TOPPANとＥＮＥＯＳ、古紙を原料とした国産バイオエタノール事業で共同開発契約を締結

TOPPANホールディングス株式会社

2024年3月1日 14時22分

TOPPANホールディングス株式会社（本社：東京都文京区、代表取締役社長：麿秀晴、以下　TOPPAN）とＥＮＥＯＳ株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役：宮田　知秀、以下　ＥＮＥＯＳ）は、このたび、共同開発契約を締結し、古紙を原料とした国産バイオエタノールの事業化に向けた実証事業（以下　本実証）を開始します。

　バイオエタノールは、カーボンニュートラルの実現に向けて、自動車燃料や化学品用の原料などさまざまな用途での利用が期待されています。また、近年世界中で需要が高まっているSAF（持続可能な航空燃料）の原料としても注目されています。

　両社は、2021年よりエネルギーの脱炭素化と循環型社会の実現に向け、古紙を原料とした国産バイオエタノール事業の立ち上げについて、共同で検討を続けてきました※1。

具体的には、TOPPANが開発している、防水加工された紙やノーカーボン紙等の難再生古紙を原料とする前処理プロセスと、ＥＮＥＯＳが開発している、エタノールの連続生産プロセスとの組み合わせによる製造効率の向上について、小規模スケールで検討してきました。　　

　今般開始する本実証では、前処理プロセスにおいて、不要物質が適切に除去され、繊維分が豊富な原料となっているか、その後の糖化発酵プロセス※2においては、原料の連続投入とエタノールの抽出によって製造効率をより向上できるかについて検証してまいります。

パイロットスケールでのプラントによる実証運転を行い、事業採算性を見極め、2030年度以降の事業化を目指します。

　TOPPANは、2021年5月に公表した中期経営計画において、「DX（Digital Transformation）」と「SX（Sustainable Transformation）」によってワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーとして、持続可能な社会の実現と企業価値の向上をはかるとし、重点施策の一つとして「環境」への取り組みを掲げ、事業活動を推進しています。

　ＥＮＥＯＳは、グループの長期ビジョンにおいて、「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」との両立に向け挑戦することを掲げています。今後もエネルギーの脱炭素化に向けた研究開発に取り組み、本実証においてもバイオエタノール由来のSAF製造技術などの検討を行ってまいります。

両社で古紙を原料とした国産バイオエタノール事業に取り組むことで、脱炭素・循環型社会の実現に貢献してまいります。

＜古紙を原料とした国産バイオエタノール製造プロセス＞

■ 実証事業の概要

目的	古紙を原料とした国産バイオエタノール製造技術の検討
両社の役割	＜TOPPAN＞・幅広い顧客とのネットワークを通じ、難再生古紙を含めた古紙の調達ルート構築・調達した古紙をバイオエタノール製造に適した原料とする前処理プロセスの開発＜ＥＮＥＯＳ＞・高効率なバイオエタノール製造プロセスの開発・バイオエタノールを活用した燃料製造技術の検討
規模	古紙投入量：約1～3t/日　　　バイオエタノール生産量：約300L/日
建設地	選定中
スケジュール	2026年度にパイロットプラントの稼働開始を予定