予防接種率最新データ発表:2,000万人の子どもがワクチン未接種~根強い予防接種格差の是正を【プレスリリース】

2018年、はしかは35万件

保健センターで予防接種を受けるコンゴ共和国の赤ちゃん。(2019年2月撮影) © UNICEF_UN0283263_Frank Dejongh保健センターで予防接種を受けるコンゴ共和国の赤ちゃん。(2019年2月撮影) © UNICEF_UN0283263_Frank Dejongh

 

【2019年 7月 15日 ニューヨーク/ジュネーブ発】

ユニセフ(国連児童基金)とWHO(世界保健機関)が新しく発表したデータによって、世界の子どもの10人に1人にあたる約2,000万人の子どもたちが、はしかやジフテリア、破傷風などから命を守る予防接種を受けられていないことが明らかになりました。

世界では、三種混合ワクチン(DTP:ジフテリア・百日咳・破傷風混合ワクチン)の3回接種とはしかワクチンの1回目の予防接種率は2010年以降、86%付近で低迷しています。これは高い水準ですが、まだ充分ではありません。ワクチンで予防可能な病気から子どもたちを守るためには、国や共同体を越えて95%の予防接種率を実現する必要があります。

予防接種を受けていない子どもたちの大半は、最も貧しい国に暮らしており、脆弱な地域あるいは紛争の影響を受ける地域に偏って分布しています。そのうち半数以上はアフガニスタン、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ民主共和国、エチオピア、ハイチ、イラク、マリ、ニジェール、ナイジェリア、パキスタン、ソマリア、南スーダン、スーダン、シリアおよびイエメンの16カ国で暮らしています。

彼らが病気になった場合、深刻な健康への影響が危惧され、救命処置や治療へのアクセスも見込めません。
 

 

<はしかの大流行は、何年にもわたる慢性的な予防接種率の格差の現れ>

ユニセフが支援する予防接種キャンペーンで、はしかと風疹の予防接種を受けるイエメンの男の子。(2019年2月撮影) © UNICEF_UN0284459_Rakanユニセフが支援する予防接種キャンペーンで、はしかと風疹の予防接種を受けるイエメンの男の子。(2019年2月撮影) © UNICEF_UN0284459_Rakan


予防接種率の厳然たる格差は、あらゆる所得水準の国内外に根強く残っています。それが、高い予防接種率を誇る国も例外なく、世界各地でのはしかの大流行を生み出しているのです。

2018年には全世界で350,000件あまりのはしかの症例が報告されました。この数は2017年の倍以上です。

ユニセフ事務局長ヘンリエッタ・フォアは次のように述べています。「はしかは、予防可能な疾病を防ぐためにどこでさらに活動すべきかを示すリアルタイムの指標です。はしかは空気感染で容易に伝染するため、アクセスや費用、場合によっては無関心さを理由に予防接種を受けられていないコミュニティで集団感染が発生します。私たちはすべての子どもたちがワクチンを接種できるようにあらゆる手を尽くします。」

■はしかの発生率が最も高い10国(2018年)
【はしかワクチン1回目の接種率(2010)/ はしかワクチン1回目の接種率(2018)】
 

 

1. ウクライナ / 56 / 91
2. コンゴ民主主義共和国 / 74 / 80
3. マダガスカル / 66 / 62
4. リベリア / 65 / 91
5. ソマリア / 46 / 46
6. セルビア / 95 / 92
7. ジョージア / 94 / 98
8. アルバニア / 99 / 96
9. イエメン / 68 / 64
10. ルーマニア / 95 / 90

ウクライナは2018年にはしかの発生率が最も高かった国です。現在は乳幼児の90%以上が予防接種を受けていますが、それ以前の予防接種率が低かったために、多くの子どもやおとなが危険に晒されています。

高いはしかの発生率と予防接種率を擁する国には、過去にはしかの予防接種を受けられなかった集団が存在しています。この事実は、長期間にわたる予防接種率の低さやワクチン未摂取のグループの存在がいかに集団感染に拍車をかけるかを示しています。
 

 

<HPV(ヒトパピローマウイルス)予防接種率に関する初めてのデータ>
 

小学校でHPVワクチン接種を受けたルワンダの女の子たち。(2018年11月撮影) © UNICEF_UN0261446_Rusanganwa小学校でHPVワクチン接種を受けたルワンダの女の子たち。(2018年11月撮影) © UNICEF_UN0261446_Rusanganwa

子宮頸がんから女性を守るHPVワクチンの接種率に関するデータが初めて公開されました。2018年現在、世界の女の子の3人に1人が暮らしている90カ国で、HPVワクチンが国の予防接種プログラムの中に導入されています。このうち、低所得国はわずか13カ国でした。この事実は、子宮頸がんによって深刻な影響を受ける恐れの高い人々のワクチンへのアクセスが依然として閉ざされたままであることを意味しています。

ユニセフとWHOは、GAVIアライアンスといったパートナー団体と協力しながら、すべての子どもたちに定期予防接種を促すほか、緊急キャンペーンを実施し、プライマリ・ヘルスケアに従事する保健職員を訓練することによって、各国が予防接種システムおよび集団感染への対応を強化することを支援しています。

■データに関して
ユニセフとWHOは2000年以降毎年、加盟国の国別予防接種率を推計しています。ユニセフとWHOの推定プロセスでは、最新の推計値を計算するだけでなく、最新のデータに基づいて過去の一連の予防接種データを修正します。2018年版は1980年から2018年の39年分のデータを含みます。三種混合ワクチンの接種率は、子どもが予防接種を受けている割合を評価するために用いられ、1歳未満の子どもが計算の対象です。予防接種を受けた子どもの数の推定には、国連発表の「世界人口予測」のデータを用いています。

* * *

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp

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