317社に聞いた「労働時間規制緩和」の意識調査。高市首相の「労働時間規制緩和」検討指示、約7割が肯定的。 一方で、約2割が否定的。「健康被害」「長時間労働を評価する風土への逆戻り」を不安視。
ー人事・採用担当者向け情報サイト『人事のミカタ』アンケートー
エン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役会長兼社長:越智通勝)が運営する人事・採用担当者向け情報サイト『人事のミカタ』(https://partners.en-japan.com/)上で、企業の人事担当者を対象に「労働時間規制緩和」についてアンケート調査を行ない、人事担当者317名から回答を得ました。以下、概要をご報告します。

結果 概要
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「労働時間規制緩和」検討指示、約7割が肯定的に評価。理由は「柔軟性の向上」「意欲ある社員の収入アップ・キャリアアップ」。
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一方で、約2割が規制緩和に否定的。「健康被害」「長時間労働を評価する風土への逆戻り」を懸念。
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今後、規制緩和が施行された場合、約3割が自社へ「支障がでる」と回答。主な影響は、「長時間労働の常態化」「意欲ある社員の収入増」「人件費の増大」。
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約4割が「残業時間は減少傾向」と回答。主な理由は「残業制限」や「定時を前提とした仕事指示」。
調査結果 詳細
1:「労働時間規制緩和」検討指示、約7割が肯定的に評価。理由は「柔軟性の向上」「意欲ある社員の収入アップ・キャリアアップ」。(図1~3)
2025年10月、高市早苗首相は上野賢一郎厚生労働大臣に対し、「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討」を指示したと報じられています。こちらの「労働時間規制緩和の検討指示」について、「内容も含めて知っている」(23%)または「概要だけ知っている」(63%)と回答した人は全体の86%に上り、高い認知度を示しました。
「労働時間規制緩和の検討指示」に対する印象を伺うと、68%が「良いと思う」(とても良いと思う:23%、良いと思う:45%)と肯定的に評価していることが分かりました。「良いと思う」と回答した方に理由を伺うと、「本人の希望に応じて労働時間を増やせることで、収入アップやキャリアアップにつながる」、「規制が足かせになっている人や職種がある」などの声があげられました。具体的なコメントも紹介します。
【図1】高市早苗首相が「労働時間規制緩和の検討指示」を行なったことをご存知ですか?(従業員数別)

【図2】「労働時間規制緩和の検討指示」に対する印象を教えてください。(従業員数別)

【図3】「労働時間規制緩和の検討指示」に対する印象を教えてください。(業種別)

Q. 「労働時間規制緩和の検討指示」に対して”良いと思う”と回答した、具体的な理由を教えてください。
・働きたい、稼ぎたい人は好きなだけ働いてもらって稼げば良いと思う。(サービス関連/1~9名)
・クリエイターなど職種によっては労働時間の規制が足かせになっている場合もある。慎重さは必要だが規制緩和はとても良いと思う。(IT関連/100~299名)
・本人の希望に応じて労働時間を増やせることで、収入アップやキャリアアップにプラスに働くから。(メーカー/100~299名)
・現状では限られた時間しか働けず、ダブルワークをやらなければ収入が増やせない。働ける時に働いておいたほうが良いと思うから。(運輸・倉庫業/100~299名)
・労働人口減少の対策として作業効率向上だけでは対処できないため。欧米でも、仕事をしたい人は自己管理できる範囲で対応している。(不動産・建設関連/1000名以上)
2:一方で、約2割が規制緩和に否定的。「健康被害」「長時間労働を評価する風土への逆戻り」を懸念。
「労働時間規制緩和の検討指示」に対し、肯定的な意見が過半数を占める一方で、26%が「良いと思わない」(あまり良いと思わない:19%、良いと思わない:7%)と回答しました(図2)。「良いと思わない」と回答した方に理由を伺うと、「健康被害」「長時間労働を評価する風土への逆戻り」を懸念する声などが見られました。具体的なコメントを紹介します。
Q. 「労働時間規制緩和の検討指示」に対して”良いと思わない”と回答した、具体的な理由を教えてください。
・長時間労働に頼らずに収益を出せるようにすることが、社員の生活を守ることにつながると思う。(流通・小売関連/30~49名)
・働き方改革が後退しそう。希望した人とされているが、本当に希望されているかの裏付けなど、いずれにしても労働者の健康面の管理が難しそうに感じる。(印刷業/50~99名)
・「希望したことにされてしまう人」が出る可能性がある。職場の雰囲気や人事評価を気にして、断れずに「希望」した形になる。制度の趣旨とは逆に、過重労働を正当化する仕組みになりかねない。(メーカー/100~299名)
・時間外労働が規制前の水準に戻り、生産性向上より長時間労働が人事評価に直結し、不要な時間外労働が発生すると考える。(不動産・建設関連/300~999名)
3:今後、規制緩和が施行された場合、約3割が自社へ「支障がでる」と回答。主な影響は、「長時間労働の常態化」「意欲ある社員の収入増」「人件費の増大」。 (図4~6)
今後「労働時間の規制緩和」が施行される場合、現状の体制で27%が「支障がでる」(大きな支障がでる:4%、やや支障がでる:23%)と回答しました。予想される影響については、「長時間労働の常態化」(52%)、「意欲ある社員の収入増」(51%)、「人件費の増大」(50%)が半数を超えました。具体的な影響に関して、詳細も紹介します。
【図4】今後「労働時間の規制緩和」が施行される場合、現状の体制では支障が出ますか?(従業員数別)

