小川哲『君が手にするはずだった黄金について』、本屋大賞ノミネート!
本日2024年2月1日(木)に「2024年本屋大賞」のノミネート10作品が本屋大賞公式サイト(https://www.hontai.or.jp/)にて発表され、株式会社新潮社より刊行された、小川哲『君が手にするはずだった黄金について』がノミネートされました。著者の本屋大賞ノミネ―トは、2023年の『君のクイズ』に続いて2年連続となります。
「2024年本屋大賞」大賞作品は、書店員による2次投票によって決定し、4月10日(水)に発表される予定です。
『君が手にするはずだった黄金について』は、2023年1月に『地図と拳』で第168回直木賞した小川哲さんの受賞後第一作となる作品です。小川哲という名前の、著者を彷彿とさせる「僕」が主人公の連作短篇小説集は、発売前から話題沸騰。朝井リョウさん、宇垣美里さん、麻布競馬場さんらから絶賛のコメントが届き、発売1週間を前にして重版が決まり、発売3か月あまりで3刷5万部となりました。
するすると面白く読めるエンタメ小説でありながら、誰もが持ち合わせている「承認欲求」や「本物と偽物」の不確かさ、「記憶と真実」のあいまいさといったことを深く考察させられる内容で、新聞・雑誌・テレビ・ラジオで40媒体以上からの取材が殺到。筒井康隆さん、朝井リョウさん、加藤シゲアキさん、カズレーザーさん、南沢奈央さんなど、各界著名人との対談も相次ぎました。本好きの大学院生「小川哲」が、やがて小説家になり、山本周五郎賞にノミネートされるまで成長する過程を描いた小説でもあるので、本の話題が随所にちりばめられ、書店員のみなさまから熱い応援コメントが続々と寄せられた作品です。
♦著者小川哲さんのコメント
書店を運営するという業務の外ですでに大量のゲラやらプルーフやらを読まされている書店員に、さらに追い討ちをかけているのが本屋大賞です。短い期間に十冊の小説を読んで、さらにはそれに順位をつけなくてはなりません。直木賞の選考委員だって、読まなければいけない候補作は五冊か六冊なんです。本屋大賞が、どれだけの血と涙の上に成立しているのか——考えるだけでも頭が下がる思いです。しかも、その十冊に、(去年に引き続き)拙著が紛れこんでしまったようで、全国の書店員の皆さまの貴重な時間をいただいてしまうという事態になってしまいました。本当に申し訳ないと思いつつ、「やったぜ」というのが一人の著者としての正直な感想です。
◆著者紹介:小川哲
1986年、千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年、「ユートロニカのこちら側」で第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞しデビュー。2017年刊行の『ゲームの王国』で第31回山本周五郎賞、第38回日本SF大賞を受賞。2019年刊行の短篇集『嘘と正典』は第162回直木三十五賞候補となった。2022年刊行の『地図と拳』で第13回山田風太郎賞、第168回直木三十五賞を受賞。同年刊行の『君のクイズ』は第76回日本推理作家協会賞〈長編および連作短編集部門〉を受賞している。
◆『君が手にするはずだった黄金について』内容紹介
本好き学生の就活と恋模様を描いた「プロローグ」を皮切りに、著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。青山の占い師(「小説家の鏡」)、80億円を動かす金融トレーダー(「君が手にするはずだった黄金について」)、偽のロレックスデイトナを巻く漫画家(「偽物」)。彼らはどこまで嘘をついているのか? いや、嘘を物語にする「僕」は、彼らと一体何が違うというのか? 本屋大賞ノミネート作『君のクイズ』、直木賞受賞作『地図と拳』で、いま最も注目を集めるマルチな小説家が、成功と承認を渇望する人々の虚と実を描く話題作。
◆書籍データ
【タイトル】君が手にするはずだった黄金について
【著者名】小川哲
【発売日】2023年10月18日
【造本】四六判
【本体定価】1760円(税込)
【ISBN】978-4-10-355311-3
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