ビールの香味成分を特定する嗜好AI「FJWLA」を独自に開発

キリンホールディングス株式会社

 

 キリンホールディングス株式会社(社長COO南方健志)の飲料未来研究所(所長 森木博之)は、お客様が感じるおいしさ(官能評価)に影響する重要成分を効率的・網羅的に特定できる嗜好AI「FJWLA/フジワラ(Flavor Judgment for Whole Liking Analysis)、以下FJWLA」を開発しました。2026年3月以降に発売するビール類から順次導入し、香味開発の高度化と価値創造を加速します。

 

■「FJWLA」の概要

 「FJWLA」は、「お客様調査データ×成分分析データ×AI」を統合し、お客様の“なぜおいしいのか”を要因分解してビールづくりに直結させる技術です。「FJWLA」によりお客様調査における香味の改善点を成分レベルで特定し、これまで培ってきた醸造家のビールづくりの知見を組み合わせることで、理想とする香味を高精度かつ効率的に実現します。

 「FJWLA」の適用領域は、ビール類にとどまらず、RTDやワイン、清涼飲料などへ段階的に拡張し、キリンの香味開発を一層高度化し、お客様へ今まで以上においしい商品をお届けします。

■導入経緯と期待される効果

 従来は、醸造家の知見と限定的なデータ分析を組み合わせて香味の改善点を探索してきました。当社は、長年にわたりお客様調査データと成分分析データを継続して蓄積しており、その資産を活用して「FJWLA」を開発しました。

 「FJWLA」は、これらを基礎データとし、お客様がおいしいと感じる官能評価結果を予測し、各成分の寄与度を定量化します。これにより、醸造家は理想とする香味の実現に重要な成分を即時に把握し、試作設計・工程条件の検討を迅速化できます。

■今後の展望

 当社は「FJWLA」の開発を起点に、R&Dから商品開発、市場調査、改善といったサイクルを高速化し、より”お客様に選ばれる”商品開発を進めます。短期的にはビール類をはじめとする飲料領域での実運用を拡大し、中長期的には嗜好データと行動データの連携を深めパーソナライズ化を推進します。

さらに、今回開発した嗜好AI「FJWLA」を含む一連の嗜好解析技術とデータ基盤を総称して「嗜好プラットフォーム」と位置づけ、そのさらなる拡充・高度化を進めていきます。「嗜好プラットフォーム」では、これまで蓄積してきたお客様調査データや成分分析データに加え、今後は市場での購買・リピート情報なども統合し、R&Dから商品開発、市場投入後の改善までを一気通貫で支援する仕組みを実現していきます。

 キリングループは、「KIRIN Digital Vision 2035※1」で掲げる「人がやらなくてよい仕事をゼロにする(生産性向上)」と「人と共に価値を生み出す仕事を加速させる(価値創造)」というデジタル活用の両軸を確実に推進し、食から医にわたる領域でのCSV先進企業として持続的な成長と社会価値の創出を目指します。

※1 https://www.kirinholdings.com/jp/innovation/dx/

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会社概要

URL
https://www.kirinholdings.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパークサウス
電話番号
03-6837-7000
代表者名
南方 健志
上場
東証1部
資本金
1020億4579万円
設立
1907年02月