「つながらない権利」対応ルールがある企業は、1割にとどまる 勤務時間外に連絡する企業は大企業が79.8%で全体を上回る

「つながらない権利」に関する企業の動向アンケート 

株式会社帝国データバンク

株式会社帝国データバンクは、「つながらない権利」について、企業へアンケート調査を実施した。

SUMMARY

勤務時間外の連絡について対応ルールの有無を尋ねたところ、ルールがある企業は11.6%にとどまり、ルールがない企業は86.6%となった。また、ルールの有無を問わず勤務時間外に連絡をする企業は70.0%で、連絡しない企業は28.2%だった。「つながらない権利」を推進する取り組みとしては、「明確なガイドライン策定」が半数でトップとなり、「管理職への意識改革・研修」「従業員への意識改革・研修」が続いた。今後は働き方改革の一環として、議論やルールの制定が進む見通し。


・調査期間:2026年3月6日~3月10日(インターネット調査)
・有効回答企業:1,232社


「つながらない権利」対応ルールがある企業は11.6%

休日や休暇日を含む勤務時間外に、仕事上の電話やメールなどの連絡を拒否することのできる「つながらない権利」が法制化に向けて議論されている。そこで、勤務時間外の連絡について対応ルールの有無を尋ねたところ、ルールがある企業は11.6%と、全体の1割程度にとどまった。内訳は、「ルールがあり、勤務時間外に連絡することはない」が1.9%、「ルールはあるが、勤務時間外に連絡することがある」が9.7%だった。

一方で、86.6%の企業はルールがなかった。「ルールはないが、勤務時間外に連絡することはない」が26.3%、「ルールはなく、勤務時間外に連絡することがある」が60.3%だった。また、ルールの有無を問わず、勤務時間外に連絡をする企業は70.0%で7割、連絡しない企業は28.2%だった。

ルールがある企業は、「緊急連絡(自然災害等)のみとしている」(化学品卸売)や「管理職者以外は社用の携帯電話を持って帰らせていない。個人レベルでLINEで繋がっていても、業務の連絡はさせていない」(輸送用機械・器具製造)など、勤務時間外の連絡を制限していた。そのほか、「緊急を要する場合、連絡をすることがあると周知している」(出版・印刷)や「基本は時間外連絡はしないことにしているが、業務上確認が必要なことが発生した場合は、チャットで連絡を取れるようにしている」(その他サービス)など、連絡するとしてもルールを定めているといった意見があがった。

ルールがない企業からは、「24時間稼働の工場のメンテナンスを行っており、頻度は少ないが緊急時には電話で呼び出さざるを得ない」(電気機械製造)や「朝7時台より職人からの連絡、担当現場監督とのやり取りが発生してしまう現状がある」(建設)といった業種の特性により連絡せざるを得ない企業があるほか、「電話ではなく、メールやLINEでの必要事項のみの伝達にしている」(運輸・倉庫)と、ルールはなくとも最低限の連絡にとどめる声もあった。

規模別にみると、「大企業」はルールがある企業が13.9%と全体を上回ったものの、勤務時間外に連絡をする企業も79.8%で全体を上回った。一方で、「中小企業」および「小規模企業」は、ルールがない企業が全体を上回ったものの、勤務時間外に連絡しない企業が全体を上回った。

「つながらない権利」を推進する取り組み、「明確なガイドライン策定」が半数

「つながらない権利」を推進するにあたって、必要だと考える取り組みを尋ねたところ、「明確なガイドライン策定」が49.3%でトップとなった。企業からは、「客先からの緊急要請に対するガイドライン化が必要」(機械製造)や、「緊急事態のような例外的な事象は対応してもらわなければならない。そのためのガイドラインをどこまで作り込めるのかが重要」(化学品製造)といった声が寄せられた。次いで、「管理職への意識改革・研修」(44.1%)、「従業員への意識改革・研修」(40.6%)が続き、意識改革・研修が上位に並んでいる。

また、「緊急連絡ルートの一本化」が35.7%となり、「属人化の解消(担当者不在でも対応できる体制づくり)」が35.6%で、「属人化を解消し、資料を共有化する方向の改革を進めるべき」(その他)や「属人化から脱却し、DX化により進捗状況が社内のだれでも閲覧できるようにする」(自動車・同部品小売)と、業務の共有化を推進する声があがって3割を超えた。


本アンケートの結果、勤務時間外の連絡に対する「つながらない権利」に関して対応ルールがある企業は全体の1割超で、ルールがない企業が9割近くとなった。また、ルールの有無を問わず、勤務時間外に連絡する企業は7割に達し、「大企業」では、その割合は高かった。

働き方改革やワークライフバランスの一環として、「つながらない権利」を進める企業がある。一方で、早朝・深夜や24時間連絡体制がなければならない業種があるほか、顧客や取引先など社外からの連絡を無視することはできないとの声もあった。また、自然災害や体調不良、忌引の連絡など、連絡が勤務時間外にならざるを得ない事態への対応など、緊急時の連絡手段についても議論が必要といった意見も複数あげられた。

勤務時間外の連絡に対するルールを決める際に、社内の意識改革は必要となるが、社内ルールやそれぞれの働き方について改めて考え直す機会になる。さらに、担当者以外でも対応できる環境の整備や業務の共有化を進めることは「つながらない権利」の促進以外の効果も生むだろう。

今後、いつでもどこでも連絡ができる現代だからこそ、業務とプライベートを切り分ける「つながらない権利」に関する議論は進み、ルールについても定める企業が増えるとみられる。

企業からの声(抜粋)

  • 勤務時間外の連絡は緊急連絡(災害事故、訃報等)しかないため、特に問題としていない(梱包)

  • 勤務時間外の電話などの対応は、手当支給対象となる規程があり、手当が支給される(鉄鋼・非鉄・鉱業)

  • 土日祝祭日の緊急連絡は、原則として代表取締役が受け取るように転送設定している(サービス / 専門サービス)

  • 人数がそれなりにいる会社ならルールを作ることは可能だが、少人数で運営している中小零細企業には不可能(サービス / 人材派遣・紹介)

  • 業務外で連絡することは無いが天候による通勤状況や急な入院などでは、つながらないと会社として困ることがあるので、つながらない権利を強く出されても全てが良い訳ではない(鉄鋼・非鉄鉱業製品卸売)

  • 中小零細企業では、人手不足でも勤務時間外に顧客の「必要な」要望に対応せざるを得ず、留守電対応しようものなら、取引自体がなくなってしまう(運輸・倉庫)

  • 時間外連絡が多い業種なので、ルールやガイドラインを作りつつも、例外がある事を認識することが重要。 時間外連絡が減るように仕向けるのも営業マンのテクニックと考えている(サービス / 広告関連)

  • 業務の性質上お客様から連絡があれば勤務時間外であっても連絡をせざるを得ない(建設)

  • 緊急時に連絡が取れないと、被害が拡大してしまうことがあり、万が一のときにはいつでも電話が取れるように社員にお願いしている(サービス / メンテナンス・警備・検査)

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業種
サービス業
本社所在地
東京都港区南青山2-5-20
電話番号
03-5775-3000
代表者名
後藤 健夫
上場
未上場
資本金
9000万円
設立
1987年07月