【図5】今後「労働時間の規制緩和」が施行される場合、現状の体制では支障が出ますか?(業種別)

【図6】今後「労働時間の規制緩和」が施行される場合、予想される影響をお教えください。(複数回答可)

Q. 具体的な影響に関して、詳細を教えてください。
・意欲的に働きたい社員とそうでない社員が共存できる社風にコントロールする必要性がある。会社としてどちらの姿勢も尊重する社風を確立させないと社員同士での対立が起きるし、それによる離職なども増加する懸念がある。(卸売業/50~99名)
・意欲ある社員とワークライフバランスを重視する社員で二極化していく可能性がある。(広告・出版・マスコミ関連/50~99名)
・SES事業なので現場での動きに影響されるのではないか。(IT関連/50~99名)
・残業時間の適正化により、コスト削減を図ってきた当社では、再び元の状態に戻ることが危惧される。ただ残業代を稼ぎたいという方が残るという悪い状況になると思う。(不動産・建設関連/100~299名)
・やる気のある人の前向きな取り組みは歓迎するが、収入を増やしたい目的で労働時間の増加を希望する人が出てくることが想定される。前向きな取り組み以外は生産性の低下を招くため、判断が難しい。(メーカー/300~999名)
4:約4割が「残業時間は減少傾向」と回答。主な理由は「残業制限」や「定時を前提とした仕事指示」。(図7~9)
社員の平均残業時間(1ヶ月)について伺うと、「1~20時間」が最多で67%でした。ここ数年の社員の残業時間の推移について伺うと、「減少傾向」が40%、「変わらない」が45%となり、全体の8割以上で残業時間の抑制・現状維持が進んでいることが分かりました。「減少傾向」の理由を伺うと、最多は「残業を制限したため」(45%)、次いで「定時を前提として仕事を指示するため」(31%)となり、企業側の取り組みが、残業削減を後押ししている実態がうかがえます。
最後に、「労働時間の規制緩和」含め、残業時間等に関して、悩みや課題についても紹介します。
【図7】現在、貴社での平均残業時間(1ヶ月)は何時間程度ですか?

【図8】ここ数年で、社員の残業時間は増加傾向ですか?減少傾向ですか?

【図9】社員の残業時間が「減少傾向」の理由を教えてください。(複数回答可)

Q. 「労働時間の規制緩和」含め、残業時間等に関して、悩みや課題がありましたら教えてください。
・定時で帰りたい若手が多い印象なので、残業OKや労働時間が長い職場だと、ますます応募者が減少するのではと懸念している。(IT関連/1~9名)
・在宅勤務や自由時間出勤などの増加で労働時間の把握が難しくなっており、規制強化も緩和もあまり効果がないように思える。(IT関連/1~9名)
・働き方改革以降、残業は悪というような風潮が蔓延している。残業になりそうな事象が発生しても、担当意識が無く、他の人に仕事を振るなどして回避しようとする傾向が見られる。そして、それを法律があるが故に、会社が注意できないことが一番の問題だ。(流通・小売関連/10~29名)
・定額残業手当を採用していることもあり、実際に必要な残業なのかどうかの判断は難しい。ただ、もっと働きたい人の思いを縛っている現状は間違っているとも感じている。(商社/100~299名)
・残業時間の規制で、生産性が落ち、人件費が増加している。特に繁忙期の最長80時間という規制がネックになっている。(サービス関連/100~299名)
・全体的には残業は少ない。ある特定の職員に限り多いため、その職員には業務内容を把握して上司が適切な残業時間を指示している。職員が勝手に残って残業をすることを無くすように
会社全体で気を付けている。(障害者福祉事業/100~299名)
・残業・休日出勤ありきの業界で元々、基本給が低い。基本給自体の見直しを会社にしてほしい。(流通・小売関連/300~999名)
【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:『人事のミカタ』(https://partners.en-japan.com/)を利用する企業
■調査期間:2025年12月9日~2026年1月25日
■有効回答数:317名
困ったらまずココで検索。人事・採用担当者向け情報サイト『人事のミカタ』 https://partners.en-japan.com/

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