スポーツ中継におけるローカル5Gを活用した映像製作によるTV生中継に成功

～NACK5スタジアム大宮にて高画質・低遅延で安定的な映像伝送を実現～

NTT東日本株式会社

2025年12月4日 13時30分

　NTT株式会社（以下、NTT）、NTT東日本株式会社（以下、NTT東日本）は、株式会社テレビ埼玉（以下、テレビ埼玉）と、公益社団法人日本プロサッカーリーグ（以下、Jリーグ）協力の元、2025年11月23日（日）にNACK5スタジアム大宮で開催された、「明治安田J2リーグ第37節 RB大宮アルディージャ vs 徳島ヴォルティス」において、ローカル5Gを活用した高画質・低遅延で安定的な映像伝送によるTV生中継の実証実験を実施し、放送事業者における映像制作現場へのローカル5Gの実用性を確認しました。

1. 背景・目的

　近年、スタジアムや大型施設では、DXソリューションを活用した来場者や視聴者の体験価値向上が注目されています。一方で、施設を利用する事業者は、映像制作現場をはじめ、多くの現場で人手不足が続いており、業務効率化の重要性がますます高まっています。そのため、スタジアムや大型施設は、スポーツやエンタメの提供にとどまらず、DXソリューションによって利用者全体の満足度を高めることが期待されています。本取り組みでは、スタジアムや大型施設において、DXソリューションを通じてスポーツ・エンタメの新たな体験価値を創出するとともに、利用事業者の業務改革をめざしました。具体的には、利用事業者の一つである放送事業者の映像制作現場におけるローカル5Gの実用性を検証しました。

＜実証イメージ＞

2. 実施概要

　スタジアム内に、株式会社FLARE SYSTEMS（以下、FLARE SYSTEMS）のシステムを用いて専用の無線通信インフラであるローカル5Gを整備しました。これにより、ケーブルレスカメラによる撮影とローカル5Gを活用した映像伝送を実現し、テレビ埼玉協力の元、TV生中継を行いました。
　この取り組みにより、従来の有線設備を用いた撮影と比較して映像制作現場の効率化に貢献するとともに、TV生中継の映像制作現場においてもローカル5Gが活用可能であることを実証しました。

　開催日時：2025年11月23日（日）14:00キックオフ

　開催場所：NACK5スタジアム大宮（さいたま市大宮区）

　対象試合：明治安田J2リーグ第37節「RB大宮アルディージャ vs 徳島ヴォルティス」

　配信方法：テレビ埼玉によるTV生中継

　実証内容：

スタジアム内にローカル5G基地局を1箇所設置
ローカル5Gを活用したケーブルレスのカメラセット（1式）で観客席などスタジアム雰囲気の映像撮影
ローカル5Gを活用し、撮影した映像を中継車へ伝送
テレビ埼玉の放送における生中継映像として使用

以上を通じ、映像制作におけるローカル5Gの有効性と実用性を検証

3. 本施策の特徴

明治安田Jリーグ公式戦での試み：ローカル5Gを活用した映像制作による生中継の実施。
高画質・低遅延の映像伝送：ローカル5Gの特性を活かし、安定した高品質な映像をリアルタイムに伝送。
映像制作の効率化：ケーブル敷設作業の低減により、準備時間の短縮と人員の最適化を実現。

4. 各社の役割

　NTT：全体コーディネート、映像技術支援

　NTT東日本：実証の企画・運営、ローカル5Gシステムの技術選定
　テレビ埼玉：映像の撮影、映像制作、TV生中継放送

　FLARE SYSTEMS：ローカル5Gシステムの設計・構築・運用

5. 今後の展開

　今後は、ローカル5Gによるケーブルレス化によって、従来ケーブルの制約や安全確保の観点で撮影が困難だったエリアでも自由なカメラワークが可能となります。これにより、ピッチ上のプレーや選手入場、観客席の様子などを間近で捉えた迫力ある映像を撮影でき、視聴者に臨場感あふれる映像体験を提供できます。
　さらに、従来は望遠カメラのズーム機能等で補っている表現を、実際に近距離から撮影することで、より自然でダイナミックな映像演出が可能となります。
　また、今後はローカル5Gと併せて親和性のあるDXソリューションの他競技への活用拡大や各スタジアムや大型施設への展開を加速し、スポーツ・エンタメ領域へのローカル5Gを活用したDXソリューションの社会実装を推進してまいります。