は、金融政策の動向を注視しつつも、年後半から緩やかな持ち直しが続くと見込まれる。

業界別:10業界中5業界で改善、小売など個人消費関連が下支え

『小売』『運輸・倉庫』など5業界で改善、『金融』など5業界で悪化した。業界間で景況感を二分しつつも、季節需要を取り込み飲食や暖房・防寒関連での需要増加は景気を下支えした。特に、飲食関連は製造、卸売、小売と幅広く回復がみられた。他方、降雪による人出の制限はマイナス材料になったほか、燃料費やエネルギーコストの増加、金利上昇などを不安視する声も複数聞かれた。

『小売』(40.1)…前月比1.3ポイント増、2カ月ぶりに改善。2024年9月以来1年3カ月ぶりに40台を回復した。酒屋や精肉店などの景況感が高まった「飲食料品小売」(同1.4ポイント増)や、冬の感染症予防や乾燥対策が押し上げた「医薬品・日用雑貨品小売」(同1.2ポイント増)は、ともに2カ月連続で改善した。重衣料や防寒アイテムが好調な「繊維・繊維製品・服飾品小売」(同1.5ポイント増)、暖房機器などの需要が増加した「家電・情報機器小売」(同3.2ポイント増)など、活発な年末消費を受けて全9業種中8業種が改善した。

『運輸・倉庫』(46.2)…同0.7ポイント増。3カ月連続で改善。「年末年始に向けた物量が昨年よりやや多い」(一般貨物自動車運送)など、明るい話題が聞かれた。加えて、保管量の増加やEC需要の拡大により倉庫関係も上向いた。また、週末の人出が多くタクシー利用が好調という声も寄せられたほか、近場重視の国内旅行を中心に旅行業が改善した。他方、旅客、貨物ともにドライバー不足などがマイナス材料となっている。

『サービス』(49.4)…同0.5ポイント増。4カ月連続で改善。忘年会など会食機会の増加にともない「飲食店」(同3.7ポイント増)は4カ月ぶりに上向いた。「リース・賃貸」(同1.6ポイント増)は、建設需要に支えられた建機リースを中心に好転し50台に回復。ソフトウェア開発が堅調な「情報サービス」(同0.9ポイント増)は、2カ月連続で上向いた。他方、野外活動の不振が響いた「娯楽サービス」(同0.7ポイント減)は、3カ月連続で下向いた。「旅館・ホテル」(同4.4ポイント減)は50台を維持しつつも5カ月ぶりに悪化した。

『金融』(48.0)…同0.5ポイント減。2カ月連続で悪化。「取引先は中小企業が多く、大企業と比較して業況の回復感は弱い」(信用金庫・同連合会)というように、取引先の状況によって厳しさが表れた。また、損保各社の手数料体系の変化は代理店に悪材料になるといった声もあげられた。他方、高値が続く金融市場や、金利上昇が続くなか貸出金利回りの改善は押し上げ要因となった。

規模別:4カ月ぶりに全規模がそろって改善、「中小企業」は3カ月連続で上昇

「大企業」「中小企業」「小規模企業」が4カ月ぶりにそろって改善。「中小企業」は好調な『小売』や『サービス』が寄与し、景気DIは3カ月連続で上向いたほか、設備投資意欲も2024年春の水準まで高まってきた。

「大企業」(48.7)…前月比0.2ポイント増。2カ月連続で改善。『卸売』は、生成AIやサイバーセキュリティ対策に関連する需要が堅調な「機械・器具卸売」など、9業種中6業種が上向いた。「鉄鋼・非鉄・鉱業」を含む『製造』も寄与した。

「中小企業」(43.6)…同0.3ポイント増。3カ月連続で改善。『小売』は「自動車・同部品小売」など、9業種中8業種が上向いた。「忘年会などの宴会需要がある」という声があがった「飲食店」を含む『サービス』もけん引役となった。

「小規模企業」(42.8)…同0.7ポイント増。2カ月ぶりに改善。底堅いIT需要で好調な「情報サービス」や年末イベントが好材料となり、『サービス』が上向いた。自動車関連の需要が好材料だった「化学品製造」など『製造』も押し上げ要因となった。

地域別:8地域が改善、年末年始に向けた需要など季節要因が下支え

10地域中『北関東』『北陸』など8地域が改善、『東海』が横ばい、『四国』が悪化した。『東北』は2024年12月以来1年ぶりに40台へ回復し、DIが30台の地域はなくなった。都道府県別では、改善が27、横ばいが1、悪化が19だった。

『北関東』(42.7)…前月比0.6ポイント増。4カ月連続で改善し、2023年12月(43.0)以来の水準に上昇した。「半導体関連が復活しつつある」といった声が寄せられた『製造』のほか、『運輸・倉庫』も全体を押し上げた。

『北陸』(42.1)…同0.4ポイント増。6カ月連続で改善。「震災復興需要の継続」といったコメントがあがったほか、設備稼働率が上昇傾向の「旅館・ホテル」など『サービス』は3カ月ぶりに50台を回復し、地域経済をけん引した。

『東海』(43.3)…同横ばい。「家電・情報機器小売」を含む『小売』が3カ月ぶりに40台に改善した。一方で、原材料費など各種コストの高騰を指摘する声があがった『卸売』の悪化が重しとなった。10地域別順位では、前月の3位から5位にダウンした。

【今月のトピックス】
今後の景況感の上昇・上位10業種

  • 今後の景況感について、上位5業種で20ポイント以上の大幅な回復を見込んでいる

  • 上位業種からは好材料として、半導体市場の改善や政府による経済政策のプラス効果などを期待する声があげられた


【調査先企業の属性】.

1.調査対象(2万4,274社、有効回答企業1万662社、回答率43.9%)

2.調査事項

景況感(現在)および先行きに対する見通し

経営状況(売り上げ、生産・出荷量、仕入れ単価・販売単価、在庫、設備稼働率、従業員数、時間外労働時間、雇用過不足、設備投資意欲)および金融機関の融資姿勢について

3.調査時期・方法

2025年12月16日~2026年1月5日(インターネット調査)

【景気動向指数(景気DI)について】

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万6千社以上を対象に実施している月次統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法
DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ以下の点数を与え、これらを各選択区分の回答数に乗じて算出している。

景気DIは、50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる(小数点第2位を四捨五入)。また、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」で算出している。

■企業規模区分

企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に中小企業基本法に準拠し、全国売上高ランキングデータを加え下記の通り区分している。

■景気予測DI

景気予測DIは、ARIMAモデルと構造方程式モデルの結果をForecast Combinationの手法で算出。破線は予測値の幅(予測区間)を示している

地域別はこちら】

北海道(道東・日胆)

東海(岐阜・静岡・愛知・三重)

東北 (青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)

近畿(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)

北関東(茨城・栃木・群馬・山梨・長野)

中国(鳥取・島根・岡山・広島・山口)

南関東(埼玉・千葉・東京・神奈川)

四国(徳島・香川・愛媛・高知)

北陸 (新潟・富山・石川・福井)

九州(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)

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シンクタンク
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会社概要

株式会社帝国データバンク

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URL
https://www.tdb.co.jp/index.html
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区南青山2-5-20
電話番号
03-5775-3000
代表者名
後藤 信夫
上場
未上場
資本金
9000万円
設立
1987年07月